打ち明けると突然の告白
青派の誘いを断った理由を聞かれた英治は……。
ルゼリウスからティラベルの話した内容を聞き英治は、ハァーっと溜息をついた。
「確かに面倒ごとは嫌だ……関わりたくないと思っている。だが、ティラベルから話を聞いて俺のできる範囲なら手伝ってもイイと思った」
「そういう事か……でも、なんでベイジスの方を断った?」
「ティラベルの言葉を信用した。それと……俺の勘がベイジスの方は危険と感じたからだ」
それを聞きルゼリウスは納得する。
「なるほど、まあいい……じゃあ話を進めるか。面白い能力を使っていたと聞いたが術者……召喚士か?」
「召喚士……似たようなものだ。だが違う、なんて説明すればいい……」
「おかしなことを言うな。自分の能力を理解していないのか?」
そう問われ英治は首を横に振るも返す言葉に詰まってしまった。
「能力については理解している……だが、どう説明したらイイか迷っているんだ」
「なぜ迷う必要がある? ありのまま話せばイイはずだ」
「言っても信じてくれる訳がない」
言ったとしても能力が特別に授かったもので自分の妄想から具現化できるものだってことを信じてもらえる訳もない。
そう考えてしまい言えずにいる。
「信じるも何も言ってくれなければ分からない」
そう言われ英治は悩んだ。
だがプレートを見た時に別の世界から来たことと能力についてを、この世界の者に話しても問題ないと書かれていたのを思い出した。
「じゃあ……俺が別の世界から来たって言ったら信じるのか?」
「別の世界だと……そんなことが起こり得るのか?」
それを聞きルゼリウスは疑いの目で英治をみる。
「そうか……エイジの能力、不思議な気がした。それに何も知らない理由……それなら理解できる」
「ティラベルは信じてくれるのか?」
「うん……変わった能力を使ってた。それをみて強いんじゃないのかと……思ったから」
ティラベルの言葉を聞きルゼリウスは英治の能力をみたくなった。
「そうだな……お前の能力をみせてくれないか? 信じるかどうかは、その能力をみて判断する」
「本気か? まあ、みせても問題ないか。そうなると何を具現化するかだ」
「なんでも具現化できるのか?」
そう問われ英治は首を横に振る。
「俺の能力は、この世界に転移させられた時に授かったもので創作スキル【妄想】だ。それで――……」
鞄に仕舞っておいたガラス製のプレートを取りだし英治は、ティラベルとルゼリウスにみせた。
「これは俺の能力で具現化した物だ」
「これを、お前が……どう使う?」
聞かれた英治は使い方を教える。
「なるほど……ナビタブと同じような物だな。違う所は己の能力を知ることができるってことだけか」
「ナビタブ……どんな物なんだ?」
「本当に知らないんだな」
そう言いルゼリウスは服の内ポケットから青でカードサイズの物を取りだした。その後カードの中央にあるボタンに触れる。
その青いカードサイズの物は、パカッパカッと変形していき二百×百三十五×六ミリサイズのタブレットになった。
それをみた英治の目は、キラキラと両方共に輝かせている。
「これがナビタブか……それにしても凄い! 変形するなんてな」
「こんな物も知らない世界から来たってことか?」
「ああ……まあ似たような物はあったけどな」
怪訝な表情になりルゼリウスは英治を凝視した。
「まだ信じられない。そうだな……さっきも言ったが能力をみせてくれ」
「ああ、そうだった。タダ……何がイイかだ。それに今の俺のレベルだと手で持てるサイズや服などしか具現化できない」
「そうなのか? でも、あの時……大きなクッションみたいな物を具現化してた」
そう言いティラベルは首を傾げる。
「手に持てない大きな物や武器なども具現化できるが……今のレベルじゃ、すぐに消える」
「それなら持てる物で、この世界に存在しないヤツを具現化したらどうだ?」
「その方がイイか……そうなると」
何を具現化しようかと英治は思考を巡らせた。
(この世界について、まだ何も知らないと同じだ。どんな物を創造したらいい?
今までみた中で……俺の居た世界にあって、この世界にない物。かつて発展していた世界だぞ、そうそう……ない気もするが)
そう思いながら英治はティラベルへ視線を向ける。
「何みてる……惚れたのか?」
「……。どうしたら、そんな発想になるんだ」
「それは残念。ボクは一目惚れだぞ」
言ったはイイがティラベルは恥ずかしくなり両手で覆い顔を隠した。その顔の下は茹蛸のように赤くなっている。
「あーおいっ! 一目惚れって……まさか俺にか?」
あり得ないことを言われて英治は困惑した。
それを聞いたティラベルは、コクッと頷き手の隙間から英治をみる。
「ほう……ティラが男を好きになるとはな。てか……そういう事は堂々と人前で言うことじゃない」
「そ、そうなのか……これから気を付ける」
「まあいい。それよりも具現化する物は決まったのか?」
そう問われるも英治はティラベルから、とんでもない一言を告げられたため混乱状態になっていた。
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