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花見の催し
今回の花見は、参加できる人間が限定された。
超常現象について知っている人間。
つまり、俺、アリエル、雛子、あずき、エイミー、先輩。
六華も幸子も超常現象とは無縁だから残念ながらお留守番だ。
なにがあるかについては見てのお楽しみと言ってある。
ただ、あずきは気合を入れて料理を作っていて、恐ろしいことに重箱のタワーを作っていた。
あずきの車に乗り、あの公園へと向かう。
涼子は、既に待っていた。
時刻は早朝。
皆、若干眠たげだ。
涼子は俺達を見ると、表情を硬直させた。
「なんか……えぐい知り合いいるね」
エイミー達が顔を見合わせる。
アリエルが微笑んでずいと一歩前へと進んだ。
「気配で察するとは流石にゃね、陰陽師」
「あ……」
涼子が口を開いた。
「クソ雑魚エル?」
場の空気が硬直した。
俺も思った。知ってんのかよ、と。
続く




