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おー

 翌日の朝の登校路だった。

 今日はギシカは休みだ。

 六華とゆっくり過ごすらしい。


 都知事が急に休みを入れるなんてどんなことになるのだろう。

 俺には想像もつかない。

 今後に影響がでなければ、と思う。


 まあ、元が精力的に働いていた人だから帳尻合わせになるのかもしれないが。

 その時、辰巳が行く先に目を留めていった。


「なんか落ちてるな」


「ホントだ、落ちてる」


 翔吾も同調する。

 俺は歩いていき、それを開く。

 手帳だ。


 可愛らしい文字でこう書いてある。


『この手帳を拾って五秒後にアニバーサリーガチャを引いたら単発でSSR引ける』


 と。

 慌ててパネルフォンを開き、思い当たるアプリを起動する。

 きっちり、五秒。

 引いた。


 派手な演出が画面いっぱいに広がって、SSRの文字。

 馬鹿な、0.01パーセントの確率だぞ。


「おー」


 三人の声が重なる。


「次のページにはなんて書いてあるんだ?」


「五歩進んだらカラスの糞が降ってくる」


 俺は立ち止まって頭上を見上げた。

 カラスが数歩先に糞を落としていった。


「おー」


 今度は四人の、その場にいる全員の声が重なった。


「すげえぞこれ、予言書だ」


 辰巳が興奮気味に言う。

 唐突に手に入れたそれを、俺は若干持て余し気味に感じていた。



つづく


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