表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

558/611

あと、二人

 由希、もとい冴子は、自分の状況をとつとつと語り始めた。

 先生に集められたのは四人。残るは、二人。


「私でもわかるぐらい爆発的な才能の持ち主だった。先生の真打ちは、多分ここから」


 冴子の言葉に、俺は腕を組んで唸った。


「あんたも相当強かったぜ。必殺技は紙一重だった」


「ありがとう。本気で嫉妬してたからね」


 冴子は苦笑する。


「冴子、さん。前世の記憶は?」


 愛が躊躇いがちに訊く。


「もう記憶として吸収されたわ。それでも、私は、貴女が愛しい」


 真っ直ぐに言われて、愛は戸惑うように視線をそらした。


「そ、そっか。そんな真っ直ぐに愛情表現された経験少ないから、戸惑うなあ」


 俺としても複雑だ。

 愛と冴子は前世では恋人だった。けど、今の愛の恋人は自分なのだ。


「毎日ライン送るよ。返してね」


 冴子は、俯きつつ言う。


「わかったよ。けど、前世みたいに深夜までってわけにはいかないわよ」


「うん、わかってる。愛には愛の生活があるし、愛の恋人もいるしね」


 収まるところに収まったのだろうか。


「んじゃ、脅威もなくなったし、試合見るべ」


 辰巳が上機嫌に言う。

 翔吾は呆れたように辰巳を見ている。

 俺は苦笑した。


「そうだな、冴子の歓迎式だ。名古屋ドームのドーム飯って何が美味いんだろうな」


 言いながら、俺達は歩いていく。

 残り二人。

 そして、その後には先生がいる。

 戦いはこれからだ。


 試合は、親父が抑えて親父がホームランを打って圧勝だった。

 これでホームランダービートップだ。


「普通アメリカから日本の適応にも時間がかかるもんだけどなあ」


 呆れたように言う辰巳だった。



つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ