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外伝 CO-ROU・THE・CROSSOVER Ⅰ

クロスオーバー外伝です。

詳細は後書きをご覧ください。

※この話はパラレルワールドです

 一つの可能性としてお考えください


 カスタムパートナーオンラインが正式にリリースされてから一週間が経った。

 先行抽選による一万人のプレイヤー達は誰もがのめり込み、好評を博した。


 二次、三次に向けての宣伝の一環で、運営会社はネット抽選会の景品に、三日間の体験プレイを設置した。

 これは、とあるVRゲームプレイヤー達が、不思議な縁で出会うお話。

 どれもこれも、後から聞いた話なんだけどな。






 畑に宝石系の素材を砕いた粉を撒いたタマがこっちへやって来る。

 時刻は午前6時過ぎ。

 日課である畑仕事の真っ最中だ。


「モジャマサー、こっち終わったよ!」

「うん、ありがとう。ちなみに俺の名前はモジャマサじゃなくてナガマサな」

「モジャー!」

「逃げやがった……」


 今走り去って行った女の子は、タマ。

 俺の相棒パートナーだ。

 普通の意味じゃない。システム的な用語だ。

 大事な家族には変わりないけどな。


 我が家には恋人がいて、今頃朝食の準備をしてくれている。


 俺が居るのは≪カスタムパートナーオンライン≫というフルダイブVRMMOの世界。

 プレイヤーは沢山の種類の中から自分の好みの≪相棒≫を選び、更に好きに育成することが出来る。


 何年か前に一度頓挫した話題のゲームだ。

 つい一週間程前に、正式にリリースされた。


 とは言っても、俺達は普通にプレイしている訳じゃない。

 とある実験に誘われて、脳味噌だけを取り出されてコンピューターに直接繋がれている状態だ。

 対外的には≪βテスターのキャラデータをそのままNPC化したもの≫、通称βNPCと呼ばれている。


 俺達が名乗ってる訳じゃなく、運営の方針だ。

 だから区別がつくようにアイコンの色も違う。

 プレイヤーは緑、NPCは白、俺達βNPCは青、となっている。


 俺は現実世界が嫌になった。

 このゲームの世界でなら、楽しい第二の人生を送れると思った。

 だから実験に参加することを決めた。


 細かい制約は色々あるけど、どれも些細なことだ。

 俺はこうして、満喫出来ている。

 自分の手足を動かして、畑仕事をして、ミルキーの作った食事を食べて、狩りをして、会話をして、寝る。

 毎日が楽しくて仕方がない。


 今日の畑仕事は終わりだ。

 家へ帰ろう。


 帰宅すると、ミルキーが出迎えてくれた。

 スープの香りが漂ってくる。

 ゲームの世界だろうとお腹は空く。

 一般プレイヤーはどうか知らないが、俺達は食べておかないと脳が飢餓状態と勘違いして死んでしまうそうだ。


「おかえりなさい。朝ごはんの準備出来てますよ」

「お腹空いたからすぐ食べるよ。タマもお腹空かせてるみたいだし」

「お腹減ったモジャー……」


 リビングへ入るとタマが席について待っていた。

 その両手にはナイフとフォーク。

 準備万端だ。

 俺が帰ってくるのを待ってくれていたらしい。

 

「食べよう食べよう。いただきます」

「いただきます!!」


 両手を合わせて感謝の言葉を口にする。

 と同時にタマがすごい勢いで食べだした。

 俺も負けてられないな。

 というかぼーっとしてたらタマが食べつくしかねない。

 あっ、そのパンは俺のだぞ。


「おかわりならありますから、慌てなくて大丈夫ですよ」

「美味しいからつい」

「つい!」

「私は簡単なものしか作れないですよ」

「美味しいから大丈夫」

「大丈夫!」

「ふふ、ありがとうございます」


 他の人とこうして賑やかに食事をするのは楽しい。

 料理も美味しいし、最高だ。


「そうだ、ナガマサさん、今日お出かけしてきてもいいですか?」

「いいけど、何かあった?」

「ありがとうございます。葵ちゃんと一緒にお城へお出掛けする約束をしたんです」

「なるほど」


 葵というのは、中学生くらいの女の子だ。

 親子で実験に参加したが、父親の方は≪PK(プレイヤーキラー)≫に襲われて亡くなってしまった。

 縁があって一時的に預かることになり、それは今も続いている。


 俺は何も聞いてないと言う事は、来て欲しくないんだろう。

 女同士で積もる話もあるだろうし、邪魔したら悪そうだ。

 そっとしておこう。


「気を付けてね」

「はい、安全第一で行ってきます」

「いつ帰ってくる?」

「お昼から出掛けて、ストーレで一泊して明日のお昼ごろに帰ってこようかと思います」

「ん、了解」

「モジャあり!」

「あっ、俺のトマト!」

「おいしー!」


 


 朝食後はゆっくりしてから、昼までは色々作成して過ごした。

 今の俺の職業ジョブは≪創造者クリエイター≫。

 物を作るのに特化した職業で、念願の薬や装備を作成することが出来る。

 最近の趣味兼日課だ。


 昼からはタマと狩りに勤しんだ。

 俺達はステータスとスキルがとんでもないことになっていて、狩りも捗る。

 夕方まで休憩を挟みながら狩りをしただけで、しばらく遊んで暮らせるだけのお金が手に入る。


 素材なんかはプレイヤーが増えたからどんどん売れるしな。

 ただ、俺達のメインの狩場はレベルが高い。

 その分素材の質も高くなり、値段も高い。

 そこだけで狩りをしていると、売れにくくなって値下がりしてしまうかもしれない。


 初心者でも買いやすい素材でも集めるか。

 お金には困ってないし、あまり同じ景色を見ていても飽きてしまう。


「タマ、今日は久しぶりにストーレの森にでも行ってみないか?」

「森! 行く!」

「よし、決まりだな」


 夕方にはいつもの狩場を離脱して、ストーレの街へとやって来た。

 立ち並ぶ露店を物色しつつ、時間を潰す。

 お腹が空いたら酒場でご飯。

 そしてまた露店で装備やアイテムを眺める。


 安定した収入があるおかげで、最近は見た目重視の装備を集めるのにはまっている。

 気分で付け替えるが、あまり装備しない。

 なんか眺めてるだけでも楽しくて、満足してしまう。

 たまに仮面コレクションを被っていると、ミルキーを驚かせてしまうことがあるしな。


 今日の目的地はストーレの森。

 夜に行ったのは一回だけだった気がするからな。

 素材の性能もそれなりだし、久しぶりに行きたくなった。


 

クロスオーバーを募集されているところへ私が飛びついて、実現させて頂きました。

作品は烏妣 揺先生の「CO-ROU・THE・CHRONICLE〜虎狼忍術史伝〜」です。

URLはこちら「https://book1.adouzi.eu.org/n5108fh/」


同じVRMMOジャンルですが、忍者をテーマにしたゲームと、ヒロインと主人公の掛け合いが魅力的な楽しい作品です。

恐らく先生の作品の魅力を最大限発揮することは私では出来ないと思いますので、

少しでも興味が湧きましたら是非読んでみてください。


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