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脚力と、球威と

 そこに残っていたのは、辰巳一人だった。

 翔吾はどこかへ行ってしまったかのようだ。

 しかし、辰巳の身に宿る潜在魔力は爆発的に高まっていた。


 辰巳は一瞬で俺の横に移動し、魔力の塊を投擲する。


「翔吾の脚力と、俺の球威! どう対処する、六階道!」


 俺は盾を放棄して、炎の幕を纏った。

 魔力と魔力が相殺して消えていく。


 その後の連撃。マシンガンかのようだ。


「だから故障すんだよお前は!」


 俺は破れかぶれに言う。


「その故障から救ってくれたのがこの力だ!」


 辰巳は興奮気味に返す。


「さて、防戦一方のお前だが、恋人を傷つけられたら本気を出すかな?」


 そう言って辰巳は唇の端を上げる。

 恋人?

 固唾を飲んで成り行きを見守っていた面々が各々の顔を見回す。


「喰らえ!」


 そう言って辰巳は振りかぶった。

 させなかった。

 俺は縮地によって一瞬で距離を縮めると、辰巳の腹部に一撃を放った。

 骨を折る、確かな感触があった。


 辰巳は膝を折って、倒れる。

 そして、辰巳と翔吾に別れた。


「合体……見たこともない技術ね」


 六華が呆れたように言う。


「しかし効果的でした。私達子供組の俄仕込みの防御魔力では対処は不可能だったでしょう。春武を除いて」


「で、恋人って誰なの?」


 愛が近づいてきて俺の鼻に指を突きつける。


「し、知らねえよ」


「千紗? ギシカ?」


「私も覚えがないな」


 千紗が苦笑交じりに言う。


「私も知らない」


 ギシカも戸惑うように言う。


「あー、一体恋人って誰なのよお」


 そんなことの前に気にするべきことは色々あるだろうに、頭を抱える愛なのだった。



つづく

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