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我らダンジョン攻略部〜もしも現実世界にダンジョンができたら〜  作者: 一日千秋


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83話 受理された2つ目の経済特許

今回は少し説明が多い長文になりますがご了承下さい。



俺たちは20階層から次の階層に進もうと宿で最後の準備をしていた。




ピロンッ


突然トシくんが驚く。

「うわっ!」



「トシ、どしたッ?」



「あ、えっと今、契約魔法の通知きた!」



「え、今回受理まで早くないか?」

俺は驚きながら聞いた。



「確かに!なんでだろうね。」




前と同じようにトシくんの目の前には半透明のウィンドウが現れた。


《契約魔法により、申請していた経済特許が受理されました》




〜〜〜〜〜



【契約魔法文書 商人ギルド特許申請書】


本書は、商人ギルドが管理する契約魔法陣により効力を発する正式文書である。

以下、権利者トシサトウの名のもとに特許申請が行われ、魔法的拘束力を伴って記録される。


第一条 特許受理の通知


一、申請された特許は、商人ギルドに登録され、受理の際には契約魔法を通じて権利者へ自動通知が行われるものとする。


第二条 権利の帰属


一、本特許に関する一切の知識・技術・術式・魔道具構造は、権利者トシサトウに帰属する。

一、権利者の許可なき複製、転用、模倣を禁ずる。


第三条 使用料


一、本特許に基づき技術・術式・システムを利用する個人、商会、ギルド、または国家組織は、権利者へ利益の三割を売上として納めなければならない。

一、支払いを怠った場合、契約魔法が発動し、未納者へ自動的に請求刻印を付与する。


第四条 魔法的保護


一、本特許権は、いかなる干渉魔法・改竄魔法・精神操作による妨害を受けない。

一、違反を試みた場合、契約魔法が自動的に証拠を記録し、商人ギルドへ通達される。


第五条 権利の適用範囲


一、本特許の効力は 本ダンジョンおよび全てのダンジョン内部においてのみ発揮される。


第六条 契約の永続性


一、本契約は権利者が破棄を宣言しない限り効力を保つ。

一、権利者死亡時は、魔法陣に登録された後継者へ自動的に継承される。


第七条 誓約


一、権利者および使用者は、本契約に刻まれた魔法陣に魔法文字を用いて署名する。

一、誓約がなされない場合、本契約は発動しない。





【経済特許の内容】

特許内容:魔力変換型収益循環術式

ポイント・コンバートシステム



第一章 術式の構造と根幹原理


本術式は、対象者が摂取したカロリーおよび魔力を

体内活動(運動・鍛錬・身体活動)により燃焼させた際に生じる余剰魔力を、

余剰魔力供給転写術式により抽出→

身につけている魔石に転写→

魔力転送術式により本部の魔石に余剰魔力を転送→

魔力結晶化 →

経済価値(通貨・ポイント)へ変換するための変換術式である。



変換の基本式は以下の通りとする。


摂取魔力→活動魔力→余剰魔力→魔力結晶→価値換算


術式は対象者の装着品へ刻印として付与され、痛覚・負担・副作用の一切を伴わない。



第二章 対象行為の記録と計測


本術式が価値換算を行う対象は身体活動全般と定義する。

※例示:ランニング・筋力訓練・武術訓練・舞踊・仕事中の肉体運動・探索活動など


活動強度・消費魔力量は以下の三指標によって自動算定される。

1.体温上昇値

2.心拍変動値

3.筋収縮量


運動量が多いほど付与ポイントは増加し、運動以外の行為(睡眠・静止・飲食・魔法行使など)では一切ポイントを獲得できない。



第三章 魔法陣によるバランス調律レギュレーション


本術式は過度な疲労・危険行為・不健康な行動を防ぐため、魔法陣による調律レギュレーションを自動で行うものとする。


・過度の活動による負荷は魔法陣が自動減算

・短時間での急激な過度ポイント獲得は無効化

・危険運動・自己破壊行動からは一切のポイント算出禁止


労働・拷問・強制運動でポイントを稼ぐことは不可能であり、術式は常に「本人の意思による健全な活動」のみを認証対象とする。



第四章 詐欺・不正行為に対する検知と排除


本術式は、不正を防止するために下記を自動処理とする。


・魔法による偽装心拍、偽装筋活動→全て検知し無効

・術式刻印の干渉、改変、偽造→100%検知

・ポイントの不正転売、交換、複製→実行した時点で消滅

・術式妨害、遮断魔法→効果を自動無効化


加えて、第三者の代理運動、代理稼ぎによるポイント取得は禁止行為とし、術式は対象者の魔力反応により本人性を常時確認する。




第五章 特許権の保護


・権利者トシサトウに全権利がある

・使用者は売上の三割を支払う

・魔法妨害は全て無効化

・効力はダンジョン内部限定




〜〜〜〜〜





「フッフッフッ。これであの商品と連携させて商会を動かし始められるよ!楽しみだ」


トシくんは不気味な笑顔でそう言った。



てっちゃんは苦笑いしながら返答する。

「トシの笑顔が怖い。絶対ヤバいやつだろ!」



「確かに。」

俺も淡々と頷くのであった。




「我が計画を刮目せよッ!!」





〜〜〜〜〜




【サトウ商会 事業計画書】


事業名:ハッピーチョコレート


使用特許:

①「魔力変換型収益循環術式ポイント・コンバートシステム」

②「経済循環術式 無限連鎖講インフィニティ・チェーン



第一章 事業理念


サトウ商会は、

「甘さが幸福を、活動が富を生む世界」を創造することを目的とし、ダンジョン外より仕入れた最高級チョコレートを主軸とした

新世代経済モデル 《ハッピーチョコレート》 を運用する。


本事業は、

食べる喜び・運動する幸福・稼ぐ快感

の三要素を両立させ、加入者全員の収入と生活水準の向上を保証する。



第二章 ビジネスモデルの全体構造


本事業は、チョコレートのサブスク販売を軸に、

以下の二重術式により収益および報酬を循環させる。


①《基礎収益:無限連鎖講インフィニティ・チェーン


加入者は「ハッピー会員」となることで毎月チョコレートを受け取りつつ、一定額を出資。

その一部は 全会員へ均等還元ベースインカム される。


→ 加入しているだけで最低利益が発生する

→ 新規加入が途絶えてもベースインカムは維持される


②《活動収益:魔力変換ポイント・コンバートシステム》


ハッピー会員はチョコレートに付属する術式刻印アクセサリーを装着することで、運動や鍛錬などの身体活動によって余剰魔力を生み、ポイント(通貨価値)として報酬を獲得できる。


→ 食べても太らず、動くほど稼げる



第三章 会員特典 詳細


会員登録→チョコレート+ベースインカム

誰かを紹介→功績点が付与、加算報酬発生

運動、訓練、探索活動→余剰魔力ポイント発生

新規会員に支援、教育→功績点アップ

ダンジョン素材、物資取引→功績点アップ、加算報酬倍化



第四章 調律魔法陣による安全保障


利益追求が行き過ぎてシステムが壊れることを防ぐため、以下の保護措置を完全自動化する。


・過度な搾取、搾取型勧誘→報酬無効

・強制加入、強制運動→無効化

・不正魔法、偽装魔力→100%検知

・流通量の急増→係数調整し安定化


→ 「努力した人は爆発的に稼ぐ」

しかし「誰も損をしない」経済圏を保持



第五章 収益イメージ図


(甘い幸福)

チョコレートの購入

ベースインカムの循環

鍛錬、探索などの活動

余剰魔力の発生

ポイント、通貨換算

収入増加

(さらに幸福)


幸福→活動→収入→再投資→さらなる幸福という

正の経済スパイラルを永続させる。



第六章 ブランディング


・会員の愛称:ハッピーズ

・キャッチコピー:

「食べて、動いて、稼ごう!すべての幸福がひとつになる」


・初回特典:

魔力循環刻印ブレスレット+

ハッピーチョコレート×20粒


・上位ランク会員(功績点による自動認定)

→ ゴールドチョコレート

→ クリスタルチョコレート

→ ダイヤチョコレート



サトウ商会は、《甘さで世界を支配する》

新たな経済革命の中心企業となる。



〜〜〜〜〜



「トシくん、、、幸福のなんちゃらって宗教法人とかは作らないよな?平気だよな?」



「さすがに宗教には手を出さないよ(笑)」



「お、俺はいつまでもトシに付いてくぜっ」




俺たちはトシくんの凄さを改めて実感したのであった。



そして、先程の事業計画書は商人ギルドに提出してこれから準備していくことになる。




さぁ、またダンジョン探索を再開するぞ。



最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
チョコレートの仕入れをどうするのかがすごく気になる
余剰魔力を収集して結晶化するんなら副作用で魔力感知的な索敵手段に対してステルス性を発揮しそう。もしそうなら冒険者必須になるんじゃね?w
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