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263 鋼の心


≪猫式短剣型魔導機械(マジックギア)鋼心こうしん

武器/短剣/魔導機械 レア度:S+ 品質:D-

Atk:230 Matk:130

初心者向けに開発された魔導機械をベースに、最高クラスである滅魔竜の素材から作り上げた決戦兵器とも呼べる高性能魔導機械。

制作者の力量不足により十全とは言えないが、それでも伝説級の武器足り得る程の性能を誇る。

単一での性能も申し分ないが、もう一つの魔導機械と組み合わせた時、その真価を発揮する。

鋼の心は全てを(たか)め進む。


最大SP-100

≪起動≫発動中最大SP-150、Atk+300、Matk+100、Def+100

≪起動≫発動中≪連結(ユニオン)≫使用可。

≪連結≫使用中、以下の四つの効果を発揮する。

二つの武器の全ての数値を合計した数値を、連結後の武器の能力値として計算する。

連結後の武器の持つ能力値、補正値の全てに+100%

与えるダメージ+100%

取得経験値+100%

≪純白猫≫の銘が刻まれている。


「これは葵ちゃんから預かった素材も加えた、サブウエポンです」

「メインウエポンみたいな性能してますけど」

「サブウエポンです。ナガマサさんから要望のあった、連結機能もきちんと付けていますよ!」

「すごーい!」


 タマが両手を上げて喜んでいる。

 カッコイイし、性能も良い。

 むしろ良すぎるくらいだ。

 説明のところで、サブウエポンどころかリーサルウエポン扱いされてないか?


 見た目はやはり、昨日見せてもらった試作品とほぼ同じだ。

 装飾とか刀身を奔る模様、後は色が少し違うくらいか。


「もっと違ったデザインにするつもりだったんですけど、二三回やって出来る気がしなかったので諦めました!」

「そうなんですか」

「やっぱり、私が作るには素材のレア度が高すぎましたね。それでも、今の私の持てる全てを出し切ったと確信してます」

「はい、とてもいい出来だと思います」

「えへへ、照れちゃいますね!」


 素材のレア度が高くて、成功率を上げる為に慣れた形に落ち着いたようだ。

 魔導躍進機の方も同じ理由かな。

 それでも微妙に違うし、これはこれでかっこいいから良し。


 肝心の性能は、すごそうとしか言えない。元々の攻撃力も高い。

 そこに≪起動≫が加わるともっと凄いことになる。

 葵の剣と連結させれば、もっともっと凄くなる。


 取得経験値まで増えるオマケつき。

 早く成長したがってた葵にはぴったりだ。

 これはなんとなく、タマがプレゼントした素材の効果な気がする。

 

 確信はない。

 本当になんとなくだ。

 根拠を思い浮かべるなら、タマのコインを使った俺の剣や鎧が無限に強化される、みたいな効果を持つからだ。

 成長に補正のかかるスキルをいくつも取得してたし。


≪猫式長剣型魔導機械:裂断れつだん

武器/短剣/魔導機械 レア度:S 品質:D-

Atk:368 Matk:292

広く普及している長剣型をベースに、最高の素材である滅魔竜の素材から作り上げた決戦兵器とも呼べる高性能魔導機械。

制作者の力量不足により十全とは言えないが、それでも伝説級の武器足り得る程の性能を誇る。

悪も迷いも不条理も、この世の全てを裂いて断つ。

最大SP-100

≪起動≫発動中最大SP-150、Atk+500、Matk+300、消費SP-20%、相手の防御力が高い程与えるダメージが増加する。

≪純白猫≫の銘が刻まれている。


 長剣型の魔導機械。

 さっきの短剣型は、形式的には葵からの発注だ。

 対してこっちは俺の注文。

 二刀流用の剣だ!


 ≪連結≫を発動すると、二つの剣が一つになる。

 そうなると左手が空く。

 せっかくの≪裂梟≫が無駄になってしまう。

 じゃあもう一本武器を持てばいい。

 という発想から生まれた。


 ≪鋼心≫は連結の方に重心を置いたから、単独での性能は控え目になっている。

 だけど≪裂断≫は全ての性能を攻撃力に振ったようだ。

 恐ろしいことになっている。


 数値もヤバいけど、本当にヤバいのは最後の一文だ。

 防御力が高い程与えるダメージが増加する。

 つまり、どれだけ硬かろうが問答無用で切り捨てる武器ということだ。


 正確な上昇率は謎だけど、実験する気にもならない。

 もし大した性能じゃなかった、なんてことにならなければ下手すると死ぬ。

 というか素材のことを考えると間違いなく高性能だ。

 恐ろしい物を産み出してしまったのかもしれない。


 葵には扱いはよくよく気を付けるように言い聞かせておかないといけないな。

 優しい子だから大丈夫だとは思うが、念の為だ。

 葵自身じゃなくても、PKに奪われでもしたら大変なことになる。


「これで以上ですね。いやー、どれも私の力作です。大事にしてあげてくださいね」

「葵にはしっかり伝えておきます。それじゃあ、鋼心は一旦お返ししますね」

「はい、確かに。18時頃にバーリルへ行けば良いですっけ?」

「はい。何が起きるか分からないので、12時までに来てもらっても大丈夫ですよ」

「そうですねー……起きれたらそうします」


 鋼心を純白猫に返す。

 これは葵が純白猫に注文した武器だ。

 今日の送別会に純白猫も招待しているから、葵に直接手渡すそうだ。


 他の三点は俺からのサプライズプレゼントだから、突然渡して驚かす予定だ。

 今から楽しみで仕方がない。


 最後に、代金と集めておいた宝石を純白猫に渡す。

 代金は最初からそういう約束だった。

 材料は全て持つが、出来上がった品は買い取ると。


 宝石はお礼だ。

 徹夜を繰り返して作業してもらったことへの感謝の気持ちだ。

 恐縮されたし断られたが、どうぞどうぞと押し付けた。

 これからも葵の装備を作ってあげて欲しいからな。

 純白猫の腕が上がれば、この装備よりも強い装備もいつか作れる筈だ。


 その時の為に、純白猫には技術を高めておいてほしい。 



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