表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

134/407

129 お城ディナーと精算

本日一回目の更新です

※一部書き忘れていた部分を追加しました


 帰りもゴロウ達をおろし金の背中に乗せて、城へと帰還したすることにした。

 俺とタマは行きと同じく自分で空中を駆ける。

 だってモグラとゴロウがぐったりしてて、行きよりも面積が減ってるし。


 おろし金は日の下にいるとキラキラ光る。

 今は夕焼けを浴びて、燃えるようなかっこいい感じに輝いていた。

 バーストモードとかそんな名前が付きそうな程かっこいい。


「よく戻ったな、ナガマサよ。夕食の支度は出来ているぞ」


 訓練場に着陸すると、パシオンが出迎えてくれた。

 ミゼルの姿はない。

 ……あんな宣言をされたせいか、つい捜してしまった。

 地味に気になってるのか?


 俺達は前回と同じように夕食をご馳走になった。

 モグラとゴロウも加わって、いっそう盛り上がったと思う。

 俺はいつもの食事も美味しいと思うが、モグラ達は城での夕食に大はしゃぎだ。


 確かに、コース料理なんて現実世界も合わせて初めて食べた。

 マナーなんかを知らなくても許してもらえるのは、有難い。

 食器を自分で使うのはまだ慣れてないんだ。


 夕食の様子だが、モグラは明るいし話もうまい。

 ハイテンションで語られる冒険譚はついつい聞き入ってしまう。


 ゴロウはそんなに喋らないが、パシオンはすっかりにゃーこを気に入ったようで、毛皮の質感について語り合っている。

 どんな毛皮がミゼルに似合うかの話は、今はやめた方がいい気がするぞ。


 出汁巻玉子も会話に交じっている。

 今日も就業時間外のようだ。

 

「そういえばナガマサさん、これからの予定って決まってるの?」

「あまり決めてないですけど、そろそろ拠点が欲しいとは思っています。その為にはお金をもっと貯めないといけないので、しばらくかかりますけど」

「まあ」

「ほほう」


 モグラへの返答に対して、横からの反応が二つ。

 特に何かを伝えたいとかではなさそうだから、そのままモグラとの会話を続ける。

 ……なんか企んでそうなのが嫌だな。

 ミゼルの笑顔がパシオンそっくりに見えたのは、兄妹だからか?


「拠点かー。オレも欲しいけど装備を更新してるとお金が貯まんなくてさ。でも今日の素材で作ればしばらく更新の必要もないだろうから、お金貯められるかな」

「お互い頑張りましょう」


 雑談を続けていると、出汁巻がミゼルに何やら耳打ちされて部屋を出て行った。

 就業時間外とは何だったのか。


 食事を終えた俺達はマッスル☆タケダの露店へとやってきた。

 今日得たアイテムや素材を精算する為だ。


 精算というのは、簡単に言えば分配することだ。

 その方法も色々あるらしいが、分かりやすいのは誰か一人が一旦全部をお金に換えてしまって、それを人数で割ってしまうやり方だ。


 俺達はいつもこのやり方で精算している。

 ある程度レアなアイテムや素材が人数分あるならそれはそのまま配った方が早いが、それは臨機応変に好きにすればいい。


 今回はモグラとゴロウは素材のままで欲しいものが結構あったから、売らずに素材のまま分配することにした。

 いらない物や換金したい物は、各自でタケダに売ってお金にする。


 人数で割れる個数の物は均等に配って、端数は俺、タマ、ミルキーにという話に決まった。

 最初はモグラとゴロウとで分けてもらおうと思ったが、付き合ってもらったからと譲らないのでそうなった。

 俺としては楽しかったし、勉強にもなったから気にしなくていいんだけどな。


 それに、危うく死なせるところだった。


 いくら許してくれるといっても気は晴れない。

 お詫びがしたくて仕方がない。

 それでも二人は、頑なに受け取ってくれなかった。


 仕方ないから、今回は諦める。

 別の形で返そう。


 精算が無事に終わった。

 ように思えるが、まだ大事な話が残っている。

 それは、タマが単独で3層に行って拾ってきたものだ。


 ≪コイン:貝烏賊飯蛸≫と、その他素材。

 一緒くたにしても良かったんだけど詳細を言う前に、とりあえず別にしておいて、とモグラに言われてそのままだった。

 もうすっかり精算終わりな雰囲気だけど、これどうするんだろう。


「モグラさん、タマが3層で狩ってきた分はどうします?」

「ああ、ナガマサさん達だけで分けてよ。3層のやつはオレ達何もしてないし、行ってすらないんだから」

「俺は気にしませんよ。タマとミルキーは?」

「いいよー!」

「私も大丈夫ですよ」

「いやいや」


 稼ぎたがってたしこれも均等に分けたらいい。タマとミルキーも反対しないし。

 それでも、モグラは首を横に振った。ゴロウも同じ意見のようだ。


「流石に関係ない部分のドロップアイテムまでもらっちゃうのはね。さっきの分を均等に分けるだけでも申し訳ないのに」

「そうそう。あれだけでも俺からすると十分過ぎる稼ぎですしおすし」

「そうですか……分かりました」


 ちなみにMVPボスのコインもあるとしっかり伝えても、二人の考えは変わらなかった。

 有難くこっちで分けよう。

 と思ったら、ミルキーにも好きにしろと言われてしまった。

 タマが狩ってきた分だからと、モグラ達と同じ意見だった。

 うーん、使い道はまた考えよう。


 これで今度こそ、精算が終了した。

 必要な素材もそんなに無かったし、少しだけ残してほとんどをタケダに買い取ってもらってお金にした。

 モグラにも言ったように拠点を買う費用を貯めるんだ。


 それで、拠点ってどこで買えるんだろうか。

 モグラに聞いてみると、商人ギルドで探すことが出来ると教えてくれた。

 流石モグラだ。詳しい。


 これで今日の狩りも終わりということで、解散になった。

 モグラとゴロウには感謝されたけど、俺も楽しかった。

 ミルキーはどうだったか分からないが、そこは俺がきちんとお礼をしておこう。

 モグラとゴロウはタケダと三人で飲みに行くらしく、夜の町へと消えていった。


 俺もタマとミルキーの三人で酒場へ行くことにした。

 お酒はそんなに飲むつもりはないけど、なんだかまだ話したりない気分だった。


 1時間程楽しくお喋りをした後、ミルキーを宿屋へ送って一日が終わった。


 明日はのんびり拠点探しの予定だ。

 面倒だろうし俺とタマだけで行こうかと思ったけど、誘ってみたらミルキーも付き合ってくれるそうだ。むしろ楽しみに見える。


 良い物件があると良いな。

 お金はまだそんなに無いから、下見だけになると思うけど。



ここで一区切りとなります。

作者のモチベーションにも繋がりますので、もし気に入って頂ければ、最後まで読んでなくても構いませんので、お気軽に感想を残してみて下さい。

評価のボタンは最新話のページにありますので、良ければそちらもお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作始めましたので、こちらもよろしくお願いします!
友人に騙されたお陰でラスボスを魅了しちゃいました!~友人に裏切られた後、ラスボス系褐色美少女のお嫁さんとして幸せな日々を過ごす私が【真のラスボス】と呼ばれるまで~
面白いと感じたら、以下のバナーをクリックして頂けるととても有難いです。 その一クリックが書籍化へと繋がります! ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ