表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/611

宿について

 宿について、荷を解くと、ひと心地ついた。

 せっかくの温泉宿だ。ゆっくりしたい。


「アリエル、エイミー、行くよー」


 あずきが何やら慌ただしく廊下で大声を出している。

 俺は思わず顔を出した。


「どったのあずきさん」


「ああ、岳志君」


 あずきは微笑んだ。


「この近く、神社も多いんだ。んで、御朱印巡りしとかなくっちゃいけなくって」


「へー、そういう趣味あったんだ」


 意外である。


「趣味?」


 あずきは不思議そうな表情になる。


「ビジネスだよ。移動費と宿泊費はなんとか経費にしないとね」


 そう言って親指を立てる。

 エイミーとアリエルが各々の部屋からやってくる。


「んじゃ、行ってくる!」


「いってきまーす」


「じゃあにゃー、岳志」


 そう言って、Vtuber娘三人組はいそいそと出かけていったのだった。


(しっかりしているというかなんというか)


「お風呂突撃いっくぞー! 点呼ー!」


 雛子が猛々しく言う。

 六華が面白がるように乗る。


「一番!」


 刹那が慌てて部屋を出る。


「にばーん」


「声が小さーい!」


「二番!」


「よろしい!」


「んじゃ、三番といこうかな」


 幸子が苦笑交じりに交じる。


「じゃあ、突撃だー! 美肌効果堪能すっぞー!」


 そう言うと、地響きでも立てそうな勢いで駆けていった。

 そして旅館の人に廊下は走らないでと怒られると、徒歩に変わった。


「なんだありゃ」


 苦笑する。


「ほんとだね」


 浴衣姿の先輩が、いつの間にか背後に居た。


「二人きりになっちゃったみたいだね。ちょっとふらっと周囲を見て回ろうか」


「んだね。慰安旅行なんだし、のんびりしようか」


 周囲に気を使わせちゃったかな?

 そんな気もした旅先の昼だった。



続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ