どう攻める?
佐野城は再び籠城を始めた。城を攻めるには兵が足りないが、いい策はないかと考えていると信勝から小山へ来るようにと伝令が来た。
「はて?何があった。まあちょうどいいか、直政。わしは小山へ行く。兵は残していくゆえ、好きにせい」
真田昌幸は指揮を井伊直政へ任せ、兵300と共に小山へ向かった。心配事があった。兄の信綱から連絡があり、五郎盛信は武田を名乗り森城から柴田勝家を牽制しているようだ。秀吉と組んでいる事が明確になったと。勝家は盛信など相手にしないだろうが、森城は越中に近い。直ぐにどうこうはなるまいが、さっさと関東を片付けないと一波乱ありそうだ。
昌幸は怪我をした本多忠勝を置いていこうとしたが断固として聞き入れない。仕方がないので榊原康政に直政のお目付け役を命じ、忠勝、そして山上道及を連れて行くことにした。道及の部下で投降した100人と共に。道及の残りの部下は佐野城へ戻っている。忠勝は道及に、やるよ、と言って槍をあげてしまった。いいのかな、あれ大殿が忠勝用に作った特製槍だよな。怒られたら庇うしかないな、やれやれ。
この時、昌幸はまだ知らない。自分の長男源三郎と忠勝の娘が結婚する事を。
二日後、小山に着いた昌幸一行を曾根昌世が待ち構えていた。
「昌幸、こっちだ。よう参られた」
「おい、お主が付いていてわしを呼ぶとはよっぽどだな、どうした?何があった」
曾根昌世は小山城の図面、敵の予想配置、そして城の大筒について説明した。
「軍議の前に小山城を見たい。案内頼めるか?あと、半蔵も呼んでくれ」
昌幸は伊賀者を連れて城の周囲を回った。現在、東側を結城勢、西、南北は武田勢が囲んでいた。どの入り口も坂を登って入るようになっている。壁からの侵入は外堀がある上に高さがあり、ほぼ不可能だ。坂を登り切り戸のない城門をくぐると、曾根の言うような罠があるのだろう。その上に城から砲台が覗いていては簡単には近づけない。
「これは、物量で勝つしかないのか?消耗戦はしたくないが」
「お主を呼んだのはこういうことだ。わし一人の知恵では足りぬ。智慧者がもっと欲しい」
「直政を連れてくればよかったか。あれはあれで突拍子もない発想をする」
いないものは仕方がない。昌幸は軍議に臨んだ。
その間、勝頼は伊達について悟郎の配下の忍びと語り合い、結城晴朝を呼んで脅し気味に打ち合わせし、佐竹の使者とは笑顔で話し合い、京の忍び小屋から来た者から近衛前久や秀吉、織田の情報を得ていた。あー忙しい。昌幸が来て軍議をするというので本陣へ行こうとしたところ忠勝が現れた。
「大殿。山上道及殿をお連れしました。」
「おお、久しぶりだな。て、ことはだ、忠勝が勝ったのか。でも怪我してるのは忠勝、ん?」
道及が説明し、お仕えしたいと申し出てきた。関東には詳しいというので、この戦に同行させる事にした。さて、どうやって使うかな?
「それで、大殿。言い難いのですがお願いがありまして」
「なんだ、改まって。お前らしくない」
「いや、その大殿から頂いた槍ですが、道及にあげてしまいましてな、もう一本頂けないかと」
そういうことか。じゃあ今回の褒美は槍という事で。紫乃を呼んで、大崩にいる助さんにもう一本作るよう伝えさせた。ついでに、水軍にも命令をだした。
軍議が始まった。まず、曾根が調査した事を報告した。水は井戸があり止めることは難しい、食糧は城には一年分はあるそうだ。ただ、どうも抜け穴があるらしく、食糧は適時運ばれているようだ。抜け穴は大崩の職人によるものらしい。
「抜け穴はかなり長く遠くまで続いており、まだ発見できておりません。城下に元工事に係わったと言っている者に金を包んで渡して得た情報です。その男は地下を掘っていたのですが、荷車が地下を走っていたそうです」
地下鉄???昔格さんが諏訪で作ろうとしてたやつか。助さんに忙しいからって断られたやつ。図面が大崩にあったのか?動力は何だ?電池も取られた?何だよ、まさに最先端の城じゃん。これで城が変形してロボにでもなったら、、、、、、はい、落ち着きましょう。軍議の邪魔したらあかん。
まあ、実際はトロッコだろう。そんなのいつでも作れるもんねー、って負け惜しみ言ってる場合じゃない。そこに昌景が聞いた。
「抜け穴は一つなのか?」
「情報では二つ。城の北東、北西に向かっているそうです」
抜け穴から城に侵入する作戦が議論された。穴山は当然待ち構えているという意見もあり、まずは入り口を探すことになった。また、抜け穴以外の作戦として、空撃が上げられたが、当然穴山に知られており対空防御もされていると考えるべきだという意見が出た。それにここには山がない。勝頼は話を聞いていて、科学兵器に頼らず、冷静に分析ができる部下達を見て嬉しくなった。しかし、手の内が知れてるのはお互い様とはいえ、まあやりづらい事。さて、昌幸はどうまとめる?




