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京都到着
新幹線に乗って、京都まで移動した。
思ったことは、東京駅ほど入り組んではいないなということだった。
しかし、デザインには洗練されたものがある。
駅には旅行客が多く、俺達と同じ用にスーツケースを引いて歩いている客達が五万といた。
「見つけた、軟式王子」
大きな声がして、俺は振り返る。
まだいたいけな年頃の少女が、面白がるように俺を見ていた。
「馬鹿、そういうのは小声で言え」
隣の長髪の男が嗜めるように言う。
「だってえ、首都の有名人じゃん。ねえ、どうやって鬼瓦に勝ったんです?」
「そういうのも追々聞いていけば良い」
「どうやら涼子さんが言ってた出迎えは君達みたいだね。君達は一体……?」
「陰陽連代表、六大名家当主」
「安倍晴明の子孫だよ」
「当主?」
俺は少女を指さして、素っ頓狂な声を上げた。
どう見ても小学生だ。
少女はニンマリとして、運転免許証を出した。
「私、大学生。よろしくねえ」
「ええええええええ」
俺とアリエルの叫び声が駅に響き渡った。
続く




