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我らダンジョン攻略部〜もしも現実世界にダンジョンができたら〜  作者: 一日千秋


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106話 新装備を試す



26階層は荒野だった。

サバンナにほぼ草木が生えてない感じで曇り空だし、階層の雰囲気は重く沈んでいる。




遠くに見えるモンスターは大群で移動していて、アメリカバイソンのような見た目をしている。

しかも一体一体がデカくてワゴン車くらいはあるだろうか、そしてそれなりに速い。



あの数はちょっと厄介そうなので一旦見送る。



そして、探索開始。


ただ、見渡す限り荒野は続いていて、1箇所怪しい場所があるとしたら遠くに岩場があるのでそこへ行ってみる事にする。




そこへ到着してみると岩だと思っていたのがまさかの蟹だった。

岩っぽい質感の蟹だ。しかもそいつらもデカい。


ただ、スピードはないので俺がまずは先頭に立ち攻撃していくと、硬いけど倒せそうだった。



「トシくん!あの新しい矢とか試してみれば?」



「確かに!やってみるよ!」


トシくんはそういうとクロスボウを構えて、ファイアストームの矢をセットした。


「凄い!武器の取り回しが全然違うよ!」



シュッと矢が飛び出し赤いエフェクトを纏って蟹に直撃する。


すると、当たった瞬間に炎の柱が矢から噴き上がると蟹を包んでいった。



「おおっ!魔法やっぱスゲぇな!!」

てっちゃんはテンション高いリアクションを見せる。


「だね!僕もびっくりしてる!もっとこういう矢作ってみるよ!」



流石に矢は貫通していなかったので甲羅にはあまり傷が付かなかったが、弱い足の関節部分や目のあたりが焼けてボロボロになっていた。



けっこう威力はありそうだな。



「てっちゃんもこの蟹で新しい装備試してみれば?」



「ちょっとやってみるか!」


てっちゃんはバトルナイフ改を取りだし、意気揚々と走って斬撃を加える。



「お!違うのわかるぞ!風の補助がある感じだ!」



蟹の甲羅の部分は弾かれてしまったが関節は傷つけることができた。毒付与すれば余裕で倒せるはず。


トシくんの矢で焼けこげた部分はもっと簡単にスパッといけてたので協力プレイなら簡単に倒せることがわかった。





俺達が性能を試していると、グラグラと地面が揺れはじめ、蟹のモンスターがいたこの場所の地面がボコボコと盛り上がってくる。



「警戒!!」

俺は咄嗟に叫ぶ。



巨大な柱かと思うほどの蟹の足が次々と地面から飛び出してくる。

そして、最後に本体が噴火したかのように飛び出てきた。



めちゃくちゃデカい岩蟹が出現する。

絶対こいつがこの階層のボスだろ。



「いくぞ!2人とも!」


俺は勢いよく飛び出していくと蟹の本体へと近づき、はじめに拳撃を軽くお見舞いする。


蟹の表面の岩が少し剥がれ落ちるくらいだったのでお次は力を込めた拳で殴ると次はボゴッと多めに砕けて剥がれ落ちた。


これならいけるっ!



「僕も次はボムでいくよっ!」

シュッと矢が飛んでいき蟹に当たる。


ボガンッ!!

トシくんの新しい矢が炸裂した。




先ほどのファイアストームよりデカい爆発が起こったので俺も結構びっくりした。


そのあとてっちゃんが爆発の起こった箇所に毒ナイフを投げ込むと蟹はぶくぶくと紫色の泡を吹いて動かなくなっていく。



俺は動かなくなった蟹にタメの大きな拳撃(強)をお見舞いする。



すると蟹は霧になって消えた。



「トシくんの魔法矢すごかったね、アレ絶対量産したほうがいいよ」



「ホントだな!すげーよ!トシ!」



「ありがと!そうだね、僕も絶対その方がいいと思ったよ。今までよりも2人と一緒に戦えてる気がして嬉しいし!」




こうして、俺たちはトシくんの魔法矢を作るためにまた街に戻って大量生産しにいく事にした。

このことによって、トシくんの戦闘力が上がり、ダンジョン攻略の進みが早くなっていった。




最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
トシくん、お金を稼いでお金の暴力振るう。 まさに生産職。3人の役割分担もしっかりしていて良き。
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