陰陽連へ
翌日、俺は与一と紗理奈と合流していた。
二人共、気まずそうだ。
それもそうだ。自分達に協力しに来た人間の相棒が消息を絶ったのだ。
しかし、俺は明るかった。
アリエルは生きている。
その確信が、俺を前向きにさせていた。
「陰陽連の面々に俺を紹介して欲しい」
紗理奈は目を丸くした。
「どうしたのさいきなり」
「いや、これから俺の行動を報告する組織だからな。面子の把握ぐらいはしておきたい」
紗理奈は探るように与一を見る。
与一はしばし深刻な表情をしていたが、そのうち根負けしたように頷いた。
「アリエルさんにあんなことがあった後だ。そう言いたくなる気持ちはわかる」
「じゃあ、岳志を陰陽連へ?」
「ああ、案内しよう。俺達のホームへ。部外者の来訪は、実に、数年ぶりのことだ」
「そうだね……アリエルさんは、待ち伏せされていたとしか思えない。陰陽連に疑心を持つ気持ちもわかる」
二人共、理解してくれているようだ。
「ただ」
与一が言う。
「陰陽連への案内は、六名家の代表の承認が必要となる。認められる必要があるということだ。もちろん、俺は承認する」
「私も承認するよ。岳志の強さは本物だ」
「じゃあ誰から行くかな。一階堂辺りが近いか」
そう言って与一は歩き始める。
俺は、その後を追い始めた。
前へ進んでいる。
確かな感覚があった。
続く




