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合い言葉はピッパップペピュペロ・ポポッカテペパル

掲載日:2025/12/31

「いいか野郎ども!『開けゴマ』はもう古い!  今はセキュリティの時代だ!」




 盗賊のリーダーは、洞窟の前で部下たちを前に声を張り上げた。


 盗賊たちのお宝は、つい先日アラジンという男に盗み出されてしまったのだ。


「『開けゴマ』という単純な合言葉だったからいけないんだ! 今日から、合言葉を変える!

『上上下下左右左右、BA』だ!!」


 リーダーは魔法の扉の前で腕組みをする。


 《合言葉を変更しますか。今の合言葉を入力の上、新しい合言葉をどうぞ》


 女声のシステムメッセージが流れた。


(あ、いや待てよ? こんなに簡単ではまたアラジンに突破されてしまう。もっと難しいものにしなければ!)


 リーダーは即席で思いついた難しい合言葉を叫んだ。


「もとの合言葉は『開けゴマ』、新しい合言葉は『ピッパップペピュペロ・ポポッカテペパル』だ!」


 《新しい合言葉は『ピッパップペピュペロ・ポポッカテペパル』になりました》


 さっき言ったのと違う合言葉に決めてしまったので、部下たちはざわめいた。


「そんな覚えにくい合言葉で大丈夫なんすか、お頭ぁ」


「ええい、うるさい! 盗んだお宝をまたあの男に横取りされたら元も子もないだろう!」

「でも俺達も開けられなくなるなら意味が……」

「まあとにかく! ちゃんと新しい合言葉で開くか確かめようじゃないか」


 部下たちは不満そうだが、リーダーはゴリ押して確認のための合言葉を口にした。


「『ぺピッパプペペロ・ポポカテペトル、ペペロンチーノ!』」


 《合言葉が違います。残り入力回数2回。3回間違えるとロックがかかります》


「な、なぜだ!!」


 先程の合言葉は思いつきでテキトウに口にしたため、言ったリーダー本人も正確に覚えていなかったのである。


「次こそ!『パピプペ・ポポルン……パパパッ……パ、パピプパペッパー!』」


 《合言葉が違います。残り回数1回です》


「ぐぬぬぬっ。ヒントをくれヒントを!」


 《合言葉が違います。セキュリティーロックがかかりました。再挑戦できるまで30日》


 扉は相変わらず単調な女性ボイスでシステムメッセージをくり返す。


「だァぁあぁぁあ!!」


 悔しがって叫ぶリーダーと盗賊たち。

 自分でも覚えられない合言葉にしてしまったが故に、何をどうやってもお宝取り出せなくなった。

 悪いことはできないものである。


 END


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― 新着の感想 ―
発想がとにかく楽しくて、合言葉を変えた瞬間から「これ絶対ダメなやつだ」という予感がきっちり回収されるのが気持ちよかったです。 システム音声の淡々さと、リーダーの勢いと焦りの温度差が噛み合っていて、間違…
おとなしく、コナミコマンドにしておけば良かったのに(笑) 面白かったです。 読ませて頂きありがとうございました
。゜(゜ノ∀`゜)゜。アヒャヒャ!
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