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寒い!

 新千歳空港を出るなり、気温の低さに驚いた。

 半袖から出る腕に冷たい風が突き刺さる。


「はい」


 そう言ってあかねがリュックからパーカーを取り出して差し出してくる。


「サンキュ」


 素直にそれを受け取って袖を通す。


「本州から離れてるとはいえこんなに寒いのか……?」


 呆れ混じりに言う。


「北海道じゃ昨日まで十日間ほど雨だったからね。冷え込んでるとは思ってた」


 そう言うあかねは長袖だ。


「あかねは北海道慣れてるんだって?」


「うん。北海道って一口に言っても広いけどねー。北広島が発展した頃にもう一度来たいとは思ってたけど、こんなに早くなるとはなあ」


 北広島。北海道日本ハムファイターズや大学、病院を誘致し、新駅の開設も決まり、ノリにノッている市だ。


「ちなみになにしに来てるの?」


「牧場見学や乗馬体験、あとは温泉」


「ふーん」


「お土産屋に熊肉の缶詰とかぽーんと売ってて文化の違いとか感じるね」


「熊肉!?」


「うん、熊肉」


 平然としたようにあかねは言う。


「岳志はなんか寄りたいとこある?」


「ラッキーピエロとセイコーマート」


「お約束だなあ」


 苦笑混じりに言うあかねだった。


「で、目的地へのナビも頼めるわけか?」


「うん。私も行ったことある場所だから土地勘はあるよ。まさか、そんなものが隠された土地とは思ってなかったけど。アリエルさんの精霊に訊ねて場所を絞り込めば私なら探知できると思う」


「場所は?」


「定山渓。温泉街だよ」


 また温泉街か。

 戸惑う俺なのだった。


 それにしても、暇な時間にムラがあるエイミーと神秘の品を守らなければならないアリエルの二人だけでどれだけ身内を守れるか。

 東京のことが少し心配になった。


つづく

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