第2章 15話
「マスター、ダンジョン造りに力が入ってるっすね」
「うん。いろいろ考えるところもあったからね」
「それにしても、また難度の高いダンジョンにスケールアップしたっす」
「今やポイントを気にしないでダンジョン造りできるからね。つい凝りすぎてしまうね」
ポイント交換も億を超えた段階でポイント数とかほぼ見ないで交換するようになったし。
「そういえば栃木県の宇都宮と静岡県の浜松に適合者が現れたようっす」
宇都宮に浜松か。って、おいおい。どっちの案内人が餃子なんだ?揉めるぞ。これ絶対揉めるやつだよ。
地元の観光協会とか絶対黙ってないやつだよ。
「ちなみに宇都宮の案内人が餃子で、浜松の案内人はウナギっす」
どうやら軍配はあっさりと宇都宮が制したようです。
浜松のモヤシ付きの餃子もいいけどね。
やっぱりイメージ的にはまだ餃子といえば宇都宮だね。
頑張れ浜松!負けるな宇都宮!
「ちなみに、二つのダンジョンに会談を申し込めるかな?」
「大丈夫っすよ。連絡入れておくっす」
「よろしくね。なんとか協力関係を構築したいからね」
相手にもよるけど、同じダンジョンマスターとして一人立ちできるまでは助けてあげたいなと思っている。
「大変です!タカシ様。事件です!一大事なのです!」
ティア先生が大慌てです。
美少女があわてふためいているのとっても微笑ましいです。
最近ちょっとしんみりしていたのでとても和みます。
ポイントで対処可能なら何でもしてあげたい気分です。
「タカシ様。コウモリさんが、コウモリさんが冬眠に入られました!」
「なっ!なんだって!」
まさかの一大事。本当に一大事でした。
コウモリって冬眠するのー!
うちのチャリンチャリンボーナスが!!
「大丈夫っす。撃退ポイントが無くなる代わりに滞在ポイントが24時間で同じポイント入るっす」
おー。まじか。ビックリしたよ。
ちょっと焦っちゃったじゃないか。
「ティア、コウモリさんはいくつかのグループに分かれているんだよね」
「はい。A~Hまでの8グループに分かれていますわ」
グループあたり約1250匹ってとこだね。
春になったら繁殖して増えるだろうし、他のダンジョンマスターが希望するなら巣分けしてもいいかもしれないな。
「お兄さま。レイコさんが少し落ちつかれました」
「そっか。レヴィありがとね。話は出来そうかな?」
「はい。大丈夫だと思います」
これからのこと相談しないとね。
レイコさんはどうしたいと思っているのか。一応ボスモンスター扱いになっているけど無理に戦う必要もないだろう。
コンコン。
「レイコさん、タカシです。入りますね」
「はい。どうぞ」
「レイコさん少しは落ち着いたかな?大丈夫?」
「まだ気持ちの整理がついてないのですが平気です。いつまでもメソメソしてたら先輩に怒られちゃいますから」
つらそうな笑顔だな
「レイコさんにはこのダンジョンで魔法を勉強してもらいながらダンジョン造りを一緒にしてもらいたいと思ってる。何かレイコさんがやりたいこととか、逆にやりたくないこととかあるかな」
「私が出来ることは何でも頑張ります!ただ、まだ『千葉ダンジョン』を見ていないので何とも言えないのですが、ここは、あの、大丈夫なのでしょうか。『山梨ダンジョン』の少し前に出来たばかりのダンジョンだとレヴィさんに聞いたものですから」
なるほど。心配になるのもごもっともだね。
何を言えば安心するかな。とりあえずは…。
「保有ポイントは1億8千万以上ある」
口をあんぐりと開けている。アホな子の顔しちゃってる。早く口閉じて!
「一応、警察の特殊部隊50名は討伐したことあるよ」
「あー、最後に来た方達とかタカシ様は何もしなかったのに2階層にも進めませんでしたわ。ちなみにタカシ様は現在レベル42。しかもあの魔力操作をもってすればどんだけ人数掛けてきても一人で圧勝可能ですわ」
あっ、ティア先生が暴走してる。とても熱弁されていらっしゃいます。しかもチラチラこちらを見て褒めてほしそうな顔しております。
「レ、レベル42!『千葉ダンジョン』は何階層あるのでしょうか?」
「さっき階層増やしたから四階層だね。今いる各々の生活部屋、モニター付き会議室を新設して四階層目に独立させたんだ」
あー、レイコさんがまたアホな子になってる。
あとでダンジョン内を散歩がてら案内すれば更に安心してくれるだろう。
僕はそっと目配せする。レヴィが軽く頷いてレイコさんの口を閉じてくれた。
レヴィ出来る子。可愛い子。姉と違ってこういう時に頼りになります。




