表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

485/611

蹴飛ばした

 俺は縮地で追いつくと、魔力で強化した足で車を蹴っ飛ばした。

 前転する車。上に地をついて鈍い音を立てて滑っていく。


 軽いものである。

 朝飯前だ。


 俺は歩み寄り、窓から中を見る。

 ギシカが這い出てきた。

 案の定中は血の海だ。


「……吃驚して暴れてたらなんか皆静かになっちゃった」


「それ多分気絶してるな。頭は打たなかったか?」


「うん、大丈夫」


 悪魔の血が目覚めた時のこいつの腕力は恐ろしいものがある。

 前にも人間の手をひしゃげさせていたし、底知れない。


 問題は常時その状態を保てないということだが。

 パニックになったり怒ったりしないとその状態に移行できないのだ。

 移行したら後は満足するまで暴れ尽くす。

 タチの悪い酔っぱらいみたいなものだ。


「愛呼んでヒールしてもらお。人死になったらマズイ」


「春武も相当無茶したよ。誰かに見られてたらヤバいんじゃない?」


「……確かに」


 焦ってたとは言え後先考えないことしたなあと思う。

 周囲を見渡す。

 見知った顔と、目があった。


「あ」


 異口同音だった。

 駅で辰巳と一緒にいた少女と俺は、そう呟いていた。



つづく

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ