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48話 封鎖

 輝巫女のナミが来た翌日、遂に敵の本丸である迷宮「ツタカキの大洞」への進軍が決定された。


 私が先陣を切り、大魔法で魔物を蹴散らし道を開いて迷宮の入口まで行く予定だである。そして私の後ろを2個大隊約2000人が死に損ないを潰しながら進み、最終的には迷宮の入口を封鎖する作戦だ。


「この作戦が成功すれば街の防衛の目処が立つ、この災害を終わらせる重要な一歩となろう。諸君の活躍に期待する!

 作戦開始は明日だ、今日はしっかり休んでもらいたい」


 集められた2個大隊の兵士たちの前で軍の高官が通達事項を交えた演説をしていた。


 そう、作戦開始は明日なのだ。

 今日一日また空いたわけだ。


 なので私は偵察しておくことにした。魔族が居たら面倒だからね。


 先日同様に出掛けようとしたら何故か捕まってしまった。


「どこにいかれるのですかな?」

「ちょっと偵察にね。明日、魔族なんかが襲撃してきたら面倒でしょ?」

「ナミ殿も居られますし、問題は無いでしょう。本日はゆっくり休んで明日に備えていただきたい」


 仕方がない、今日は大人しく休もう。


 この日は街の中を探索してスタンピードが終わった後の計画を立てて終わった。武器屋や宿、日用品の店の位置は全て叩き込んだので大丈夫でしょう。冒険者ギルドの位置は既に特定済だ。


ーーーーーーーーーー


 翌朝


「上手く行けば昼過ぎにはツタカキの大洞の入口まで辿り着けるであろう。この作戦が成功すれば被害は極限できる。皆が希望なのだ。では征くぞ」


 指揮官の号令で進軍が開始された。


 最前線まで私もこの集団に同行することになっている。極力離れないようにしておきたいからね。


 最前線までは時間は掛からない。

 辿り着いてからが実質的な作戦だ。


 最前線が見えてきたところで指揮官に挨拶をして前に出る。


「では前に出ます」

「済まない、頼んみましたぞ」


 いつもと同じ様に最前列の少し後方を狙い大魔法を撃ち込み敵を蹴散らした。


 同行する部隊は交替の要領で今戦っているの戦闘部隊の前に出ることになっている。これはスムーズに進んだ。


「よし!始めるぞ!」


 後方に手短に伝え、いつもの通り強行突破を開始した。


 ただ、今回は安全の為に道幅を確保しなければならない。適当というわけにはいかない。いつも以上の威力と数となるので魔力切れを起こす可能性もあるのだ。なのでマジックポーションはかなりの数を用意してきている。そして既に一本飲んでる。


 いつも以上に広めに攻撃しているので後方から追ってくる部隊はあまり消耗してないように見える。本来なら私一人が負うべき負担ではない。でも今回は進軍後に入口を抑えてもらわなくてはならない。それが彼等の任務なのだから。


 作戦は順調に進んだ。

 いや、進軍速度が早い。今までも何度か似たような強行突破をしているけど、この規模の攻撃を継続してここまでの速度は出せるとは思わなかった。戦いの中で私自身も成長しているのが分かる。


 このままなら予定より早く着ける。

 後ろの部隊の皆さんはよく付いて来ている。

 士気も高い。


 このままならば予定より早く辿り着ける。そんな予感がした。


 そしてその予感は的中した。


「おい!もう迷宮の入口だぜ!」

「予定より早く着けたぞ!」

「残り半里も無いだろう」


 後方から聞こえてくる話し声からどうやら前方に見える山に迷宮があることがわかった。距離もそう遠くないらしい。


 ただ魔族の気配がするのがいただけない。とは言えここまで来て作戦中止にするわけにはいかない。


 まずは封鎖だ。それから魔族は探すべきだろう。



 予定より早く着いたところで入口の封鎖が始まった。当然迷宮の入口は狭い、なのでそこに陣取れば最小限の防衛線で押し込める。それが狙いだ。


 迷宮の少し中まで殲滅したところでその防衛戦の構築が終了した。どうやら私が迷宮の中で戦ってる間に軽い昼食もとれたらしい。


 これなら安心して任せられる。


 戻って彼等の戦いぶりを見てそう判断した。


 その間に魔族はこっちに近づいてきていた。ここに陣取った私たちを倒して災禍を広げる気なのだろう。予想通りといえば予想通りだ。とは言え放置はできない。


「魔族の気配がします。私はそちらに向かいますのでここは必ず守り抜いてください」

「お任せください」


 ここを任せられるのなら魔族に集中できる。


 言質をとった私は魔族の近づいてきてる方向へと向かった。

いつも理を越える剣姫をお読みいただき誠にありがとうございます。これからも宜しくお願いします。

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