107話 獣王国ガルドランド
29階層に到着するとそこは綺麗なオアシスだった。
27階層がサバンナで28階層は夜のサバンナ、でここはそのサバンナにあるオアシスなのだろう。そして、ここがボスフロアなのだろうがどんなモンスターかは全く想像がつかない。
ソイツはオアシスのほとりにある茂みから突然現れた。
動物の中の王と言ったら何を想像するだろうか?大体の人はそれはライオンだ!と言うだろう。
そう、現れたのはライオンなのだが、ライオンの顔をした二足歩行のモンスター?か、獣人なのか、今まで会ってきた獣人とは違い狼男の様な風貌だ。
そして、そのライオンは鎧を身に纏い、大きなバトルアックスを持っている。
そして、そのライオンが突然、、、
「おい、貴様ら何しにここへ来た」
「何しにって特に理由はないけど」
俺はまたセリフかなと思って適当に返答する。
「理由もなしに我が王国へ来る者などいるかっ!」
「あれ?意思がハッキリしてるタイプか!?」
「ごちゃごちゃ話しおって!叩きのめしてくれるわッ!!」
ブチギレながらライオンが突撃してくる。
結構な距離から勢いを付けてジャンプすると空中でバトルアックスを振り上げる。
俺はそれを見た瞬間に勢いをつけ、地面を蹴り、自らライオンに突撃していき、ライオンがバトルアックスを振り上げてガラ空きになっている胴体に思い切り飛び蹴りを入れてやる。
「ゴバァッッ」
ライオンは勢いのあまり吹き飛びながらオアシスの浅瀬に突っ込んだ。
「援護頼む!」
俺は2人に声をかけると同時に追撃しに走り出す。
起きあがろうとしているライオンに近づき、顔面に向かって右ミドルキックを放つ。
が、ライオンはバトルアックスの側面を顔に近づけてそれを防御した。
ガキンッ!
バトルアックスごとライオンを吹き飛ばそうと蹴った蹴りは想像通りにそれごと吹き飛ばすことができたがライオン本体には大したダメージは与えられていなかった。
「貴様、なかなかやるではないか。この獣王にダメージを与えるとはな」
「獣王さんだったんですね」
「そうだ。我は獣王国初代獣王ガイオスだ。覚えておけ」
「あ、はい。了解です」
「貴様、舐めておるな。消し飛ばしてやろう」
獣王ガイオスが迫ってくるが、その時後方から青いエフェクトの矢が飛んでくる。
その矢をガイオスはバトルアックスで弾くこうと矢を叩いた瞬間、青白い稲妻がバリバリッとガイオスを包んだ。
「グガッ!!」
スタンしているところにすかさずてっちゃんが近寄り、死角から飛び出しバトルナイフで切り付けようとするが、ガイオスは無理やりスタンを振り払ってナイフを回避する。
「よくもやってくれおったな、貴様ら」
俺はガイオスに迫っていく。バトルアックスの斬撃がくるがそれを避けながら懐に潜り、ジャブやストレートで確実にダメージを与えていく。
その間にも矢とナイフの援護を受けながら、少し隙があると拳撃をくりだし、追撃していく。
そして、ガイオスが一瞬怯んだその時、、、
「ここだぁぁ!!」
俺は拳に魔力を溜めていたものを斜め上方向、ガイオスの顎に向かって拳撃を繰り出す。
それを遮るものはもう何もない。
ドガンッ!!
拳撃(強)が顎を撃ち抜くとガイオスの体は後ろに頭から吹き飛ぶ。
そして、獣王ガイオスは霧となり消えていった。
「マサトくん、お疲れ!倒したね!」
「トシくんもありがとう!けっこう耐久力ある敵だったな」
「なんか獣王めっちゃカッコよかったな!」
てっちゃんはなぜか獣王のビジュでテンション上がっていた。
〜〜〜〜〜
俺たちは遂に30階層へと足を踏み入れる。
この階層には獣王国ガルドランドという街があった。
そう、先ほど戦った獣王の様な動物の見た目を持った二足歩行の種族がたくさんいる街だったのだ。
そして、街に入っていくとこの街ではなんと戦闘行為が許可されていた。
争いごとは力で解決するという街だったのだ。
何か起こる気しかしないぞ、この街。
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