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続・4:求められる想い、探した答え・I

お待たせしました。

先ずはリクナルド殿下へのお返事です。

私は気持ちを定めました。相手を傷つけてしまう事が分かっていてももう迷う事は無いでしょう。リクナルド殿下にお会いしたい旨を手紙に認め、今日お会いする事になりました。リクナルド殿下からの告白から1ヶ月。遅いのか早いのか私には分かりませんが悩み続けていた事は確かです。


「メルラ」


「リクナルド殿下。お呼び立てしてすみません。お忙しい中をありがとうございます」


「いや」


「お待たせしてしまいすみませんでした。お答えさせて頂いて宜しいでしょうか」


「……ああ」


リクナルド殿下の顔が強張っています。それはそうでしょう。誰だってどんな答えでも聞くのは怖いのですから。そして告げる私も緊張しています。深呼吸をして口を開きました。


「リクナルド殿下」


私の呼びかけに殿下は視線を真っ直ぐぶつけていらっしゃいます。そう。リクナルド殿下はいつも善くも悪くも真っ直ぐなお方でした。


「殿下からのお気持ちはとても有り難いものです。ですが、私は殿下と同じ気持ちを殿下にお返しする事は出来ません。殿下との友情が壊れても私は……側妃になる事は了承致しかねます。理由付けは様々に出来ますが、私の気持ちをシンプルに告げるのであれば。私は殿下を友人以上に思えず恋しく思う事もございません」


きっぱりと告げた私。

殿下は両目を限界まで見開いているようですが無言です。

どのくらいの時が経ったのか、私も殿下も分かりませんが暫くして殿下がふっ……と緊張を緩められてそれからゆっくりと微笑まれました。


「やはり、な」


「ご想像通りでしたか?」


「ああ」


「お気持ちは嬉しかったのですが。私はニコルを愛しています。これより先もずっと。ニコルを1番。殿下を2番。そう思う事も出来ないのです」


「そうか。……本当はそうだろうな、と思ってた。思っていても可能性が少しでもあるならば諦めたくなかった」


「……すみません」


「いや。謝るなら私の方だ。好きだと言っているのに側妃に迎えたいなどとメルラに失礼なのは分かっていたんだ。それでもメルラの優しさを隣に欲しかった。只の甘えだ。……私は君に甘えるのではなく君から甘えられる存在にならなければいけなかったんだな」


「殿下……」


「ありがとう、メルラ。……隣国の王女との結婚式には是非参加してくれ。ただメルラにはもう弱音は吐かない。王女との距離が縮まるかどうかは分からないが、兄上にでも聞いてもらう事にするさ」


「……はい」


「メルラの幸せを祈るくらいは、させてくれ」


ではな、と殿下はカラリと笑って帰られた。私の幸せ……。殿下はそれを願って下さった。でしたら……メルラ・レレンが幸せだと殿下が納得して下さる事が私に出来る殿下の想いへの感謝の方法なのかもしれませんね。

お読み頂きましてありがとうございます。

次話がいつ投稿出来るか分かりませんが、今月中にあと2人へのお返事の話は書きたいと思っています。

……すみません。エブリスタで執筆中の作品がいよいよ最終章に入っているので、そちらも色々考えていること。

なろうさんで執筆中の毎日更新している『俺と姉ちゃんは幸せを探す』も色々考えていること。そしてコソコソ新作を書いていることで中々本作の更新が出来てません……。

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