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ブレーメンの屠殺場  作者: NiO
閑話:ブレーメンの遊技場・再演
38/53

発覚

 時刻は朝の10時5分前。

 場所は遊園地入り口の噴水前。


「おォ、来たか2人とも」 !?

「おはようございます」


 噴水前でなにやら打ち合わせをしていた鶏の少年と犬の少年は、猫の少女と驢馬の少女に気が付いて手を振ります。


「ちょっと……」

「うっわー……」


 犬の少年は、寒い中ボタンを3つほど外した白シャツに、なんか毛皮がついた黒の革ジャンとボロボロのジーパン。

 ……胸元には、もちろん、大量のシルバーです。


 鶏の少年に至っては、……制服でした。

 しかも何故か、リュックサックを背負っています。


「全く、校則は守りましょうよ、皆さん!

 休みでも、出かける時は制服で、と……」


「小鳥遊“センセイ”もオチャメなところがあるじゃねェか」


 お互いの服装についてヤイヤイ言い合う2匹の会話を聞きながら、猫の少女と驢馬の少女は小さな声でハモります。


「「どっちも、どっちだ」」


 なんだか恥ずかしくなった少女たちですが。


「まあ、良いでしょう。

 はい、チケットです」


「久々の4人揃い踏みだし、楽しんでいこォぜ!」


 笑顔を浮かべる2匹の少年を見て、「まあ、楽しもうか」と気持ちを切り替えるのでした。


****************************************


 遊園地をウロウロする4匹。

 別に何をするでもなく歩き回るその行為だけでも楽しいようで。

 4匹は嬉しそうにお喋りをしながら周りを見渡しています。


 そして。


「あ! ねえねえ、あそこ、お化け屋敷がある!」


「猫屋敷さん……僕たちは、どこよりも怖いお化け屋敷(・・・・・)を体験したじゃないですか……」


「あ、良いね! 面白いよ、きっと」


「おォ、入ろォぜ」


 驢馬の少女が猫の少女の提案を受け入れやすい形にした後、自然な流れで「じゃあ、グーとパーでわかれようか」と提案しました。

 別に4匹一緒に入っても良いはずですが、あまりの自然さに誰も反対をせずにその提案を受け入れます。


 猫の少女は朝に交わした驢馬の少女との会話を思い出していました。


(グーとパーでわかれる時は、あたしたち2人は別の物を交互に出す。

 例えば、私が『グー、パー、グー、パー……』

 そむくちゃんは『パー、グー、パー、グー……』。

 ……こうすれば、『女子2名』『男子2名』のグループ分けが起こらなくて済む。

 最初にどっちが何を出すかは事前に相談しておく……

 1番最初にやるグーとパーで、私が出すのは、グー……)


 なるほど、こうすれば『男・女チーム』×2以外のわかれ方はありません。

 ただし、少女達が希望する組分けの確率は、1/2ですが。

 あと、猫の少女は、心の中では驢馬の少女を下の名前で呼んでいるみたいです、どうでも良いですが。


「「「「グーとパーでわかれましょ!」」」」


 本日の運勢を占う意味でも重要な最初のグーとパー。

 わかれ方は……。




 『猫・犬チーム』と『鶏・驢馬チーム』でした。




(……っく、うまくいかないか……

 まあ、確率上は1/2だし、仕方ないか……

 今度こそ……)



 猫の少女は少し残念そうにするものの、別に犬の少年が嫌いなわけではないので。

 気を取り直してお化け屋敷を楽しむことにしました。


***************************************


 

 時刻は昼の12時。

 場所は遊園地の女子トイレ前。


「わ、私、お花を摘みに行ってくるね!」

「あ、あたしも、薔薇の木を伐採してくる!」


 そんな言葉を少年たちに投げかけた少女たちは。

 形勢があまりにも(・・・・・・・・)不利だったため(・・・・・・・)、トイレ休憩を取ることにしました。


 洗面台の前でがっくり肩を落とす驢馬の少女と、オロオロする猫の少女。


「ね、ねえ、根暗ちゃん……1/2、のはず、だよね?」


「理論上は、そのはずなのに……」


 そうです。

 あれからも10回以上、グーとパーによるチーム分けを行ったのですが。


 別れ方は……全て(・・)『猫・犬チーム』と『鶏・驢馬チーム』でした。


 ちなみに、10回とも偶然このチーム分けになる可能性は1/1024。



 あの少年2匹は……絶対何かやっています(・・・・・・・・・・)!!


 でも、一体、なんでそんなことをするのでしょうか。


「……あっ」


 そこで驢馬の少女はやっと気づきます。

 思い出したのは鶏の少年とのやり取り。

 驢馬の少女に遊園地の話をした後、ホッとした表情をして。


「じゃあ、他の2人にも伝えておきますね」


 ……と、言っていました。


 ……何故(・・)鶏の少年は(・・・・・)1番最初に驢馬の少女(・・・・・・・・・・)を遊園地に誘ったので(・・・・・・・・・・)しょうか(・・・・)


 普通であれば、犬の少年あたりを最初に誘うのが自然です。



「そうか……違うんだ(・・・・)!」



 ああ(・・)! 何故あの時(・・・・・)その可能性を(・・・・・・)考えなかったので(・・・・・・・・)しょうか(・・・・)


 ……先に分かっていれば(・・・・・・・・・)まだ(・・)対処法があった(・・・・・・・)はずなのに(・・・・・)



 驢馬の少女は真っ青な顔をしながら、言葉を続けます。




男性陣は(・・・・)……、逆なんだ(・・・・)



 小犬丸くんは(・・・・・・)猫屋敷さんが(・・・・・・)

 そして、小鳥遊くんは(・・・・・・)私が好きなんだ(・・・・・・・)……!!」




「……え……マジで?」



「あの2人が……本気で私たちの計画を邪魔しにきてる……‼︎」



 どんな逆境でも決して諦めなかった驢馬の少女が、絶望を滲ませた声色で台詞を吐き出しました。




 嗚呼(・・)何ということでしょう(・・・・・・・・・・)




 『ブレーメンの屠殺場』にて、華々しく輝いた『知恵(・・)()()の双璧が(・・・・)




 ……今まさに(・・・・)少女たちの前に立ち(・・・・・・・・・)はだかったのでした(・・・・・・・・・)

え?

あ、ハイ、馬鹿小説です。


キャラも多少崩壊するよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] めっちゃ面白いwww(感想面白いしか言ってない、頭悪い感じですみません)
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