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再起を果たすためデストピアな異世界に転移させられた俺は若返ったので妄想しながら好き勝手に生きるぞ!!  作者: みけ猫 ミイミ
幕間

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夢の中・『想起』

夢の中で英治は再びライオネルに逢い……。

 ……――ここって? 凄く懐かしい。そうだ……自分の部屋だ。

 そうそう……机の上にフィギュアを置いてたんだよな。

 確かピンク色で猫のキグルミを着た……確かアニメのキャラだ。

 名前は、ライオ……そうだ! ライオネル・ラック。キグルミの下の容姿は超可愛い美少女。

 ん? そういえば何処かで聞いたような名前だけど思い出せない。まあいいか……そのうち思い出すよな。

 本名はマリンゼア・ライネル。内気な少女……そのせいで名前を変えて、キグルミを着てる。

 そうすることで別人となり内向的から外向的に変貌するんだ。

 確か……キグルミを着ている時との一人称が違ってた。普段は私だが、キグルミを着ている時って……ボクだった。

 あの頃……ボクっ子が好きだったんだよな。特に……このライオネルのことが大好きで色んなグッズを集めてた。

 切り抜きもクリアファイルに入れてたっけ。この机の引き出しに確か入ってたはずだ。


 引き出しを開けようとした。


 開かない!? 現実じゃないからなのか? でもフィギュアは触れた。


「開けたくない……みたくないと思っているからだよ」


 何処からか声が聞こえる。それも懐かしい声だ。そうだ! ライオネルの声優さんの声。


「ボクは声優じゃないわ。だけど思い出したみたいね」


 もしかして、ライオネルなのか?


「最初に逢った時には気づかなかった。だけど……まあ、いいわ。だいぶ自分の夢、欲望を思い出したみたいだから」


 どういう事だ?


「最初に逢った時は虚な目をしていた。挙句の果てに、ボクをみても分からないし名刺をみせてもピンッとこない有様」


 最初に……そうか! 思い出したぞ。公園で逢ったキグルミの少女。


「そうだよ……だけど反応が残念だなぁ。もっとこう……あー逢いたかったよ! とか感動的な表現ってできないの?」


 いや……そもそも、なんでアニメのキャラが俺の前に現れる? それに普通ふざけているようにしかみえないだろ!


「そうなの? でも気づいて欲しかった。ううん、そんなのどうでもいい。ボクのことがみえた英治は誰かに助けを求めてたの」


 理解できない。あの時は確かに落ち込んでいて凄く悩んでた。

 でも助けてなんて願ってないぞ。


「うん! 直接は願ってないわ。でも心の奥で助けてって言ってた。だから、ボクは心配で英治の前に現れたの」


 そうか……あの時は、かなり疲れてたからな。

 だけどライオネルは架空の存在だよな? それなのに、なんで実体化してるんだ。


「クスッ……ボクは英治の知っているライオネルであって別の存在」


 意味が分からない。


「神により選ばれ人々の夢や欲望を叶える……夢の国の案内人」


 要は神の使い。そんで偶々俺の大事にしてたフィギュアに精霊が宿ったってことか?


「……やはり凄いわ! その思考のおかげで、ボクは体を得ることができた」


 そうなのか?


「そう……普通なら考えつかないような発想、空想を現実にしてしまうような思考のおかげで今のボクが存在している」


 じゃあ俺のための精霊ってことなのか?


「それは違う。誰のための精霊でもない。本来なら、ボクのような精霊を生み出す力のある人間は夢を叶えてるの」


 俺は何一つ成功してないぞ。


「それって英治が才能がないって否定してきたからよ」


 事実そうだよな? それとも俺には才能があったって云うのか?


「うん、あった。ううん、今でもあるよ」


 どんな才能があるって云うんだ。


「自分では気づいていない。誰かに認めてもらっていても否定し続けてた。この世界でもね」


 確かに褒められた。だけど能力を使って具現化しただけだ。


「そうだね……でも、それが才能。能力自体、英治の才能をみえるように形にしたものだよ」


 元々持っていた能力なのか?


「近いわね。英治はフィギュアをつくるのが得意で元の形から改造などしてたわ。それに二次創作で漫画も描いてたよね」


 それと、どう関係する?


「創作スキル【妄想】ってことは、どういう事か分かる?」


 俺は昔からイラストや漫画を描くことが好きだった。妄想したことを形にすることも……。


「そういう事よ。折角、磨いてきたスキルを英治は途中で諦めた」


 だけど大人になれば働かなきゃならない。だから、この歳になるまで頑張って来たんだ。


「それも成功のうちで、いいことだわ。でも、あの時の英治は全てを諦めようとしてたの」


 そういえば……そうだな。


「そう……だから、ボクのことがみえた」


 諦めの思いが強かった。だからライオネルのことを……。


「そういう事ね。そうだったわ! 早急に話しかけている理由を伝えないと。これから起きること……何が起きても諦めないでほしいの」


 そんなことか、分かった。もう後悔したくないしな!


「良かったわ。じゃあ、これで消えるね。と云っても、ずっと見守ってるから」


 ありがとう……俺の永遠のアイドル、ライオネル。また逢える日までな。


 そう俺が言うも返答はない。だけど何時も見守ってるって言ってたから大丈夫だ。


 そして急に視界が暗くなり意識がなくなっていった――……。

読んで頂きありがとうございますo(^-^)o


では次話もよろしくお願いします(^ν^)

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