67話 ファースでの用事
誤字脱字の訂正ありがとうございます!
こんな凄い機能がある事を初めて知りました。今後ともよろしくお願いいたします!
土曜の朝。
3人でダンジョンに入り、商人ギルドへ来ている。
トシくんが受付嬢へと話しかける。
「すみません。特許について詳しいことを伺いたくて来たんですがどこへ行けばいいですか?」
「はい、かしこまりました。ではこちらの魔石に手を当ててください。、、、はい、では、、、あっ!少々お待ちくださいっ!」
受付嬢は焦って階段を登り上の階に行ってしまった。どうしたんだろうか。
するとすぐにお偉いさんと分かる風貌の白髪のお爺さんを連れてきた。
「トシサトウ様、お待たせいたしました。こちら、商人ギルドのギルド長です。」
「わざわざご足労ありがとうございます。私、このファース商人ギルドのギルド長をしているグリムと申します。よろしくお願いいたします」
「グリムさんですね、サトウです。よろしくお願いします」
「では、早速ですが応接室が2階にありますのでこちらへどうぞ」
そう言われてグリムさんの後をゾロゾロとついていく。
「では、サトウ様改めまして、よろしくお願いします。質問などありましたら何なりとお聞きくださいませ。」
グリムさんは優しく、だが目の奥は早く話したそうなギラギラが見えた気がする。
「えーと、、少し前からものすごい数の通知音が聞こえるようになったのですがいったいこの街で何があったのでしょうか?」
「おお!サトウ様にも通知がいっているようで良かった!!これから詳しく説明いたしますね。」
「はい、よろしくお願いします」
「ではまず、こちらをご覧ください。これは今回、我々が計画した無限の第二経済圏の計画書になっております。」
〜〜〜〜〜
【計画書】
無限連鎖講制作者 トシサトウ殿
〜経済圏運用開始報告書〜
トシサトウ殿
あなたが開発・特許取得された
無限連鎖講を
我々、六都市商人ギルド連合は、ダンジョン内において正式に運用を開始いたしました。
本書では、稼働開始後1ヶ月間の活動報告を以下にまとめ、術式がどのように活用され、どのような価値循環が生まれているかを細部までお伝えいたします。
内容は以下の通りです。
■一、経済圏名称
第二経済圏インフィニティ・ドメイン
(運用主体:六都市商人ギルド連合)
各都市:
1.ファース(中心都市)
2.ソルド
3.パルマ
4.カース
5.エイン
6.トラギア
現在、総加入者19,240名(冒険者・工匠・農民・商人・他)
■二、始動後に開始された主要事業
以下は、基礎経済を安定させつつ、加算報酬を最大化するために立ち上げた実体価値を持つ事業です。
①美容事業:ダンジョン美容連盟
(ファース商会・ソルド美容会共同)
・魔物素材を活用した高濃度美容液ルミナス・ジェルの開発
・ダンジョン特産の光花草を使った蒸気エステ
・美容訓練所の開設(加入者の育成支援で功績点が加算)
功績点の動き:
商品開発や育成指導が高く評価され、初月で累計42万スコアを獲得。
②不動産、都市開発:ダンジョン住域整備
(パルマ・エイン共同)
・ファース郊外に住宅区画セカンド・リングを設置
・魔法灯・水回路の整備
・移住者支援センターを開設
功績点の動き:
新区画開発と生活基盤整備が持続的にスコアを生み、累計58万スコア。
ベースインカム受給者の不安定性が著しく減少。
③食品、物流:ダンジョン食料供給網
(カース・トラギア共同)
・モンスター肉の衛生加工技術の標準化
・迷宮内農場の支援
・第二経済圏専用の食料保管庫を建設
・食糧流通の大部分を経済圏内で完結
功績点の動き:
物流の最適化と安定供給により、一ヶ月で73万スコアを突破。
※食料の安定はベースインカムの安全性に直結し、
第二経済圏の評価向上に大きく影響。
④技術、研究:インフィニティ技術評議会
(六都市共同)
・魔物素材の新用途研究
・魔法器具の量産
・術式理解の講習会の開催(加入者育成で加算)
・各都市に研究拠点を設置
活躍した研究者たちはスコアの跳ね上がりにより、
実質一ヶ月でダンジョン中位層の準富裕層へ移行。
ただし、調律魔法陣が自動的に格差を緩和し、富の偏りは過度には発生していません。
■三、調律魔法陣の自動調整の記録
稼働一ヶ月で、調律魔法陣による制御は以下の通り:
・不正行為45件→全て自動無効化
・過剰搾取認定15件→係数調整により減点処理
・過剰富裕層の成長速度→抑制ではなく緩和
これにより、経済崩壊の兆候は一切なし。
流通量と価値は安定して推移。
■四、第二経済圏の数字で見る成果
▼一ヶ月間の経済活性度
・総流通量:前月比+38%
・新規事業数:28件
・加入者満足度:83%
▼ベースインカム(基礎報酬)の影響
・極度貧困層が実質ゼロに
・加入者の生活水準が平均15%上昇
▼加算報酬の影響
・上位貢献者の収入は青天井だが、調律魔法陣が市場を壊さずに制御
■五、今後の展望(次の三ヶ月)
1.美容・不動産・食品を柱とした商会統合
→ 3大商業ギルド連盟の設立へ
2.冒険者向けの保険制度を開始(ベースインカム補助)
3.魔物素材の新ブランド化事業
4.六都市間の通商ルートを完全自動化(魔法搬送陣)
5.千人規模の育成学院を開設
価値を生む者が報われ、生活保障は永続し、不正は排除される、この三本柱が盤石である限り、インフィニティ・ドメインは崩壊を起こしません。
■六、結語
無限連鎖講の術式は、六都市商人ギルド連合の手で完全に稼働し、成功を示し続けています。
基礎報酬による安定、加算報酬による活力、調律魔法陣による制御。
三つが完璧に噛み合い、
ダンジョン内部に永続する第二経済圏が形成されました。
トシサトウ殿が築いた術式は、今や約2万人の生活と夢を背負う国家級システムとなりつつあります。
今後も、術式の理念を損なうことなく運用し、その成長と進化を報告してまいります。
〜〜〜〜〜
「以上が報告となります。何か疑問点などありますでしょうか?」
「あ、、えー、、と、これ本当に1ヶ月でやったんですか??」
「はい、もちろんですとも!我々、商人ギルドはこのくらい朝飯前でございます!儲けるためですからね!もちろんこれは善意でございますよ!!ワッハッハッ!」
「トシくん、マジでヤバいもの作っちゃったな」
「トシ、億万長者じゃねぇか!よかったな!」
「何いってんの!サトウ商会の口座は一応3人の共同名義だからね!2人もお金持ちだよっ!」
「え!?マジかよ!トシでかした!最高!神様!ありがとう!」
「本当にいいのか?トシくん」
「当たり前じゃないか、2人には命預けてるわけだし、友達じゃないか!」
「トシくん、ありがとうな」
「サトウ様、今回この特許制作にあたってサトウ商会はダイヤモンドランクに昇格になりましたのでご報告させていただきます。指定口座は個人ではなく商会のもでしたので、そういう事になりました。急なご連絡で申し訳ございません。ですが商人ギルドとしては今後とも末長いお付き合いをお願いしたいと思っております。」
「そうなんですね、わかりました。今度もよろしくお願いします。」
こうしてこの騒動の内容も把握できたし、一件落着という事で、まずは銀行へ3人で向かおうと思う。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
よろしければ評価やコメント、ブックマークをお願いいたします。




