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43話 後始末‐1-

先週金曜日は投稿できず申し訳ありませんでした。情けないことに予約を忘れていた形です。


それと今後の投稿についてですが、月金の週二回(祝祭日除く)とさせていただきます。

詳しくは活動報告の方をご確認ください。

「周辺を捜索しろ!何かあればすぐ報告だ!」


 私が魔族を倒して間もなく護衛部隊の調査が始まったらしく、小さいながらも声が聞こえた。ここまでの事態ともなれば魔物が寄ってくるとかは言ってられないとは思う。


 まず間違いなく私は事情聴取を受ける。まぁ捜索員に見つかる前に武器を取り替えておく。

 大輪花なんて普段使いにするわけにもいかず、元々差していた刀は破損、鞘だけが腰に残っている状態だ。


 新しい刀をマジックバッグから取り出し、破損した刀の鞘をしまった。


 それに証拠の一部回収が必要ね。折れた刀は当然回収できるならしておきたい。もしかしたら魔族の魔力の残滓なりが残っていれば今後の対策をする上で大きな情報元になりうるし、仮に残っていなかったとしても武器の性能や製造技術の向上に繋がる可能性がある。


 地形が変わるほどの激しい魔法攻撃が行われたので折れた武器の一部は見つからないかもしれないけど探すに越したことはない。


「何をしている!」

「魔族を討伐したんだけど、武器が何本か折れてしまってね。その回収を行ってるの。そこに死体が転がってるでしょ」

「なっ……!」


 私を見つけた捜索員は魔族の死体を見て絶句している。魔族なんて見る機会無いからね。


「取り敢えず君にはこっちに来てもらう」


 有無を言わさず連行されてしまった。


ーーーーーーーーーー


 連れて行かれた先は護衛隊長のところだった。


「またか、アンタの話題は事欠かんねぇ……」

「そんなこと言われても困るわ」

「分かってる。今度は魔族を倒したそうだな。魔族なんぞ最後に現れたのは約30年前のグランリア大厄災の時だ。それ以降は魔族の存在を確認できていない。これは大きな成果であると同時に大きな波乱を巻き起こすだろうな」


 彼の言うことはよく分かる。魔族討伐の記録は各地にあるけれど何れも古すぎる。しかも魔族は本来簡単に勝てる相手ではない。Aランク冒険者数人掛かりで倒したとか騎士団が甚大な被害を被りながら倒したとか、弱い魔族でもその有様なので単独での討伐なんてあまりにも例が少なすぎるのだ。確実に注目されるだろう。

 私としては不本意だけど諦めるしかない。遅いか早いかの違いはあれど何れ通る道なのだから。


「それよりもだ、今回の魔族の討伐について色々と訊きたい。何しろ貴重な討伐情報だからな。協力してもらうぞ」

「分かったわ」


 夜間警備の交代したときから順を追って説明していく。

 魔力感知に始まり、発見の経緯、戦闘開始の切掛、戦闘の推移について説明した。

 そして決め手になった妙な力を宿した大輪花についても報告した。


 大輪花については解らないことが多過ぎる。教義や神々の加護等の諸々に詳しい者に尋ねる他無いのが現状だ。あまりにも摩訶不思議過ぎて正直理解が及ばない。本来この大太刀にはそんな力は無かったはずだし。


「しかし剣が通らんとなると上級魔族の可能性もあるな。奴らは無駄に硬いそうでな、全然攻撃が通らないと記された歴史書があるくらいだ。それを単騎で倒すとは……アンタの実力はずば抜けてるな。洒落にならん」

「褒めても何もでないわよ。それより大輪花に起きた事象に心当たりはあるかしら?」

「無い、俺もそっちの方面はあまり詳しく無くてな。だが何かしらの変異が起きていた可能性は否定はできない。アンタ、教皇猊下と繋がりがあっただろ?あの御方なら何かしらの変異に気づけるかもしれん」


 そこまで話が飛んでしまうのか……。流石の私でもガルブリエとはすぐには会えない。

 それに彼は私の対応をある程度聖女頭のシーネリアに任せるつもりでいるらしい。あまり時間はとれないのも分かるし、聖女同士となる以上は本来は彼女の管轄になる。神使だからといって教皇が全面に出れば聖女頭のメンツを潰してしまうのもあるだろう。


 とは言え、彼のところまで上げずともシーネリアなら何か解るかもしれない。何しろ彼女はガルブリエ程ではないにしろ神学に精通している。


「しかし心当たりはなくともその大輪花には純粋に興味がある。見せてもらえるか?」

「良いわよ」


 マジックバッグから大輪花をだし、刀身を鞘から抜いた。

 その刀身は今も光り輝いていた。


「そ、それは……」

「何か?」

「こんな強い聖気を放つ武器は初めて見た……。しかも後天的にそうなったと……」

「えぇ、そうよ」

「わけが分からん……」


 どうやら頭を抱えてしまったようね。

 聖職者から見ても余程おかしな現象だったと言うことでしょう。


「取り敢えずこれで十分かしら?」

「あぁ、アンタは魔族を討伐した功労者だ。ゆっくり休んでくれ」


 お言葉通り休ませてもらいましょう。


 明日は護衛をしつつ時を見計らってシーネリアに大輪花を見せるとしましょう

 彼女がどう反応するか楽しみね。

いつも理を越える剣姫をお読みいただき誠にありがとうございます。これからも宜しくお願いします。

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