45話 闘技場
俺らは5人のチンピラに引き連れられて闘技場にやってきた。
見た目はもろにローマのコロッセオといったところだ。
闘技場の入り口に入るとまずロビーがあり、そこでは賭けをするだけか、試合に出るかを選び、賭けの場合は観客席へ行き、試合に出る場合は受付の列に並び受付を済ませる。
今回は試合に出るので受付をする。
まず、その受付は試合をする対戦相手と一緒に受付をする。今回の場合2vs2なので4人で受付をする。
まずルールの設定。
殺すことができるできないを決める。
今回はできない。気絶か降参で試合終了。
死ぬ可能性の高い状態になると魔法が作動し、強制終了になるので、思いっきり戦闘ができる仕組みである。
次に武器。
これはありかなし、今回はあり。
あとはスキルだ。
スキルはありに設定することが基本なのだとか。
なしの試合は盛り上がらないので闘技場でやることはほとんどない。
そして、いくらずつ賭けるかを設定する。
今回は2人で200,000Dコインを賭ける、負けると0となり、勝つと倍になる仕組みだ。
さらに自分たちに賭けることもできるので、俺たちは自分達に400,000Dコインを賭けることにした。
それが終わると相手とは別々に控え室に通される。
控え室の椅子に二人で腰掛けて作戦会議をする。
と言ってもいつものやつだ。
「よし、てっちゃんやってやるか。また俺が囮と防御をメインで、てっちゃん隠密で攻撃よろ。」
「いつものパターンな、おけ!」
そうするとウィンドウが表示される。
闘技場:戦闘(賭けあり)に転送してもよろしいですか?
YES NO
収納からナックルを取り出し、拳に装着する。
そして、俺たちは迷うことなくYESを選択。
すると、視界がふわっと光ると次の瞬間には闘技場の真ん中に立っていた。
『ここで登場したのは今回初心者狩りの餌食になった二人組だぁーーっ!!!登録名はマサトとテツヤだぁーー!!大きな声援を!!!』
『続きまして、この闘技場お馴染みの新人潰しのマック&ジョニーだぁぁーーーっ!!!今回のオッズは!新人が4倍で新人潰しが1.5倍だぁぁ!!さあ今始まるぞ!!!レディーッファイッ!!!』
ッカーーーン!とゴングが鳴り響くとマックが双剣、ジョニーがハンマーを持ち、こちらへ走ってくる。
俺は大声で叫ぶ。
「来いっ!ザコども!」
二人の視線がこちらに向くと同時にてっちゃんは隠密でサーっといなくなる。
そして、俺は身体強化とプロテクトをかけて拳をガンガン鳴らし構える。
ジョニーがハンマーで先に俺に殴りかかるが鉄壁と身体強化で軽く受け止める。その隙にマックが双剣で懐に斬撃を加えようとするが、俺はハンマーを掴むとそのままマックの方に投げ飛ばす。
するとマックの斬撃は途中で止まり、ジョニーとぶつかりながら横に吹き飛ぶ。
その隙にてっちゃんは毒ナイフを投擲し、見事二人の腕と足に当たった。
すぐ、ふらっとしたのだが
二人はどこからか毒消しポーションを取り出すと一気に飲み干す。
行動が早いし、しっかりした対応を見せたのである。
俺は勢い良く敵に接近するとジョニーの方に思いっきり拳を振り抜いた。
ジョニーはハンマーで受けようとするがそのハンマーごと殴るとハンマーが拳と地面の間でペちゃんこになってしまった。
「くっ、やべえ武器がダメになった!マック!前を頼む!」
「ちっ、仕方ねぇ、エンチャントファイア!!おりゃあーー!」
マックの双剣から炎が吹き出す。そして、俺の方に向かって走ってきて、炎の斬撃を繰り出す。
俺はナックルで炎ごと殴りながら双剣の斬撃を弾くと開いた胴に思いっきりナックルをぶち込む。
ドガンッといって闘技場の真ん中あたりから端っこの壁まで吹き飛んだ。
その間にジョニーはてっちゃんのナイフを食らっていてしっかりフラフラな状態になっていたのだった。
『試合終了ぉぉーーーー!!!勝者は挑戦者のマサトとテツヤだぁぁーーーー!!!みんな拍手ぅ!!!』
そうして試合は終了し、控え室に戻ってくるとスタッフがお出迎えしてくれ、賞金があるのでカウンターへどうぞ!とのことだったのでついて行く。
まず200,000Dコインが400,000Dコインに増え、自分たちにかけた400,000Dコインが4倍の1,600,000Dコインになって、本日稼いだ金額が計2,049,000Dコインになってしまったのだった。




