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9話 騒動

 翌日は最高の目覚めだった。

 宿の食堂で朝食をとって宿に明日の代金を支払った。

 そうしてから街に繰り出すと昨日よりも緊迫感があった。

 只事ではない、何か異変があったと思われる。やたら殺気立ってるのがよく分かる。何者かが侵入したのかな?なんて考えいたら、一人の冒険者が駆け寄ってきた。


「おい、今日は危ないぞ。ワルカリアの連中、やたら活発に動いてる。どうやら昨日ギルドでメンバーが殺されたとか何とか…。そのせいか、この地区は特に警戒されてる、何時もよりも遥かに侵入者も多い。大規模な衝突を起こして犠牲を払っても制圧を目指してくる可能性がある。子供は下がってろ」

「そう言えば昨日、ギルドで連中に喧嘩売られて斬り捨ててたわ。流石ワルカリアだね。道理を理解していないわね」

「お前だったのか!盛大にブチのめしたとか言う猛者は…はぁ…こんな少女だったとは…思いもしなかった!なら何のこと隠れておいてくれ、付け狙われるぞ」


 うーん、依頼まで時間あるし、ちょっと引っ掻き回しに行くか…。


「隠れるのってあまり性に合わないのよね。少し引っ掻き回してくるわ」

「オイッ!」


 私はマジックバッグから大太刀を取り出して担いだ。今回は容赦はしない、こちらから仕掛け確実に仕留める為に本気を出す。打刀は小回りは効くけど派手に血祭りに上げるなら大きい方が圧倒的に有利だ。当に大太刀の出番である。まぁ身長が足りないから少し不格好だし身体強化必須だけどね。


「じゃあ行って来る!」

「マジか…」


 呆れ返った目線で見送られつつ私は他の区画へと繰り出していった。


 迷宮の拠所を中心とした冒険者区域から抜け出してそうそう屯してるワルカリアのメンバー5人組を見つけた。背後を取れている、無論奴等は駆除対象だ。突撃一択である。


「みぃつけーた!」

「な、なんだぁ〜?」


 ワルカリアのメンバーが振り返った。しかしもうすぐそこまで私の大太刀の刃が迫っていた。


「ウギャー!」


 恐怖のあまり叫びだしたがもう遅い。瞬く間に横薙ぎで3人の首が刎ね跳んだ。残りの2人は転んでしまった。敵がいる状態ではそれは死を意味する。私はそれを見逃さず一気に首を刎ねた。


「いっちょ上がり!さ、次行こっと」


 都合の良いことに悲鳴を聞いて飛び出してきたのが居たので躊躇うことなく頭から真っ二つにしてやった。マフィアのメンバーがこの世の終わりのような顔をしても無駄、国の法律でもマフィアの様な犯罪組織への攻撃は認められている、生かしてやる必要はない。


「なっ!テメー!やりやがったなぁ!」

「うひゃー!死ねぇー!」


飛び出してきた仲間が斬られたのを見たワルカリアのメンバーが突撃してきた。


「ふん、甘いわ」


 私は冷静に魔法で足止めしつつ斬り裂いていった。


 たまに歩いてくる通行人たちが呆れ返っている。まぁ街で威張り散らしてるマフィアを逆に血祭りにしたらビックリするのは必然だった。


 だけど、この程度じゃワルカリアは止まらない、もっと徹底的に潰さなくては…


 願いが叶ったのか、街を歩いてたら意外な一団を見つけた。


「迷宮の拠所を潰すぞ!我々の面目を潰す組織などこの街には要らない!」

「ワルカリアの天下だぁ!」

「世界を支配するぞ!」


100人近い部隊を見つけた。

これは派手に潰せそうね。


 私は爆炎球を何発も用意し連中を爆撃することにした。


「なんだテメー!刃向かうなら殺す!」


 どうやら魔法というものに詳しくないらしい。まず対抗策を考えず突っ込もうとするだけ無能でしかない。悲しいかな、昨日ギルドで見た奴等の方がマトモだった。


ドーン!ドッカーン!ドゴーン!


 凄まじい破壊音と悲鳴が響き渡る。ワルカリアの部隊員たちが吹き飛ばされ命を落としていく。慈悲は不要、彼らは世界の癌でしか無い。

 運良く生き延びたメンバーは息も絶え絶え、ボロボロの体を無理矢理動かしながらこちらを睨んでいた。


「無様ね。街でデカい態度とってたクセに一方的に撃破されちゃって」


 取り敢えず煽って絶望させたところでトドメを刺していく。途中で気がついた街の住民たちが駆け出していった。


「今までの恨みを思い知れー!」

「うちの息子を返せー!」

「今日の今日こそ復讐してやる!」

「殺せ殺せ!奴等を殺せー!」

「みんな続くんだー!」


 どうやら街の住民から余っ程恨みを買っていたらしい。住民によるマフィアのリンチと言う奇天烈な状況が生起してた。傍から見たら物騒すぎるお祭り騒ぎでしか無い。

 マフィアのメンバーたちには次々と暴行が加えられていく。体中が打撲痕、刺傷に溢れていく、血が止まることなく流れ体がバラバラになっていく。

 当にこの世の地獄ね。


「嬢ちゃん!本当によくやってくれた。この街は嬢ちゃんに救われたんだよ」

「これで奴等が逃げたしてくれれば良いんだけどな」


 どうやら早くも英雄扱いらしい。


「私はやりたいことがまだあるので失礼するわ」


 私はこの区画の住民たちと別れて市場を目指した。

ところが…


「え?なにこれ?」


 市場のあるはずの場所では市場が開かれていないどころか人がいない。


 呆然と眺めていたら一人の行商人が寄って来た。


「おい嬢ちゃん!ここはワルカリアやら危ない連中が来かねないから離れな!」

「何があったの?」

「ここの商人がワルカリアと揉めてな。暴れたワルカリアのせいで商人たちが逃げちまった。市場が開かれてないのはその為さ。だからか、時々ワルカリアや対抗勢力がここを見に来るんだよ」


 うわー、何から何まで迷惑でしかない。

 経済活動が止まれば地域から人がいなくなる。そうすると余計治安が悪化する上に迷宮都市なので冒険者までいなくなると迷宮の異常への対処が難しくなる。


「ありがとう。買い物は別の場所で済ませるよ」

「おう!達者でな!」


 今日やることは決まった。引っ掻き回して動きを鈍くしておこうかと思ってたけどそれだけじゃ駄目なようね。

 この街のワルカリアを潰せる限り潰す。派手にね。

次回更新は7月1日(月)になります。

今後とも理を越える剣姫を宜しくお願いします。

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