ep.7『Tomorrow never knows』
野田はギターを丁寧にケースにしまいながら、思い出話を続けるうちに目を赤くし、声を震わせ始めた。
野田:「なんで殺されちゃったんだろうな、、、あんなスゴイヤツ。」
礼堂:「なんか誰かの恨みを買ったり、妬まれたりしたことはないですよね?」
野田:「これといって思い当たらないな。みんなボウのことが好きだったよ。あいつは性格もよかったし、トラブルなんか起こすタイプじゃなかったからな。
すまんな、、思い出話しかできなくて。俺に残ってるのはボウの形見の革ジャンだけさ。」
冬月:「革ジャンですか?」
野田:「あぁ。ボウが殺された日に着てたんだ。警察の調査が終わってから俺が引き取った。それ以来俺がずっと大切に持ってる。」
礼堂:「野田さん……色々話してくれてありがとうございます。」
野田:「いや、全然構わんよ。ボウはたくさんの人に愛されてたからな。当時のファンも、たまに集まってオフ会だのしてるみたいだぜ。」
冬月:「.....へぇ〜。そうなんですね。ふっ。なんか湿っぽくなっちゃいましたね。一旦事件の事は忘れて、今日は飲みましょう!」
礼堂:(なんか冬月にしては受け入れるの早いな。まぁ、コイツなりに気ぃ遣ってんのか。)
「そうだな!今日は飲みましょう!改めて!乾杯!」
冬月:「乾杯!」
末吉:「乾杯〜!」
夜魔:「おう、今日はサービスするぞ!」
野田:「よっしゃ、いっぱい飲もうぜ!」
その後、一同は話題を音楽や近況に移し、終始和やかな雰囲気で盛り上がった。
ロック談義に花が咲き、野田は何曲もギターを披露しつつ、酔いが回るとさらに饒舌になった。
礼堂と冬月も、それぞれの持ち味を活かして場を盛り上げる。
外が明るくなる頃、一同はようやく解散することに。
礼堂:(結局情報はなかったなぁ...)
冬月:(ファンのオフ会かぁ。。ふふ!)
2人の視線が一瞬交わるが、お互い口には出さずに別れる。
それぞれの思惑を胸に、再び事件の謎に迫ろうとするのだった。
ーーー翌日。
2人は喫茶店でコーヒーを飲んでいた。
礼堂:(いや〜、、、もう酒とか飲むのやめよう。一生飲みません!)
冬月:(もうアルコールは法律で禁止にしてくれよ。ホントキツかったわ。。)
2人とも、二日酔いで気分は最悪な状態であった。
礼堂:「まぁでも俺、午前は仕事したね!余裕で!!休みの日に事務作業は終わらせちゃうっていうね!」
冬月:「まぁ俺は要領いいから仕事は土日に持ち越さないよう平日で終わらせるね!なんなら俺は早朝からフルマラソンしてた!あ〜汗かくって素晴らしいね!充実してたわ!」
礼堂:「あ〜、分かる分かる!でもさ、君は確認ミス多いんだから土日で確認した方がいいんじゃない?ちょっとしたアドバイスしちゃうけど。」
冬月:「君こそ、いつも車移動なんだから運動したほうがいいんじゃない?太っちゃうよ〜。もうそろそろ気にしないと。営業だから飲み会多いだろうし。」
礼堂 & 冬月:(はぁ〜、、、)
2人は虚勢の張り合いにより、少し虚しい気持ちになり重い空気が流れる。しばらくして、冬月が口を開いた。
冬月:「そういえばさ、いい方法思いついたんだよね。」
礼堂:「いい方法?冬月先生、それはどんな?」
冬月:「おう、礼堂助手。」
礼堂:「誰が助手だ。」
冬月:「まぁ完全に受け売りだけど、オフ会だよ。オフ会。」
礼堂:「なるほど、、、って、え?オフ会?」
冬月:「察し悪いな〜!野田さん言ってたじゃんか!今でも当時のファンがオフ会やって集まってるって!そこで情報を集めよう!」
礼堂:「なるほど!さすが野田先生!天才だ!」
冬月:「先生は俺だ!」
冬月:「まぁいい。俺がプログラミングで、
SNS上にジャンク・バスターズのオフ会案内を拡散するから!お前は会場を探しておいてくれ!」
礼堂:「はい!野田先生!」
冬月:「先生は俺だ!」
こうして、2人の「ジャンク・バスターズオフ会大作戦」が幕を開けた。
『SNSを見ている若者』
「ん?、、、ジャンク・バスターズオフ会?なんだこれ?なんか新しいバトル系アニメのイベントか?」
『SNSを見ている主婦』
「あら、、?何かしらこれ?ジャンクフードが安くなるセールの情報かしら?」
『SNSを見ている当時のファン』
「へぇ〜!こんな大々的にオフ会やるのか!懐かしいな、ジャンク・バスターズ。行ってみるか!」
『SNSを見ている経営者』
「なんだと?なんでいきなりこんなことが?誰が企画してるんだ……」
その他諸々の反応
学生:「ジャンク・バスターズって何?なんかかっこいい名前だな。」
音楽マニア:「ジャンク・バスターズのオフ会!?え、これあの伝説のインディーズバンドのことか?」
謎解き好き:「待てよ……これ、事件に関係してたりしない?」
SNS上で突如話題に上った「ジャンク・バスターズオフ会」の告知。
多様な反応が続々と拡散され、オフ会は瞬く間に話題となっていった。
礼堂:「おい冬月!なんか盛り上がってないか?」
冬月:「だろ?俺が完璧な告知文作った告知文からな!これで確実にファンが集まるぞ。」
2人の計画は、それなりの注目を集めることとなった。




