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羊頭狗肉 有馬義貞と大村純忠

翌朝 円福寺 仮の陣屋 小佐々弾正大弼純正


城からはまだ煙が上がっている。

ちょうどよく、という加減ができるほど余裕はなかったので、修復するのには時間がかかるだろう。幸いにして、事前に避難させたから、火災による被害者はいない。それにしても・・・・後藤殿、申し訳ない。


目の前には泥まみれで、しわくちゃな格好をした武者二人が捕らえられている。有馬義貞と大村純忠だ。有馬義貞と面識はなかったが、なるほど、兄弟だから純忠と雰囲気が似ている。


深堀との戦の時まで、戦う事を避け、なるべく機嫌を損ねない様にしてきた二人である。


「さて、義貞どの、純忠どの、なにか申し開きはあるか?」


二人とも、ふん、っと鼻をならしてふてぶてしい顔をしている。兄弟ってこんなところまで似るんだろうか?盛には似てほしくない。


「申し開きなどない。これで勝ったつもりか?確かに兵は大幅に減りはしたが、われらにはまだ一門衆や譜代の家臣が日野江城下に残っておるわ。純忠もそうだ。」

「その通り、三城城に戻れば一戦を交える事もできよう。」


日野江城に三城城ね・・・。俺は傍らにいた艦隊司令の深堀純賢や長崎純景に状況を確認した。


「今確認したが・・・。その方らの日野江城と三城城は、灰になっておるぞ。」

「なんだと!そんなバカな!」

「馬鹿も何も、ここにいる二人はわが海軍の艦隊司令じゃ。二人とも城の攻撃を指揮しておる。実際の攻撃は艦隊の陸戦隊が行ったが、その前の艦砲の指令を出したのはこの二人だ。そしてこの深堀純賢は、その方らが捕らえて殺した西郷純堯の弟だ。」


義貞と純忠は二人して目をあわせ、

「待て、待て、殺してはおらぬ。生かしておる。捕らえて斬首も考えたが、生かしておる!」


なぜ二人の顔に安堵の表情が見え隠れするのだろう?純堯を殺してないから自分たちも殺さないで許してくれとでも言うのだろうか。


「そうか。だからどうした?生かしておるから、俺がお主らを生かすとでも?馬鹿も休み休み言え。戦が始まる前から処遇は決めておったわ。」


「では、せめて、嫡男!わしの命にかえて、家族は助けてくれ!」純忠も同じく首を縦にふる。俺は、ため息がでた。


「お主ら何か勘違いをしておらぬか。戦が始まる前ならいざしらず、今のお主らの首にそれだけの価値があると思うのか?これはお主らの降伏ではない、われらがお主らを仕置するのだ。もう平戸と同じ轍は踏まん。連れて行け。」


お助けをおおおお!おのれこの恨み忘れぬぞおおおおおお!末代までたたってやるうううう!くそ離せ!離さぬかあああああ!


罵詈雑言が聞こえる。


有馬と大村の領地は没収。嫡男、男系は処刑。・・・・いつもいつもこの瞬間は嫌で嫌でしょうがない。この戦国の世でも慣れる事はないだろう。


しかし、やらねば、十年後、二十年後、わが身に、わが家族に同じ災が降りかかってくるかもしれぬのだ。後日、軍と使者を送る事にする。鎮信と九郎にも、幽閉などと甘い処置をとったがために、結局家臣が希望を持って結託して蜂起した。


その結果今回の戦乱を招いて大勢が死んだ。


・・・。鎮信と九郎をどうするか。この二年半で鎮信は別人みたいに人が変わったし、九郎は九郎で治郎と年が変わらぬ。


さて。

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