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軟式王子

 アナウンサーが燃え盛るタワービルを背景に熱心に語っている。


「こちら現場です。住人の避難は粗方終了しています。突如起こった火災。不可解な火柱から消火作業も滞っていましたが、それも収まり、消火が進みつつあります」


 迫真の表情でカメラに語りかける。

 その時、カメラが、非常階段をズームアップする。


「おや、あれは避難民でしょうか? 消防員に寄り添われています。少女を抱き上げた青年です……少女は、エイミー・キャロライン!?」


 ざわめきが起きる。

 今をときめく芸能人だ。


「抱き上げているパンツ一丁の男は……」


 アナウンサーは記憶を探るように言う。


「軟式王子だ! 幼馴染のピンチに、軟式王子が駆けつけた!」


「あーあ」


 病院のベッドで、涼子はテレビを見ながら言う。


「こりゃフィーバー再燃だぜ、お・う・じ」


 そう、苦笑交じりに言う。

 若干のやっかみを滲ませながら。


 エイミーは照れくさげに、しかし誇らしさを隠すことなく、くすぐったげに微笑んでいる。

 それを見る岳志も苦笑顔だ。



続く

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