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再起を果たすためデストピアな異世界に転移させられた俺は若返ったので妄想しながら好き勝手に生きるぞ!!  作者: みけ猫 ミイミ
第一章

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ティラベル達のアジト

ティラベル達のアジトに来た英治は……。

 ここはティラベル達のアジトだ。この場所は町の南東側にあり、かつて食料品などの加工などをしていた工場である。

 とは云っても今では至る所が崩れ廃墟化していた。

 このアジトには約三十名ぐらい居るも殆どが戦えない者ばかりだ。だが、その中の十人は戦える。

 人数的に両派閥とやり合ったとしても差があり過ぎて負けは確実だ。

 それに何方の派閥にも強者がゴロゴロいるのでは尚更、太刀打ちできないと思われる。

 それなら何方かに就けばいいのだけど両派閥共に思想が歪んでおり、ここに居る者たちは嫌っていた。


 この敷地内の奥には瓦礫に隠れ大小様々な建物が五ヶ所だけ建っている。そう皆ここに隠れ住んでいた。

 そして五ヶ所あるうちの一番大きな建物には、ルゼリウスの書斎があって主に話し合いなどをしているのである。

 その書斎には現在、英治とルゼリウスとティラベルが居て円いテーブルを囲んで椅子に座り話をしていた。


「思っていたよりも真面な建物なんだな」

「そう思うか? まあ……こうなる前は、もっと物などが揃ってたんだ」

「なるほど……町を散策していて思った。この世界は、かなり発展してたんだな」


 それを聞きルゼリウスとティラベルは、コクッと頷き互いに何処か遠くをみつめている。


「昔に戻りたい……でも無理」

「諦めてるのか?」

「ううん……違う。諦めてなんていない。だけど今のままじゃ無理……だよ」


 ツラくなりティラベルは俯いてしまった。


「この町の動力も一部しか動いてない」

「その動力も……今は青派が独り占め、してる」

「そういう事か……もしかして赤派は、その動力源を狙ってるのか?」


 そう問われてルゼリウスは頷き英治へ視線を向ける。


「その通りだ。でも、それだけじゃない。まあ、そう云うオレ達も動力源を取り返したいと思っている。だが独り占めしたいって訳じゃないからな」

「みんなと分け合うってことか?」

「そもそも……動力源は、みんなの物だろ?」


 その言葉を聞き英治は自分の感が正しかったと思い笑みを浮かべた。


「ああ……当然だ。だが、どうする気だ?」

「今は……どうしたらイイか……分からない」

「こうやって……二つの派閥から目を付けられないように、こそこそ隠れているしかない状態だ」


 段々状況がのめて来た英治は「そういう事か」と納得する。


「そのためティラベルは俺に助けを求めたってことなんだな?」

「うん、そう。でも、この場所は知られてる」

「知られているせいで、ここに連中がくる。だから何方の派閥からも勧誘が嫌というほどあるんだ。


 そう言いルゼリウスは、キッと無作為に睨んだ。


「酷い勧誘なのか?」

「とんでもなくな……何名か赤派や青派に連れていかれた」

「無理矢理にか? それとも納得して……」


 何方なのか気になり英治は、そう問いかける。


「どっちもだ。オレの時、無理矢理に引き込もうとした方は赤派だった。青派は強引にじゃなく……今でも度々説得にくる」

「赤と青……動と静、か。赤派は一度だけだったのか?」

「いや……今までで五回ぐらいか。その度に色んな方法を使ってくる。偶に卑怯なことまでも、な」


 それを聞き英治は、なんでそこまでして両派閥共に人を集めているのか疑問に思った。

 いや、それだけじゃない。なんで、ここまでルゼリウスを派閥に引き込もうとしているのか気になったのである。


「なんで、そんな必要があるんだ。何かあるのか?」

「さあな……タダ、アイツらにとってオレ達の存在が目障りってことなんだろ」

「何方にも所属してない者たちの集まりを認めたくないってことなのか?」


 そう言われルゼリウスは頷き真剣な表情で無作為に一点をみている。


「それだけじゃない。どっちも戦力になる者を必要としてる」

「……兄さんは何度も断ったんだ。嫌がらせもされた。耐えられなくて……仲間と青派へ殴り込み……」

「どうなったんだ?」


 そう問いかけるも英治は、それ以上聞けなくなった。そうティラベルの目じりに涙が浮かんでいたからだ。


「ごめん……聞かない方がいいな」

「ううん……大丈夫。兄さんと仲間の人たちは返り討ちにあった」

「そうか……悪い、ツラいことを思い出させたな」


 そう言われティラベルは首を横に振った。


「だから大丈夫。ツラいけど……もう過ぎたこと。耐えきれなかった兄さん達が悪い」

「それは違うんじゃないのか? それだけのことを青派の連中がやったってことだろ」

「ああ、エイジの言う通りだ。連中は、どんな汚い手を使ってくるか分からない。あの時だって、ティラを護るため」


 涙を拭いティラベルは、コクリと頷き英治へ視線を向ける。


「ありがとう……エイジにルゼリウス。兄さんのこと良く言ってくれて」

「俺はタダ……本当のことを言っただけだ」

「オレも同じだ! それに……あの時のことは鮮明に覚えてる」


 悔しい表情を浮かべ、ルゼリウスは遠くをみつめている。


「あの時もっと必死に止めていればっ!!」


 そう言いルゼリウスは、バンッと思いっきりテーブルを叩いた。

読んで頂きありがとうございます(*^^*)


では次話もよろしくお願いします*\(^o^)/*

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