表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
206/207

4話 過去を明かす

 王胤バーナランドが去った後、私が王女だったと知らなかったレテシアとウィルスは青い顔をしていた。近くにいた他の作業員たちも当然唖然としていた。


 とりあえず王位継承権は放棄済みと説明して場を治めることには成功した。実際は父が認めてないらしいけど些事に過ぎない。


 だけど宿に戻って来たところで知らなかった2人に詰められることになった。

 本来なら冒険者ギルドに行って報告と明日の依頼を受けてくるのが筋だけど、この有様なので明日は報告だけして休むしかない。


「さて、どこから説明しましょうかね……」

「最初から全てお願いします」


 簡単に、そして短節に説明しようと思ってたけれど、それは許されないらしい。


 仕方がないので8歳にして前世の記憶を取り戻したことから説明を始めることにした。


 そこから表向きは王位にふさわしくないと見せつつも、国政に関与したことに関してはレテシアが関心を示していた。どうやら当時の私の評判を知っていたらしく、遂には「そのまま王位を継いだ方が良かったのでは?」とまで呟いていた。


 次に冒険者登録が可能なら10歳になってから出奔し、冒険者として邪なる者の加護を受けたワルカリアを壊滅させた実績を持つことを説明した。前世のことを含めて、それ故にフリード指南役に指名されたことに関しては全員が納得するしか無かった。


 教国で儀式を受け、大聖女・神使として聖人になったこと、その使命を果たすための修行の一環として旅をしていたことを話した。

 あくまでも貴族組の指南が主ではなく、ついででやっていたことまで話して説明を終えた。


 無論今回は厳しい口止めを課した。変なところにバレたら話がややこしくなるからね。


「前世の記憶がある分、その動きが老獪です。とてもじゃないですけども子供と見做せば瞬く間に食われてしまいます。多くの貴族が勘違いしていたのも当然だと思います」

「元々冒険者だったから貴族社会に馴染まれなかったのですね。でも話を聞く限り私には眩しく見えますわ。己の立場を鑑みた上で我を通すその強さが羨ましく思います」


 貴族女性としての立場を持つ2人には思うことがあったらしいけれど、私は既に王位に就くのが難しい立場だ。


「聖人になってる以上、私は教会に限りなく近い存在と見做されてる。だから王族として復帰したところで貴族と教会の関係が良くないグレイシア王国の王位を継ぐのは難しいわよ。知っているでしょ?教会、いや、教国が行った内政干渉を……」

「つまり聖人になることで暗にグレイシア王国の国王になるつもりは無いと意思表示したのか」

「で、でも偽名を使っていたからそれを利用して別人と思わせることは……」

「できないわ。既にジャンヌは偽名と王国政府が言っちゃったから。見えた矛盾を放置する方が政治的には危険よ。まぁ私としてはアリシアの名は捨ててるんだけどね」


 私の身の上話はここまでで良いでしょう。

 それよりも私としてはレテシアがバーナランドと面識がある方が気になっていた。


 尋ねてみればこう返してきた。


「実家のボールトネス子爵家は教会に対しては中立なのです。そもそも出家して教会に入ったバーナランド様と関わることに忌避感はありません。それにあの御方を神官として指導をしたのが私の祖父なのです」

「あの武門の誉れ高いボールトネス家から出家していた者がいたなんてね。驚いたわ」


 元々レテシアの祖父はかなり型破りな人物ではあったものの、心が弱かったらしく、かなり早い段階で息子に爵位を譲って隠居している。その際、俗世から離れる為に出家までしてしまったそうだ。

 とは言えそこは武門の前当主、実力もあったので聖騎士団に勧誘されたらしい。だけど教会に入ってまで剣を振るうつもりなかったらしく、断ったとのことだった。


 ともかく、私のことを隠しておくべきなのは変わりないので皆にはしっかりと釘を刺しておいた。


 これ以上の騒動は勘弁願いたいからね。

いつも理を越える剣姫をお読みいただき誠にありがとうございます。これからも宜しくお願いします。

良ければブックマーク、評価、感想、レビュー等お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ