予兆
某所にて。
「ブレーメンの遊技場、私見れなかったんですが」
「あれはNiOさんの黒歴史ですからね。
もう表に出すことは無いと思います」
「何かの記念で出すとかも無いんですか?」
「まあ……ブクマが100行ったら考えますよ……」
「約束しましたからね」
「まあ、絶対ないですけど。(この時、完結andレビューブースト済み、ブクマ40台)
ハハハ!」
……まさか、本当にその日が来るとは。
774 :名無しさん@おーぷん :2015/10/26(月)00:03:41 ID:Fy1 × >>773
ブレーメンの屠殺場
http://book1.adouzi.eu.org/n9431ct/
4人の少年少女が深夜の学校で、七不思議から
謎を出され、解けないと殺されるというもの。
ブクマ52件、総合197pと振るわないが、
最初の謎がしょぼいのと、粗筋で損してる気がする。
実際にはどんどんリドルのレベルは上がる。
ちょっとした笑いも感動も絶望もある良質の学園ホラー。
感想はネタバレだらけなので最初は読まないほうが良い。
ス〇速で紹介されたせいでしょうか。
ブクマとポイントがぶっ壊れました。
紹介して頂いた〇コ速管理人様。
そして上記の様な素敵な紹介文を書いて頂きました某巨大掲示板の774様。
本当に有難う御座います!
さて。
記念でもないですが、どこかで約束させて頂いた過去作品再掲載をしようと思います。
全7話。
……一応、年末には再度削除予定ですので、読めるのは今だけ。
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ブレーメンの遊技場
※これはラブコメ小説です。登場人物は全員呪い殺したくても死ぬ可能性はありません。
作者の黒歴史にして、速攻で削除された偉大なる蛇足作品です。
まさか再び日の目を見ることになるとは……。
胸糞展開が苦手な方はブラウザーバックを推奨します。
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季節は12月上旬。
時刻は朝の9時過ぎ。
場所は猫の少女の住むアパート。
9畳くらいの部屋の真ん中には電気カーペットが。
そして、その上には早くも炬燵が出されています。
猫の少女は急須からお茶を注いで、久しぶりの来客……驢馬の少女の前の机に置きました。
「ごめんね、あんまし人がこないから、プラスチックのコップしかないや。
火傷に注意してね」
「ありがと、猫屋敷さん」
「うん。
……西でも、良いよ?」
「? なにか言った?」
「あ。
んーん、な、何でもない!」
なんだか、友達と言う距離感も難しいようですね。
猫の少女の小さい溜息をみて、驢馬の少女は頭に“?”マークを浮かべますが、まあ良いかとお茶に意識をむけます。
今日の驢馬の少女はバッチリ決めています。
灰色のタートルニットに白いパンツ。
猫の少女が渡したハンガーに掛けてあるカーキのコートを着たその姿は。
「……モデルさんみたい」
猫の少女は悔しそうに小さく呟くと、お茶を啜ります。
一方猫の少女も負けずに決めています。
薄いピンクのニットを可愛らしく着こなしており、驢馬の少女のコートの隣にはダッフルコートが掛けられています。
「……お人形さんみたい」
驢馬の少女も悔しそうに小さく呟くと、お茶を啜ります。
まるでデートにでも向かうような2人の恰好は、一体なんでしょうか。
「それで、そむ……根暗ちゃん。
用事ってなに?」
両親がいない猫の少女は叔父さんから月々のお金を貰って一人暮らしをしています。
驢馬の少女は、今日と言う日を完璧にするために、朝早くから2人だけで話が出来る猫の少女の家で落ち合うことにしていたのでした。
ただし、話し合いの内容については猫の少女もまだ聞いていません。
「うん。
初めにいっておくと
……猫屋敷さん、小鳥遊くんのこと、好きだよね」
「ぶばっ」
猫の少女がお茶を吹き出しますが、驢馬の少女はそれを予測していたかのように自分のお茶と一緒にそれを避けました。
「なななななななにをいっているのやら」
「私は、小犬丸くんの方が狙いなんだけど」
「え、え、え」
猫の少女は未だに話しについてきていませんが、驢馬の少女は大きく頷くと、話を切り出しました。
「だからね。
……今日は、共同戦線、張らない?」
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さて。
ニッケルさんの夢の中から出た4匹ですが、実はその後4匹一緒に遊んだということは、ほとんどありませんでした。
別に、仲が悪くなったわけではありません。
病院では治療と勉強が最優先でしたし。
退院した後は学校へ登校して、クラスへ馴染まなくてはいけなかったからです。
そして、馴染んできたとホッとしたところで期末テスト。
特に鶏の少年を除いた3匹は、何が何でもここで結果が欲しくて、寝る間も惜しんで勉強したのでした。
おかげで、4匹とも平均よりも上の順位を取ることが出来ました。
……ところで、どうしても結果が欲しかった理由ですが。
もちろん、遅れていた分を取り返したと家族を安心させるという面もありますが。
1番の理由は……。
「今度の期末テストで全員が平均より上だったら、皆で遊園地にでも行きませんか」
「え、え?」
期末試験の3週間前、授業の合間の休み時間に、鶏の少年が驢馬の少女のクラスにやってきて、そう提案したのです。
ちなみに学校に登校して時から鶏の少年は、ボサボサだった髪を切って綺麗な七三にしていました。
「天才であるこの僕が授業を担当したので、全員が10番以内……と言いたいところですが、それは流石に厳しいでしょうからね。
チケットの手配とかは、僕がやっておきますよ。
もちろん、嫌ならこの話はなかったことに……」
「え、え?
も、もちろん行く!!
絶対、平均以上取る!!」
驢馬の少女は突然のことに驚いたものの、力強くコクコクと頷いたのでした。
鶏の少年はホッとした表情をして。
「じゃあ、他の2人にも伝えておきますね」
「うん、うん!
私、頑張るね!!」
鶏の少年に手を振った後、驢馬の少女は1人で「やるぞー」とエイエイオーをしました。
ちなみに驢馬の少女の身長は190cm近くあるので、周囲の生徒たちはビクッてなりました。
(小犬丸くんと久しぶりに喋れるー。
いやいやいや、まだ遊園地に行けると決まったわけでは……。
あ、可愛い服とかあったかな)
嬉しさでニヤける驢馬の少女はその日のことを考えると頭がいっぱいになってしまっていました。
ああ、だから!
勘の鋭い驢馬の少女が、普段だったら気づいただろう、簡単な違和感に気づかなかったのです。
……そう、あの恐怖の夜を体験した少女にしてはあまりにも不用意。
気づいていれば、まだ、対処法を考える時間があったはずなのに!
少女が自分の過ちに気づくのは結局、当日の遊園地内でのこと。
……それも、激しい後悔と。
……そして、絶望とともに。




