第3章 5話
何はともあれ、少し落ち着いて話が出来るようになってきたかな。
ではちょっと揺さぶってみようか。
「僕はもし二人がダンジョンマスターをやりたくないと思っているのなら『千葉ダンジョン』に迎え入れてもいいと思っている」
「そんなこと出来るんですか?」
「ダンジョン管理権限を僕に渡すとマスターとボスモンスターは『千葉ダンジョン』に移動できる。案内人は移動できないけどね」
「その場合、チャオ太郎はどうなるんですか?」
「ダンジョンが発見された段階で討伐されるだろうね」
「チャオ太郎、タカシさんが言ってることは間違いない?」
「間違いないですね」
ウナ次郎が手を上げる。
はい。どうぞ。
「迎え入れる『千葉ダンジョン』側のメリットは?と言ってやす」
「特にない。しいて言うならば中途半端にダンジョンを強化した上で攻略されると良いレベル上げの狩場になってしまう。そのダンジョンで強化された人に攻めてこられるのはちょっと嫌かな」
「なるほどですね。やる気がないなら『千葉ダンジョン』に来なさい。やる気があるなら簡単に攻略されないように手を貸そうってことでしょうか」
うん。マヒト君、理解が早くて助かるよ。
「そうだね。だから二人には案内人を見棄てて『千葉ダンジョン』に来るのか、死ぬ気でダンジョンマスターをやり続ける気があるのか、どちらかを選択してもらいたい」
はい。ウナ次郎さんどうぞ。
「具体的にはどんな手助けをしてくれるんですか?と言ってやす」
「まずは、開通までの間に魔法の使い方を教えます。次にうちのダンジョンにいるコウモリさんを2チーム約2500匹巣分けしましょう」
「毎日、滞在ポイントで2500ポイントも入るじゃないですか!いいんですか?」
「正直に言うとそれでも厳しいと思うよ。今はダンジョンの脅威が外に伝わっている。見つかり次第、全力で攻略に来るだろう。二人は一度それをはじき返さないといけないんだ。しかも圧倒的な力を以って希望をもたせないようにね」
「たしかに。ハードルは高いですね。でも自分は決めています。ダンジョンマスターやり続けます。なのでご指導お願いします」
「わ、わたし…も。ま…マスターやる」
リナちゃんが声をふりしぼり自身で意思を伝えてきた。うん。頑張ったね。追加のピーナツチョコをあげようじゃないか。
会議室の画面を立ち上げてダンジョンの入口付近を映す。
「ここは『千葉ダンジョン』の入口。コウモリさんが外出しやすいように、また快適に過ごせるように専用の部屋を用意しているんだ」
画面はそこからスライドしていきダンジョン入口脇の『コウモリさん部屋』(狭い入口と暗くて広々スペースを確保)200Pを映す。
「二人には今日解散したら『コウモリさん部屋』を用意してもらいたい。明日には渡せるように巣分けの準備をしとくよ」
あとは、二人のステータスを教えてもらおうか。魔力が無かったら戦略を考えなきゃならないからね。
「あとステータスを教えてほしい」
先に僕のステータスを見せると予想通りしばらく固まってくれた。
タカシ(ダンジョンマスター)
レベル42
保有ポイント1億8千5百万
体力480
魔力1040
攻撃力215
守備力220
素早さ217
魔法:水、土、雷、氷属性初級
スキル:魔力操作レベルMAX
装備:賢者の杖
マヒト(ダンジョンマスター)
レベル1
保有ポイント800
体力60
魔力50
攻撃力5
守備力9
素早さ8
リナ(ダンジョンマスター)
レベル1
保有ポイント920
体力40
魔力70
攻撃力3
守備力5
素早さ8
二人とも魔力があってよかった。
魔力操作のスキルを取得出来るとかなり戦略の幅が広がる。開通までの期間にどこまでものに出来るか頑張ってもらいたい。
あとは、二人の属性がわかるように今のうちにポイントで残りの属性を取得しておこうか。
残りの属性は火、風、光、闇。
基本の四属性が火、風、土、水。
特殊属性で雷、氷、光、闇となっている。




