自我の境界
「魔力を合わせて!」
愛の言葉に俺は頷く。
「させるか!」
先生が叫び、愛に襲いかかる。
その前にギシカが立ちはだかった。
「愛ちゃんは私が守る!」
先生の拳をギシカが受け止める。
俺と愛は魔力を同調させ始めた。
俺達は一つになっていく。
そして、一つになった。
その瞬間、自我の境界が消えた。
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「おかしいぞ」
辰巳は思わず呟いていた。
春武と愛は一つになった。しかし光になって人の形をなしていない。
「二人の心が近すぎる。自我の境界が消えて新たな一人の人間になろうとしている……?」
春歌の冷静な分析に辰巳は焦る。
「どうにかならないのか?」
「愛の心は私が引っ張る。春武の心はあんた達が引っ張って!」
春歌が鋭い声で言い、魔力を融合体に向かって伸ばし始める。
閃光が走った。
ギシカが吹き飛ばされる。
先生の新たな技をギシカはもろに食らったのだ。
しかし、すぐに再生が始まり、ギシカは先生に飛びかかる。
辰巳と翔吾は目配せすると、慌てて光に向かって霊力を伸ばし始めた。
(六階道……頼むぜ、お前が切り札だ)
祈るように、辰巳は思った。
ギシカの無謀な足止めは続いている。
つづく
仕事が終わって爆睡しててこんな時間に……。
疲れてたのかな?
これは昨日の分の投稿で、今日の分の投稿は仕事から帰ってからもう一話上げようと思います。




