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龍造寺政家と凋落の龍造寺家

永禄九年 正月 佐賀龍造寺城 鍋島直茂


「叔父上、今年の正月はなぜにこうも寂しいのですか?」


塩田津の湊での敗戦と、父の死を聞いた龍造寺政家は茫然自失だ。正月だというのに、登城して祝を述べる国人衆は去年の三分の一にも満たない。そして江上と千葉は来ていない。


一門衆や譜代、亡き殿が家督を継がれる前からの古参の家臣のみである。


主殿には私の他に龍造寺長信(23)、龍造寺信周(29)がいる。亡き殿の弟君、いや、私にとって殿とはいったい誰なのだ?私は今、小佐々の殿に命ぜられ、龍造寺家を救うためにここにいる。


「若君、いえ殿。わが龍造寺家は、お父君は戦に負けたのです。昨年まではこの肥前にて、龍造寺家は日の出の勢いにござった。」


「しかしまた、西で平戸松浦をやぶった小佐々に、塩田津の湊で敗けたのです。ご覧の通り、新年の祝に登城する国衆の数はその国の勢いを表しまする。」


「正月の祝の登城とは、主君筋に当たる家に、今年もどうぞお願いします、という意味で献上品を携え参上するもの。それゆえ、我らに従う国衆が減っているということにございます。」


殿の顔色はすぐれない。もともと頑強な方ではなかったが、やつれている。


「では、直茂。わしがまた軍を整え、小佐々に攻め入って勝てば、皆もどってくるのか?」


「殿、事はそう簡単ではありませぬ。まず、兵が集まりませぬ。負け戦の後、勝てる見込みもない戦に、誰も参陣しようなどとは思いませぬ。まずは、千葉・江上に書状を出し、登城させる事。そしてなにより国内の国衆の離反を防いで安心させねばなりません。」


「まずは、私が千葉・江上にあって事の真偽を確かめてまいります。国衆に関しましては長信様、信周様にあたっていただきとうございます。お二方、よろしいでしょうか?」


長信と信周はうなずく。


「小佐々に対しては・・・。心苦しゅうございますが、弟君、又四郎様を送り出す事をお考えください。」


「な!又四郎をか?人質ではないか?屈服するのか?」


「屈服、そうなるかもしれません。しかし、亡き殿も筑後国で苦渋の生活を送った後、再起され勢力を拡大なされた。今は小佐々と五分の盟を結ぶのは、正直難しゅうござれば、辛抱の時にございます。」


勝てる分があればよい。打って出ればいいのだ。しかし、こたびはまず、勝てまい。されば臥薪嘗胆、耐え忍ぶしかない。まずは、家を守る事を第一に考えねば。


殿は憤り、嘆き、悩んだが、結局私の提案を採用していただけた。


・・・さて、千葉と江上は、もう、無理であろうな。

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