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一路、京へ
「悪霊つきが京に集中してる?」
俺の部屋で、涼子の発言に俺は目を丸くした。
「まあそれは元々の話なんだけどね。京都は魔都。パワースポット。悪霊つきが活発に活動できる環境。けど前にもましてそれが活発になっている。東京の悪霊つきを探したけどさー、本当少なかったわよ」
経験者は語るである。
「ということで、一度岳志君には京に行ってくれないかな。その間、東京は私が守るから」
涼子の言葉に、俺は考え込んだ。
「どう思う、アリエル?」
「確かに、でかい堕天使の活動痕跡があるのは京にゃ。一度片付けなければと女神様も語っていたところにゃ」
渡りに船、と言ったところか。
「……わかったよ。俺は一度京に出る。エイミーの件みたいに、どんな企みが進行してるかわかったもんじゃないからな」
「結構危ういにゃよ」
アリエルは言う。
「京には最強の陰陽師にして最強の堕天者の子、安倍晴明が封印されてるからにゃあ」
その言葉に、目を丸くした。
創作物でしか聞かない名だ。
続く




