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-部屋の中には3匹の動物がいます-
ドアノブに手をかけた犬の少年は、何気無く後ろを振り返り、声を上げます。
「あ、あら?
お、オイ、クソ猫はどこ行ったよ?」
犬の少年の言葉に気が付いた驢馬の少女は、辺りを見渡して人数確認をしました。
「……あれ?
てっきり小犬丸君と一緒なのかと思ってたけど……。
どうしたんだろ、何かあったのかな?」
驢馬の少女も不思議そうに首を傾げます。
「まさかニッケルさんの仕業……ではないでしょうね、多分。
猫屋敷さんは、本当に全く、どうしたんでしょうか……」
フフフ、ニッケルさんの仕業、ねぇ。
まさか、そんなはずは、ありません、よね?
鶏の少年は、かなりイライラした様子で、手帳を捲ったり、ペンで書き込みをいれたり、携帯で検索したりしています。
どうやら今日のために立てた予定を大幅に修正するのに大忙し、みたいです。
「昼食は湯葉のランチが安い有名店に行くつもりでしたけど、無理そうですね……ならば、駅弁の美味しい所は……」
それでも何とかベストな観光ルートを探そうとする少年。
「……小犬丸君も、改めて、何か言っておくことは、ない?」
驢馬の少女は、そんな様子を見て、犬の少年に言葉を促します。
「う……す、すまねェ……お詫びと言っちゃァなんだが、モチロン俺ァ皆の昼メシ代、出すからよォ……」
犬の少年は、申し訳無さそうに頭を下げた後、ポツリと呟きました。
「……それはそうと……クソ猫のヤツ、ドコだァ……?」




