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二度も親を失った俺は、今日も最強を目指す   作者: SO/N
八章 夏季休暇

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八十三話 大車輪




「…………本当、みんな無事でよかったです。」

「ローナは眠らされたんだって? 大丈夫だったのか?」

「大丈夫だ。ライナの見舞いに行ったときに隣で寝てたが、幸せそうによだれを垂らして寝てたぞ。」

「え、来てたのっ!!?」


 学院長と話をした次の日の昼、俺はカーズとソーラ、ローナの3人と学食で昼飯を食べながら仮面襲撃の時のことを話していた。


「ああ、確か腹もだらしなく出してたな……寝相が悪いんだろうが、流石に直したほうがいいぞ。」

「ちょ、やめてよウルス!!? そんなこと言う必要ないじゃん!?」

「……まあ、想像はつくな。ローナだし。」

「……そうですね、ローナさんならしてそうです。」

「な、何で2人とも納得してるの!?? ……もしかして私って、いつもそんな風に思われてたの……?」


 昨日の夜には課外授業で外に出ていた2、3年や教師たちも帰ってきており、襲撃のこともあって今日はかなり騒がしい様子となっていた。本来なら、俺もこんなのんびりしてる暇はないんだが…………



『ウルス、お前はいつも通りに過ごしてくれ。儂たちが固まっても、またいつ奴らがくるかも分からない……だから、下手に一緒に行動するより、お前が生徒たちと一緒にいて守ってくれたほうが安全だろう。仮面の奴らのことは儂ら大人が調査しておく…………自分の生徒に頼むのは情けないが、今は頼らせてくれ。』



 生徒などの立場なんて特に気にしてないが……学院長の判断も一理ある。今は彼に任せておこう。


「しかし、すごいなライナは! そんな危険な奴らに臆することなく戦ったなんて、さすが次席だ!」

「そうですね、僕たちも彼女の精神強さは学ばなければ。」

「…………ほどほどにな。」


 強く言えないもどかしさもありながら、しばらくして俺たちは完食していく。そして予定通り、俺は何故かいじけているローナへと声をかける。


「じゃあ、今日こそやるぞロー……なに拗ねてるんだ。」

「別にぃ、どうせ私は品もなくてぐうたらで無様な女ですよぉ……」

「そこまで言ってないだろ……ほら行くぞ。ジェット、覚えたくないのか?」

「っ、今すぐ行きます!!!」


 ……現金な奴だ。


「あ、俺も見に行ってもいいか?」

「僕もいいですか? せっかくなのでウルスさんが人にどうやって教えてるのか見てみたいんです!」

「……好きにしてくれ。」


 

 どうせ、断っても食い下がってくるだろうしな。


















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

















「……やっぱり人気者だな、ウルス。」

「……………」


 4人で訓練場に向かうと、元々約束していたルリアは当然として、ニイダとミル…………そして、何故かラナとフィーリィアまで待っていた。


「……一応聞くが、何でお前たちがいるんだ?」

「いやぁ、ミカヅキ先輩たち2年が帰ってきたということは、早速特訓すると思っただけっすよ。観るのも面白いっすっしね。」

「私とミルはそのニイダくんに声をかけられて……」

「…………ここに来ると思ったから。」

(………………)


 …………もう、面倒だしツッコむのはやめておこう。



「……じゃあ、今日は()()()さんもいるので、改めて説明します。」

「ああ、よろしく頼む。」

「はい、ウルスせうぎゃぁ!?」


 デコピンをしてから、俺はもう一度イメージの話をする。


「2人とも、ジェットに対してどんなイメージ……印象や特徴を持っていますか?」

「特徴?……そうだな、空を飛ぶ……っていうのは当たり前か。なら…………鳥みたい、だな。」

「えっと、私は……自由がある!」


 自由と鳥か……俺にはない発想だな。やはりこうやって聞いたりするのは楽しいものだ。


「……ウルス、これってなにしてるの?」

「ジェットに対してのイメージを固める特訓だ。」

「……何でそんなこと?」


 フィーリィアの質問に俺は答える。


「魔法を使う際、ほとんどの人間がすること……分かるか?」

「……詠唱?」

「そうだ。詠唱で発動か、無詠唱で発動か……ミル、この違いは分かるか?」






「………………」



「………ミル?」

「………あ、え、ごめんウルスくん……どうかした?」


 ぼんやりしていたのか、ミルは慌てて俺の方へと向き合う。いつもハキハキしている彼女なので少し珍しいが……何か考え事でもしていたのだろう。


「質問だ。詠唱と無詠唱の違い、ミルは何があると思う?」

「詠唱と無詠唱……確か、『イメージ力』ってやつだよね? その魔法に対してどれだけイメージがあるかないか、イメージがちゃんとしてたら……無詠唱でもできる………だったっけ?」

「大体そんな感じだ。授業じゃ無詠唱で魔法を使うと威力が落ちやすいっていうが、それはイメージが固まりきってないからだ……だから人は詠唱をすることによって無意識的にイメージを固めている。でも詠唱は魔法の名前を言ってしまうから、相手に手を明かしてしまって先に対策されやすい。オリジナル魔法ならともかく、和神流と洋神流の魔法は基本無詠唱のほうが…………」


「ながいよウルス!! 全然内容が入ってこないし、もう次の段階にいこうよっ!!!」


 魔法について色々と語っていると、イメージを固める特訓をしていたローナが騒ぎ出す。

 

「わ、分かった……じゃあ、次はジェットの仕組みについて軽く教えよう。」

「仕組みか……手はもちろん、足も使うんだよな?」

「はい、普通に飛ぶだけなら手だけでも十分ですが、より微細に動くには足もできたほうが安定しますね。飛びながら武器を使えたほうが便利ですし、最終的には四肢全部できるようにはなってもらいます。」

「じゃあ、とりあえず手からやってみよう! どうやってやるの?」


 俺は2人に見せるように自分の手のひらを開ける。


「俺は風と爆破を混ぜたり使い分けて推進力を生んでいる。まあ最初は風を軌道修正、爆破を加速として考えた方がいいな。」

「合体魔法だったのか……想像以上に難しそうだな。まあ空を飛ぶくらいだ、簡単じゃ逆に困る。」

「えっと、こうやって……うわぁ!?」


 早速ローナが手を下に突き出し、浮かぼうとして小さな爆発を起こすが……バランスが取れずその場でひっくり返った。


「な、何これ……何で上に飛ばないの!?」

「爆破の左右の向きが悪いんだ、噛み合わないとその場で滑ってしまうぞ。」

「……うぉっ!? ……よくこんなの平然と使ってるな、ちゃんと使えるまで苦労しただろウルス。」

「……そうですね。」


 ……ジェットを使わなくても俺は飛べるので、最初から感覚で出来ていたがな。


「苦労ねぇ…………」

「……何だ、ニイダ? 言いたいことでもあるのか?」

「いやぁ? 頑張ったんだなぁって……意外と努力家なんすね?」

「……………はぁ。」


 こいつ……遊んでるな。やっぱりこいつもスリープワールドで眠らせておいたほうが良かったか…………




「うわぁっ……がはぁっ…………ぐぼぉっ!?」

「こ、こうか……? ちょっと分かってきたぞ!」



「…………差が出てる。」

「ミカヅキさんはコツを掴むのが速いね、さすが上級生。」

「……逆にローナさんは失敗多いね、魔法は苦手なのかな?」

「でも、ローナさんにはフレイムアーマーっていうオリジナル魔法もあるっすよね。それができるのにこんなに差がでるもんすか?」

「そうだな……まあ、こればかりは個人差があるものだ。おそらくローナとジェットの相性があんまり良くないんだろう。」


 ステータスでもローナは上級まで、ルリアは最上級までといった感じなので、単純な力差もあるんだろうが…………


(……そういえば、ジェットはどの位に位置するのだろうか……)


 オリジナル魔法に明確な区別はないだろうが……ローナで難しく、ルリアが比較的できるなら最上級レベル…………いや、そもそも……………





「ぎゃぁ!! 助けてウルスーー!!!」


「……大車輪(だいしゃりん)。」

「…………これは、時間がかかるな……」



 


 ちなみですが、ミカヅキ以外は基本みんなそれぞれ交流があります。フィーリィアはあまり喋ってないと思いますけどね。


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