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我らダンジョン攻略部〜もしも現実世界にダンジョンができたら〜  作者: 一日千秋
ダンジョン創世編

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77話 ルイーズ、渡仏する



ウチは浜田ルイーズ!


フランス人のお父さんと日本人のお母さんを持つダブルなんだけど、生まれも育ちも日本だからもうほぼ純ジャパじゃないかな!



挿絵(By みてみん)



 

高校1年生になって、まだ慣れない制服の襟を直しながら通っていた4月下旬、世界中にダンジョンが現れた。もうビックリしちゃった!



突然テレビは特番だらけ、学校では先生たちも半分パニック。

でも、真っ先に騒ぎ始めたのはお父さんだった。



「ルイーズ、これはビジネスチャンスだよ。フランスでダンジョン関連の企業を立ち上げる。あっちの方が特に顔が効くんだ、だから僕が行かなくちゃ」



お父さんはそう言ってスーツケースを二つ広げ、あっという間にフランスへ単身赴任。



ウチはちょっとだけ寂しいけど、、、でも、ダンジョンのこと、ウチだって興味はあったんだ。



ウチの好きな漫画は少年漫画寄りの異世界転生ものだし、剣とか魔法とかダンジョン攻略とか、そういうの読んでると心が熱くなるんだ。



だから、高校の異世界漫画研究部に入ったのも自然な流れだった。



しかも、その部活の先輩たちは、本当にダンジョンに入っていた。



防具やら武器やら、楽しそうに語り合っていて、ウチもワクワクした。



いいなぁ、、、ウチも早くその世界に近づきたいな。



そんな気持ちが募った夏。



ウチは高校生になって初めての夏休み、フランスにお父さんへ会いに行った。





空港で再会したお父さんは相変わらずテンション高くて、前よりちょっと探索者みたいな雰囲気すらあった。



「ルイーズ、来てくれて嬉しいよ!ダンジョン関連の事業は軌道に乗りそうだ。最近、装備の開発にも力を入れているんだ、見ていくかい?」



「え!いいの!?もちろん、見たい!ウチ、お父さんにダンジョンのこといっぱい聞きたい!」


ウチのテンションは爆上がり!



案内された会社の研究フロアには、ダンジョンドロップの武器や牙や角などの素材が置かれ、研究されていた。



漫画みたいな光景に胸が高鳴った。



そして、質問も止まらなくなる。



「ダンジョンの敵って強いの?」


「防御力って装備でどこまで変わるの?」


「スキルって本当に存在するの?」



お父さんは全部ちゃんと答えてくれた。研究資料を広げながら、危険性やルールまで丁寧に。



「ルイーズ、君がダンジョンに興味があるのは知ってる。でも命が一つというのは忘れてはいけないよ」



「わかってるよ。、、、でもウチ強くなりたい」



そう言ったら、お父さんは少し黙ってから、笑ってウチにケースを差し出した。


「じゃあ、これは君に。試作品だが、日本に持ち帰っていいよ」


ケースを開けた瞬間、ウチは息をのんだ。



そこには戦闘服や探索に必要な備品の数々が入っていて、さらに、握っただけで反応するコンパクトな護身用のナイフなどの武器も入っていた。



「お父さん、、、こんなん渡されたら、本気でダンジョン行きたくなるじゃん」



「その覚悟が本物なら、止めない。だが焦る必要はない。まず知識、そして戦略だ」




夜はお父さんと外食。


「ウチの部活の先輩がダンジョンにもう潜っててさ、すごいんだよ!ホント!てっちゃんねるって知ってる?」


「え、確か日本で有名なダンジョンYoTuberだよね?先輩なのかい?凄いじゃないか」



「そうなの!だから部活で探索の訓練とかしてもらうつもりなの!」



「それなら少しは安心だよ」



フランスの街を歩きながら、ウチは心の中でずっと考えていた。



異世界漫画に憧れるだけじゃ終わりたくない。ウチにもできること、きっとある。



宿泊中、装備の手入れを教わり、ダンジョンの資料を読み込んで、眠気と興奮で頭がぐるぐるだった。



そして最終日の朝。飛行機に乗る前、お父さんがウチの肩に手を置いた。



「ルイーズ。危険を知ってなお目指すなら、それはもう遊びじゃない。君ならできると信じてる」



「ウチ、強くなる。だから見てて」



その言葉を残して、日本に帰国した。



夏休みが終われば、また異世界漫画研究部が始まる。


先輩たちに会える。

ダンジョンの知識も話せる。


そして、誕生日が来たらウチもダンジョンに挑む。



胸の奥が、熱くて震える。



ウチの物語はここから始まるんだ。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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