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136 第3巻 発売決定記念回

 トモヤ、リーネ、ルナリア、シアの四人で旅をしている最中のこと。


 本日の料理当番はルナリアとシアということで、残るトモヤ達は二人で剣の特訓を行っていた。

 

「いくぞ、トモヤ!」

「ああ! こい、リーネ!」


 トモヤは自身のステータスのうち、攻撃、魔攻、速度をリーネと同じ水準まで下げた後、柄から切っ先までが漆黒に染まった長剣――終焉剣(ジオ・フィーネス)を構えた。

 直後、リーネが振るう深紅の長剣が襲い掛かってくる。


 その攻撃を、トモヤは身をひるがえすことで回避する。


「おっと、そう簡単にやられるか!」

「む、やるじゃないか。ならこれはどうだ――空斬!」

「うおっ!」


 数十の剣閃が空を走る。

 リーネの得意技である、空を飛ぶ斬撃だ。

 トモヤなら直撃しても怪我ひとつしないことを理解しているためか、遠慮なしの全力攻撃だった。


「数が多い……っ!」


 トモヤは必死に終焉剣を振るい、一つ一つを打ち落としていく。

 その隙を見逃すリーネではなかった。

 トモヤが剣閃に集中している間に気配を消すと、そのまま懐に潜り込んでくる。

 そして――


「はあッ!」


 ――気合いと共に、剣を振り上げる。

 いつも通りなら、それがそのままトモヤに直撃する――はずだった。


「さえるか!」

「なっ!?」


 だが、トモヤはその攻撃に反応した。

 トモヤの強さは、ステータス・オール∞という尋常ならざる力によって基本的には成立している。

 単純に同じ条件で模擬戦を行った場合、これまではリーネが勝利することがほとんどだった。

 今回もそうなると思っていたのだろう。リーネの目は驚愕によって大きく見開かれていた。


 トモヤが振るう漆黒の刃と、リーネが振るう深紅の刃が交差する。

 力は互角。その流れもまま鍔迫り合いになる。

 問題は、ここからどう動くかなのだが――。


(こ、これは……!)


 トモヤはとんでもないことに気付いてしまった。

 現在、トモヤとリーネはそれぞれの剣を合わせた状態のまま向かい合っている。

 つまり何が言いたいかというと――顔が急接近してしまったのだ。


 艶のある赤色の長髪。艶のある白い肌。

 エメラルドのように美しい翡翠の瞳。

 そして何より――つい先日触れた、潤いのある桜色の唇に目を奪われる。


 自分の想いを伝え、受け入れてもらったあの日のことが脳裏に浮かび、トモヤは自分の肌が紅潮するのを感じ取っていた。


 そしてそれは、奇しくもリーネも同じだった。

 いつもなら、こんな隙だらけなトモヤに対して、追撃のチャンスを逃さない訳がない。

 しかし彼女もまた顔を赤く染め、恥ずかしそうにトモヤから視線を逸らしていた。


「り、リーネ」

「むっ。な、なんだ、トモヤ!?」


 不思議な空気に耐え切れず名前を呼び掛けると、リーネの動揺がさらに大きくなる。

 今なら軽く体重をかけただけで、簡単に彼女を吹き飛ばせそうだ。

 もちろん、そんなことはしないが。


 と、トモヤがそんなことを考えていると――


「トモヤ! リーネ! ふたりでなにをしてるの? わたしもまぜて!」

「なるほど。人族の恋人はああやってコミュニケーションをとると。覚えた」


 いつの間にか迎えに来ていたルナリアとシアの言葉によって、トモヤ達は現実に引き戻された。

 気恥ずかしさを覚え、慌てて距離を取る。

 その動きは全く同じで、まさに息ピッタリといった様子だった。


「そ、そろそろ戻るか!」

「あ、ああ、そうだな!」


 トモヤとリーネは誤魔化すようにそう言葉を交わすと、ルナリアたちのもとに戻る。

 そんな二人に対して、ルナリアは不思議そうにきょとんと首を傾げながら、シアは羨ましそうに視線を向ける。



 こんな風にして、四人の日常は過ぎていくのだった。

さて、この度本作『ステータス・オール∞』の3巻がヒーロー文庫様より発売されることになりました。

発売日は2021年2月27日です。

下の画像にもあるように、イラストレーターのシソ様が素晴らしいイラストを描いて下さいました。

リーネがめちゃくちゃ可愛い!!!


あらすじを読んでいただけると分かるかと思いますが、Web版から分岐したオリジナルストーリーになります。

リーネの生まれ育った故郷、デュナミス王国が舞台となります。

リーネ、ルナ、シアがめちゃくちゃ可愛いです!

どうぞよろしくお願いいたします!

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◇『ステータス・オール∞』3巻の表紙です。
↓からホームページに飛べます。よろしくお願いいたします!
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