4話 vsゴブリン
グギャグギャッ
ゴブリンは想像以上に醜悪な見た目をしている。
皮膚は緑色をしていて、身長は小学生の低学年くらいはあり、腰布と小さな棍棒をもっている。
初の人型モンスターとの戦闘だ。
まずは様子をみる。
ゴブリンは走って近寄ってくるが身体能力は運動神経のあまり良くない子供と言ったところか、辺りが少し暗いのでスキルがない状態では思っていた以上に厄介かもしれない。
俺は鉄壁があるため、油断しやすくなるはずなので普段からしっかり警戒を怠らないようにしなければいけない。
今後深い階層にいくとなると少しの油断が命取りになるはずだ。
まずは目の前のゴブリンを倒す。
バールを大きく振りかぶってゴブリンの頭部を強打した。
すると水風船が割れた時のように一瞬で青い液体が散らばりながら頭部が割れた。
すぐに黒い霧になり消えていったが倒した時のスイカ割りをした時の振動みたいな感覚と飛びちった液体の臭いや生温かい感覚は残っていた。
「ぅ……」
気持ち悪い。そりゃそうだよな。
慣れよう、今後ダンジョンに潜るためには通らなきゃ行けない道だ。今日倒しまくる。
「マサトくん大丈夫?」
「うん、もう大丈夫。これから慣れていくよ」
「次は俺がやってみる、注意点とかあるか?」
「そうだなぁ、感覚は普通にあるからなるべくシンプルに倒すのがいいと思う、あんまり時間かけるとメンタル的にはキツイかも。」
また数分歩いていると1匹のゴブリンと遭遇した。
次はてっちゃんがゴブリンと戦っていく。
てっちゃんは隠密とスピードを活かして後ろに周り後頭部をトンカチで強打する。
俺の時とは違って一発で破裂することはなく、一発目で倒れたゴブリンはまだ動いていてそこに追加で二発の強打で倒すことができた。
「これ、想像以上にきついな。しかも意外と倒せない。」
「確かに三発だったね、僕は力が2人よりないからもう少し苦戦しそうだな。でも次戦ってみるよ」
そう言ってゴブリンを探し、戦ったが六発と結構回数を必要としてしまっていた。
だが、意外とトシくんは気持ち悪いという事はなく、なんでも父親が警察で小さい頃からミステリーや刑事物を見ていたらしく、グロイ写真や映像は見ていたそうで慣れていたらしい。
やはり慣れというのは大事だな。
それから俺らは2階層をひたすらゴブリンを倒しながら進んだ。また、ゴブリンから出てくる魔石はスライムよりほんの少しだけ大きかった。
そして、奥に進むごとにゴブリンの数は増えていき、3匹までは1人一体倒すだけでよかったがその後からは誰かが2体倒さなければいけなくなってしまったので俺とてっちゃんが2体、トシくんが1体で対応していった。
「あれから2時間以上戦いっぱなしだったからか、俺は結構慣れてきたけど2人はどう?」
「俺ももう大丈夫だ!ガンガンいけるぜ!」
「僕は割と初めから大丈夫だったよ!」
「じゃあ辺りを警戒しながらステータス確認してみるか」
そう言ってみんなで確認をした。
ステータスを見てみるとレベルが2上がってLV.3になっていた。
4,5時間くらい戦って3レベか、上がり幅はそんなに良くなさそうでしっかり戦って経験値獲得していくしかないか。
てことはスキルが重要みたいだな。
と、スキルの書いてある下の方を見てみると新しいスキルが増えていた。
棒術Fとあった。Fが1番下かな?SSからFだと8段階評価なのかな?そしてこれランクも上がっていくのか?
んーまだわからない事だらけだ。
2人にも確認したら同じく棒術Fが増えていたみたいで、みんな鈍器を使っていたからかな?とこんな感じで落ち着いた。
スキルがしっかり増えることも確認出来たので良しとするか。
それから少し進むとまた階段があった。
3階層行ってみるかを2人に確認したら、いくだけ行ってみようとの事だったので階段を降りていく。
ピロンッ
《二階層突破しました。ダンジョン限界値536減少》
またこの通知があったがもうとりあえず無視していく。
階段を降りると2層と変わらない空間があったので迷わず進む事にした。
そして、この層からは分かれ道が出てきたので俺たちはスマホにメモをしながら進む事にした。
数分歩くとモンスターが現れた。
3体のゴブリンだ。手にはボロボロのナイフを持った個体、弓矢を持った個体、木の盾を持った個体がいてスリーマンセルを組んでいる。
「てっちゃん弓矢のやつやって!俺はナイフのやつをやる!トシくんは盾のやつ!」
「おっけー!」「了解!」
俺はナイフを持ったゴブリンの腕を狙ってバールを振り抜く、ナイフはいとも簡単に弾くことができたし、腕も千切れた。
その次の攻撃で頭を砕いてゴブリンは魔石となった。
2人も難なく各ゴブリンを倒す事に成功していたので今回はここまでの探索にした。
帰りの時間も考えるといい時間だろう、スマホを見ると0時を回っていた。帰りは行きよりは早く帰れるだろうと予想して、ダンジョンを深夜3時過ぎにはでられるのではないだろうか。その時間帯なら穴の周りには人はいないだろう。
3人は辺りを警戒しながら入り口までの道をまた進むのであった。




