57話　闘技場にて

よっしゃ、じゃ闘技場いくか。

前回、この街に来てあのチンピラが声かけてくれたおかげで闘技場にハマりそうだ。

あの条件設定ができて死なないというのも日本人的には安心できる。

それで思いっきり戦えるとなると男はやらないはずないだろ。

と、いうことで2回目の闘技場に着いだぜ。

受付を見ると対戦相手と一緒に並んでる列と1人で並んでる列の二つがあるので1人の方に並ぶ。

今回は前よりなんか混んでるな。

前の人達の会話を盗み聞きしていると、なんかランキング戦ってのがあるみたいだ。

え、待って、、オラ、ワクワクすっぞ！

早速順番が回ってくると、俺は受付嬢にランキング戦をやりたいと申し出た。

「では、こちらの魔石に手を当てて下さい。そして、この魔法契約書を読んでから、サインをお願いします。」

え、文字読めるのか？俺。

「あ、あの、、、すみません。これ読んでもらってもいいっすか？」

読めなかった。つらすぎる。

「それでは、闘技場ランキング戦における魔法契約書の規約をご説明いたします。まず、本闘技場には三つのランキングが存在いたします。

一つ目はこの街だけで完結するファースランキングでございます。

二つ目はこのダンジョン内部の街での戦績のみで評価されるダンジョンランキング。

そして、三つ目は、他のダンジョンの街を合わせた成績をすべて統合した総合ダンジョンランキングでございます。

いずれのランキングにおきましても、規定順位の三位以内に入られた場合、より上位のランキングへと昇格していただくことができます。」

受付嬢は視線を下げ、契約書のページをめくりながら淡々と続ける。

「次に、試合の終了条件についてご説明いたします。本ランキング戦では、勝敗は死亡によってのみ決定されます。

ただし、どうかご安心くださいませ。当闘技場の魔法陣が発動いたしますので、他の試合と違って本ランキング戦だけは選手の方が試合中に死亡された場合でも、身体は即座に再構築され、控え室へと転移されます。

実際に死亡することは決してございません。

純粋に、戦闘の結果だけを評価するための制度でございます。また、本ランキング戦の戦闘ルールはなんでもありの戦闘となっております。」

彼女は小さく息を整え、さらに続ける。

「勝利された場合には、その試合の観客から寄せられたチップの総額をもとにファイトマネーが算定され、お受け取りいただけます。

敗北された場合はランキングが規定値に従って下降し、あわせて参加費の一万Dコインは没収となります。なお、参加費は試合ごとに発生いたしますので、ご留意くださいませ。」

受付嬢は最後のページを差し出し、やわらかく微笑んだ。

「以上が規約の内容となります。

問題がなければ、こちらの魔法契約書の最下段にサインをお願いいたします。」

「問題ない！これ文字はここの字じゃないけど平気か？」

「はい、自分の名前と一致している文字でしたら問題ありません。」

「わかった。ありがとう。」

俺はそこに漢字で山田哲也と書いた。

すると書いた文字が一瞬光る。

「ではこのあとランキング戦に参加する場合は参加費の一万Dコインをお支払いお願いいたします。」

俺は収納からコインを出すと受付嬢に渡す。

「はい、承りました。では控え室でお待ちください。」

控え室に案内されると、前に来たことのある控え室とは別のもう一回り小さい控え室で椅子に座り、試合を待つ。

するとすぐにウィンドウが目の前にでた。

ファースランキング戦

124位の相手と試合いたしますか？

YES NO

当然YESを選択する。するとすぐさま闘技場へと転移した。

目の前にはそんなに強そうに見えない小柄の男が双剣を持って待ち構えていた。

『ファースランキング戦始まるぞぉ！今回は124位デニスvs129位テツヤヤマダだぁ！！

それでは戦闘開始だぁ！！！スタート！！』

MCの合図によって戦闘が始まった。

俺は一気にスピードを出して、ナイフを収納から出し、投げながら敵に迫っていく。相手がナイフを弾く瞬間に隠密と消音を使い横に飛ぶ。

すると、相手は俺を見失いキョロキョロし出したのだ。

もうその時には俺の位置は敵の後ろにあり、目の前にある無防備な首にナイフを一閃する。

ブシュッ

相手がその場に倒れると魔法陣が生成されていき、すぐに相手の身体は消えていった。

『一瞬で決着だぁぁ！！！！！勝者ぁテツヤヤマダァァ！！』

まだ余裕で上に行けそうだな、あと何試合かやってくか。