236話 コンビニでコーラを買う程度の気軽さ
庭野環希
@tamakiniwano
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庭野環希@tamakiniwano - 2028年4月4日
❀祝!ホールインワン!❀ やったね! (∩´∀`)∩ばんじゃーい!
コースデビューでいきなりホールインワンを達成!
トータルスコアも2オーバーの74で回ることができました♪
レディースティーからだけどw
もしかして私ってゴルフの才能もあるとか?
テニスを引退したら、ゴルフ選手にでも挑戦してみようかしらん?
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※※※※※※
マイアミ国際空港
「カールお爺ちゃんとヨーコお婆ちゃんとエミリー伯母さんに、よろしく言っておいてよね!」
「ああ、9月の全米オープンには、ニューヨークで再会できるだろうよ」
私の父方の実家である、シュレジンガー家との親睦も深めたので、日本へと帰国することにしました。
シュレジンガーの家はそれなりに居心地も良かったけど、来週からは学校も始まるので、あまり長い間滞在するわけにもいかなかったんだよね。
それで、シュレジンガー家の三人は忙しいので、空港への見送りはサナダさん一人だけになります。
「シンシナティかオリンピックに出場した場合のロスではないんだ」
「あれでもなにかと忙しいから、シンシナティはたぶん無理だろうな。ロスはタマキのオリンピック出場が決まったら、予定を調整して応援に駆け付けるかもな」
でも、オリンピックに関しては、まだ何も決まってないんだよね。
それと、家業が忙しいのなら、サナダさんも少しは実家の仕事の手伝いでもすればいいのにとか思わなくもない。
「オリンピックの話って、麻生さんは何か聞いてる?」
「こちらからはアプローチしてませんので、ITFか日本の協会から出場の打診がくるのを待っている状態なりますね」
「ランキング17位の私をほったらかしとは、協会も何を考えているのやら……」
そう、マイアミオープンを優勝したことによって1000Pを稼いだので、私のランキングポイントは合計で2560Pとなり、ランキングも17位へと順位を上げることになったのです。
トップ10入りも、あと500Pぐらいと目前に迫ってまいりました!
WTAのツアー最終戦であるファイナルズに出場できる、トップ8入りまでに必要なポイントも、あと1000Pぐらいでしょうか?
このまま順調に行けば、どうやらファイナルズには出場できそうな感じがしますね。
まあ、他の選手やマスコミやファンから、生意気だとか思われて反感を買いそうだから、あえて口に出しては言わないけどさ。
ええ、私にもそれぐらいの分別はつくのですよ。たぶんだけど。
グランドスラムで複数回優勝して、世界ランキング一位に君臨すれば、多少傲慢でも許されるのでしょうけど、それまでは謙虚に猫を被っておきましょう。
ちゃんと、猫を被れているよね?
でも、あまり自信ないなぁ。
にゃーお。
「環希ちゃんはオリンピックに出たいのですか?」
「私はどっちでもいいかなぁ? 出場を打診されたら出てもいいかなぐらいの軽い気持ち?」
「わかりました。こちらサイドとしては現状を維持しておきますね」
「おっけー、それでお願いします」
オリンピックの直ぐ後には全米オープンも控えていることだし、夏の暑い盛りなのにオリンピックに出場したら、過密日程で体力を余分に削られて全米オープンの前なのに消耗しちゃうしね。
だから、オリンピックへの出場は正直に言って、あまり出たくない。これが本音ではあるんだよね。
つまり、私の優先順位は、グランドスラム > オリンピックということになります。
それはそうと、シカゴ行きの便の出発まであと30分程度だから、ラウンジに寄ってゆっくりとお茶をする時間はなさそうですね。
そう、一旦シカゴに飛ぶということは、マイアミから日本までの直行便が無いということです。
東京~マイアミなら旅客需要も、それなりにありそうな気もするんだけど、アメリカ各地からの乗継便で事足りているから、マイアミの直行便がないのかな?
それで、なんでシカゴ経由の便を選んだのかといえば、時間帯と価格でベターだったんですよね。
マイアミ発がお昼過ぎだから、午前中に慌ただしくバタバタとしないで済むし、飛行機のチケットのお値段も、ファーストクラスでも14,500ドルと安かったんですよね。
シカゴ経由は、ビジネスクラスでも1万2千ドルとかしたので、ファーストクラスと大して値段が変わらなかったので、マイアミオープンで優勝したご褒美も兼ねて、今回は奮発してファーストクラスにしてみました!
さらに付け加えれば、我が家が株を多数保有しているアナ便のチケットなので、株主優待で10%の割引が効くのであります。
つまり、実費で支払ったのは、13,050ドルということになります。
まあ、麻生さんの分のチケット代もあるから、倍の値段払ったんだけどね。
なんだか、段々と金銭感覚が麻痺してきたと感じる、今日この頃であります。
だけど、日本への帰国便のファーストクラスのチケット代ですら、今回のアメリカ遠征の二大会で稼いだ賞金とボーナスの、僅か0.4%程度の金額にしかならないんだよね。
うん、2万6千ドルが0.4%分とか、私の金銭感覚がおかしくなったとしても、なんら不思議ではないわな。
だが、しかーし!
この2万6千ドルのチケット代を払ったのは、私ではありません。
そう、私と麻生さんがタブレットを見ながら、どの便で日本に帰国しようかと飛行機の時間やチケット代を比較して、あーでもないこーでもないとやっていたら、カールお爺ちゃんが首を突っ込んできたんですよ。
私が説明すると、カールお爺ちゃんが可愛い孫である私のために、『これぐらいはさせてくれ』と、気前良くポンっとファーストクラスのチケット代を支払ってくれたんですよね。
ママのお爺ちゃんも、何度も飛行機代を気前良く出してくれているし、やはり持つべきはお金持ちの祖父母というのが、実感できた瞬間でした。
お礼に、カールお爺ちゃんをギュッとハグをしてあげたら、目尻を下げてデレていました♪
ふっ、ちょろい。
ジジイキラー庭野環希と呼んでくれたまえ。
まあ、シュレジンガー家からしたら、2万6千ドルも260ドルぐらいの感覚なのかも知れませんね。
26ドルか下手したら、2ドル60セントなのかも知れないけど……
さすがに、2ドル60セントということはないかな?
でも、太平洋横断という超長距離フライトなのに、コンビニでコーラを買う程度の気軽さでプライベートジェットを勧めてくるあたり、2ドル60セントぐらいの感覚が正解なのかも知れなかったわ。
アメリカのセレブって半端ねーわ。
そう、やはりと言うべきなのか必然と言うべきなのか、当たり前のように持っていましたよ、プライベートジェット!
カールお爺ちゃんってば最初は、『プライベートジェットを使うか?』とか聞いてきたんだよね。
もっとも、資産が70億ドルもあったら、プライベートジェット機を保有していたとしても、なんら不思議ではなかったのでしたね。
まあ、シュレジンガー家の豪邸を見た瞬間に、たぶん持っているんだろうなぁ。そう薄々と感じてはいたんだけどさ。
一応、どの機種を保有しているのかと聞いてみたところ、日本まで直接飛べるのは、ガルフストリームのG700とG800の二機があるとのことでした。
二機も持っているんかい!
そうツッコミを入れた私は悪くありません。
その二機以外にも、アメリカ国内とカナダやカリブとかに行くのに使用する、中距離型のG400とG280も三機づつ所有しているとのことです。
八機も持っているんかい!
そうツッコミを入れた私は悪くありません。
ちなみに、G280はインディアンウェルズからマイアミまで来るのに搭乗した、サイテーション・ロンジチュードと似たようなスペックの機体になります。
というか、所有しているプライベートジェットは全部ガルフストリームなのね。
なにかビジネス上の繋がりや、しがらみがあるのかな?
あと、同じメーカーの機種で揃えると、調達コストやメンテナンスコストが複数のメーカーの機種を揃えるよりも、多少安く抑えられるというのもあるのかも知れませんね。
それで、この八機のプライベートジェットは、ホテルのスイートルームに宿泊する上客で希望する人に、有料だけど割安な価格での送迎サービスに使用しているそうなのです。
飛行機を一回飛ばすだけで、運行経費で数万ドルとか掛かるから、さすがにタダというわけではなかったのね。
また、飛行機の予約が空いてる場合は、シュレジンガーリゾートの上級管理職の人が、ビジネスで使っているみたいです。
シュレジンガーリゾート、半端ないわ……
そういえば、サナダさんはビジネスジェットじゃなくて、プライベートジェットと呼んでいたような気がしましたね?
つまり、アレはこういうことだったのか。
しかし、プライベートジェットでマイアミから日本まで飛ぶとなると、燃料代だけでも5万ドルとか掛かりますし、さすがにプライベートジェットで帰国するのは、まだ私には分不相応だと遠慮してお断りしておきました。
まあ、本音を言えば無茶苦茶、ガルフストリームG700かG800に乗って日本に帰りたかったですけど。
カールお爺ちゃんのお言葉に甘えておけば良かったのかも知れないと、かなり後悔もしています。
でも、プライベートジェットに慣れてしまったら、もう普通の旅客機には乗れない身体になりそうなので、涙を堪えて今回は自重することにしました。
贅沢は人間を堕落させるんや……
だけど、私がグランドスラムで優勝して人気が爆発しちゃって、空港とかでファンに揉みくちゃにされるとかになるのであれば、安全面も考慮してプライベートジェットを使わせてもらおうかな?
そんなこんなで、シカゴ経由のアナ便になったというわけなんですよね。
それと、ファーストクラスのチケットでいえば、フランクフルト経由のルフトハンザが約9,000ドルと一番安かったんだけど、8時間以上も余分に時間が掛かるし時差の関係もあって、フランクフルト経由の便は見合わせることにしました。
アメリカからヨーロッパや中東を経由して、日本に戻るとなると、短時間で時差ボケを二度も経験する感じになるんですよね。
いくらなんでも、さすがにそれは厳しすぎます。
ということで、私のスポンサーだからタダで搭乗できる、エミレーツのドバイ経由の便も今回は諦めることになったのです。
ドバイで12時間以上のトランジットを食らっちゃうし、二度の時差ボケもあるから、残念だけど仕方ないよね。
「じゃあ、サナダさんとはマドリッドで落ち合うということで、また三週間後だね」
「いや、俺も来週には、日本に行く予定にしているんだが?」
は?
それは初耳だったよ。
サナダさんは、一体にナニをしに日本にくるつもりなんでしょうかね?
飛行機の話になると筆が進むという…




