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第71話 リエナとラブホにインする高校生な元勇者(1)

「そうだ、ちょっと疑問なんだけどさ」

「なんでしょうか?」


「ここに泊まる金はどうしたんだ? リエナは日本円を持ってたのか?」


「お金は全知全能なる女神アテナイのスーパーパワーでちょちょいのちょいという感じですかね」


「敢えて何をしたかは聞かないけど、頼むから違法なことはしないでくれよな? 俺はこの世界でも品行方正に生きてるんだからな?」


「ちなみにお金の他に一応戸籍もありますよ。この国では戸籍がないとまずいことになると勇者様から聞いておりましたので」

「うそん!? 女神アテナイってほんとすごいな!?」


「? 世界を渡ったり人知を超えた強力な加護を付与できるんですから、それくらいはできて当たり前ではないでしょうか?」


「いやまぁ、そう言われると確かにそうかもなんだけど、ちょっと方向性が違うっていうか? まぁでも戸籍を作ることと、異世界転移をすること。どっちが難しいってそりゃ後者だよな、うん」


 当たり前のように異世界に行って帰って来たから、ついついさらっと流しちゃってたんだけど。

 異世界転移するって本来ものすごいことなんだよな。


 異世界『オーフェルマウス』で全知全能の総合神として崇め奉られていた女神アテナイに、俺は改めて畏敬の念を抱いたのだった。


 とまぁ、そんなことをラブホ前で話していると。


 パパ活っぽい年の差20歳くらいはある中年男性&大学生くらいの女の子が、俺たちを胡散臭げに横目で見ながら通り過ぎていった。


(ぐっ、しまったな。ラブホの前で日本と異世界の関係について話をしている高校の制服を着た男子高校生と、真っ白な制服っぽい神官服――どう見ても深夜アニメのコスプレ――を着た外国人っぽいお姉さんとか。これもうとりあえず不審者として通報してば間違いないレベルの怪しさだぞ!?)


「リエナ、ここにいるとちょっと不味い。とりあえず中に入ろう。ここは未成年がいちゃいけない場所なんだ。俺とか高校の制服だから、警察に見つかったら一発で補導される」


 俺はそう言うと、リエナの背中に手を回してぐいぐい押しながら、逃げ隠れるようにラブホの中に入った。


(――視線を感じる? 誰かに見られてるのか?)


 その時、一瞬遠くからの視線を感じた気がしたんだけど。

 ぶっちゃけ今の俺はあからさまに怪しい2人組の片割れだったので、そりゃ見られるよなと思ってまずはラブホに入ることを優先した。



 リエナが外に出歩いてるだけあって、ここはよくある一般的な入ったら出られない事後払い制のラブホではなく、出入り自由な前払い制だったので、とりあえず俺の分の料金を払ってリエナの借りている部屋に向かう。


 リエナは「長期出張プラン」なるラブホなのに連泊できる特別なプランで入室していた。


(へぇ、ラブホなのにビジネス用プランで割安で連泊できたりするんだな。後学のために覚えておこう)


 もちろん俺は休憩料金で入っている。

 間違っても泊まっていったりいったりはしないから安心して欲しい――って俺はいったい誰に言い訳してるんだ。


(でもあーあ、高校生なのにラブホ入っちゃったよ俺……しかも初めて入るのに色気の欠片もないときた……)


 なんてことを考えていると、リエナが俺の顔をまじまじと見つめながら言った。


「あの、さっきから気になってたんですけど」

「どうしたんだリエナ?」


「なんと言いますか、勇者様とお別れした時と比べてかなり顔立ちが幼い気がするんですよね。さっきもご自分のことを未成年って言ってましたよね? たしか勇者様は16歳で『オーフェルマウス』に渡り、5年を経て成人されていたはずでは?」


「それがこっちの世界に戻ったら、最初に異世界転移した当時の年齢に戻ってたんだよ」


「あ、そうだったんですね。ということは勇者様は肉体的には16歳ということですね?」


「そうなるな。しかもそれだけじゃなくて時間軸も俺が最初に転移した直後、つまり5年前に戻ってたんだ」

「時の流れにまで何らかの干渉があったわけですか」


「でさ、そんなことができるのは女神アテナイくらいかなって思うんだけど、リエナはどう思う? 魔王討伐に頑張った俺へのご褒美にサービスでもしてくれたのかなって。女神アテナイ教団で高位神官をやってるリエナなら何か分からないかな?」


 せっかくの機会なので、俺はこの世界に戻ってきてからずっと気になったことを尋ねてみた。


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― 新着の感想 ―
[一言] さて、ここで誰に見られたのかが問題だ。本人なのか、近しい第三者なのか、はたまた全く関係ない通りすがりの誰かなのか。現状の立場から追い落としたい敵対心を持った誰かしらとかゴシップ新聞部とかの可…
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