決着
俺は充実感の中にいた。
愛が俺の中にいる。
愛情が心の中に満ちている。
今までにない魔力の強さを感じる。
親父の血を引く俺とエイミーの血を引く愛の合体状態なのでそれも当然か。
ギシカはボロボロの状態だった。
足止めしてくれていたのだろう。
「済まなかったギシカ。後は俺達に任せろ」
「うん」
ギシカは満面の笑顔で頷いた。
そして、俺は先生と対峙した。
先生は形相が変わっている。
「なんだその爆発的な魔力量……生まれ持ったものだけで、そこまで……」
「生まれ持ったものだけじゃない。俺は技術面を向上させるべく刹那と日夜修練を積んでいた。愛も回復や無効化の光を母から習った。それに」
そこで俺は一つ言葉を区切る。
「親父やエイミーは普通の一般人だった。親父は高校中退のフリーターでエイミーはVtuber。一般人だった二人が努力して神格を得た。全ては努力。努力の絡み合い。最初から持ってる奴なんていないんだ」
「生まれ持った資質だけで私を圧倒するお前が持っていないなどと言えるものか!」
先生はせんこうを凝縮させた光を放つ。
それは、無効化の光の前に消え去った。
「エイミー直伝の無効化の光は魔力の動きを全て無効化する」
先生は唖然とした表情で俺を見る。
「詰みだ。先生」
俺は縮地を使い、先生の腹部に肘打ちを叩き込んでいた。
唖然としていた先生はそれをもろに喰らい、吹き飛んで球場の外壁にめり込んだ。
決着はついた。そう思った。
つづく




