27話 探索者制度
プロローグにキャラクターのデザインを載せてますのでよろしければご覧になってください。
ダンジョンブレイクが起きてからすぐに政府は緊急事態宣言を発令し、不要不急の外出は控えるよう呼びかけた。
そして、ダンジョンから出てきたモンスターはまだ完全には処理できていないと発表があり、それは世間を騒然とさせていた。
そんな中、早急に整えられた制度があった。それは探索者制度というものだ。
この制度の下では、ダンジョン探索は許可制。誰でも自由に入れるわけではない。
申請を通じて正式に許可を得た者だけが、法律に触れることなく探索行為を行えるのだ。
具体的には、刃物の持ち込み、モンスターとの戦闘も、許可があれば銃刀法違反や危険行為に問われないというもの。
許可取得の条件は三段階に分かれる。
第一に年齢制限が16歳以上であること。
第二に座学研修である。
8時間に及ぶ講義で、主に法律の基礎やモンスターの生態、ダンジョン内部での行動指針を学ぶ。
モンスターの種類や弱点、遭遇時の安全対策も細かく教育される。
第三に実地試験。
ダンジョンに実際に足を踏み入れ、モンスターを討伐し、魔石を持ち帰ることが求められる。
魔石は試験合格の証であると同時に、探索者としての信頼性を示す重要なアイテムである。
探索者として許可を得れば、探索者は自由にダンジョンに出入りできるが、持ち帰ったものの扱いも制度で定められている。
政府が一旦買い取り、必要に応じて同価格で買い戻すことが可能だ。このシステムにより、貴重な魔石や素材が市場に溢れることなく、社会全体での管理が行われるのだ。
こうして、ダンジョンは単なる脅威ではなく、法に守られた「公認の冒険舞台」となった。
〜〜〜〜〜
5月の半ばに応募が開始されたのだが応募が殺到しているみたいで全然抽選に当たらない。
前回のダンジョンブレイクは2週間で起きた。
また2週間後にダンジョンブレイクが起きるかもしれないのに。やるせない気持ちもあるがそれは仕方ないことだと思って抽選に当たるのを待つ。
やれることと言ったら動画関連か。
そうだ、ポーションの効果の実演でも撮影してみるか。そうと決まれば2人に連絡する。
マサト:ポーションの効果の実演動画撮影しないか?多分バズりそうじゃないか?
トシ:いいね!それ絶対バズるよ!どこでやる?
テツヤ:トシん家はどうだ?広いだろ!撮影出来そうなところあるか?
トシ:いいよ!うちでやろう!場所はいいところがあるよ!
その後すぐにトシくんの家に集まる。トシくんの家に行くのは3回目だが、やっぱりデカいな。
門をくぐると日本庭園が広がっていて池に石橋がかかっている。マジやばい。
そして、本邸ではなく離れの方に案内された。
こっちはあまり使っていないらしく、広くてスペースがあるのでここでやることにするみたいだ。
部屋に着くと床にはブルーシートを引いておく、撮影の準備をし、ポーションと果物ナイフを物撮りしていく。
「とりあえず、俺がナイフで傷をつけてみようと思うんだけど、鉄壁があるから傷つかない可能性あるんだよな」
「無理そうなら俺がやるよ、そのくらい余裕だ!」
「二人とも一応気をつけてよ」
話し合いの結果、てっちゃんが果物ナイフで指を切ることになった。ただ血はモザイクをかけないといけないからあんまり映像としては面白くないかもな。
とりあえず撮影してみることして、この動画は俺たちが抽選に当たったら投稿しよう。これでまた応募が殺到したらたまったもんじゃないからな。




