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ep.40『アナザーモーニング』

翌朝、眠りから目覚めた礼堂は、ベッドから起き上がり、スマートフォンを手に取った。昨夜の夜魔での打ち合わせの内容を振り返りながら、アプリのメッセージ画面を開く。


礼堂:「昨日はありがとうございました。楽しかったです。事件の情報を掴んだらこのアプリで共有しましょう!よろしくお願い致します。っと〜」


そのまま再度眠りに就こうとした瞬間、スマホから通知音が鳴った。礼堂は眉をひそめ、再び手に取って画面を確認すると、夜魔からの返信が表示される。


夜魔:「ラジャー!」


礼堂はふと、不審そうにアプリのグループ履歴をチェックする。


礼堂:「…あれ?夜魔さんもグループに入ってたんだっけ?招待した覚えないけど。」


画面をスクロールすると、富士田が夜魔を招待している記録があった。疑念を抱いた礼堂は、すぐに富士田に電話をかける。


富士田:「あっ、もしもし〜。おはよう。昨日はお疲れ様〜。」


礼堂:「朝から電話かけて悪いね。いや全然構わないんだけど富士田さぁ、アプリのグループに夜魔さんを招待したみたいだけど、なんかあった?」


富士田は少し笑いながら、口調を軽くする。


富士田:「あ〜〜。それね。昨日、夜魔さんがしつこく『俺もグループに入れてくれ』って言ってきたんだ。俺も情報共有しときたいって言うから、招待したんだよ。」

礼堂は眉をひそめながらも、内心で考える。


礼堂(うむ……怪しいな……。はっ!まさか、夜魔さんも犯人側の人間、、?いや〜、それは流石にないか。)


富士田:「なんか、招待したあとに"俺が先に見つけてやるか〜!"とか言ってたよ。なんでか分からないけど。」


礼堂は画面を見つめ、心の中で呟く。


礼堂(なるほどな。俺たちより先に見つけて、自分だけ1000万貰おうとしてるのか。ほんとせこい男だ……。)


富士田:「ん?なんかあったか?」


礼堂:「いや、大丈夫!そっか!夜魔さんがやる気出してるならまぁいいか!」


富士田:「なんか、ニタニタしてたけどね。」


礼堂:「なるほど〜、、了解!ありがとう!」


富士田:「うん!明日から本腰入れて社長のこと探ってみるよ!」


礼堂:「おう!無理せずな!」


電話を切ると、礼堂はすぐさま冬月に電話をかけた。


礼堂:「もしもし冬月、あのさ、、」


礼堂が夜魔の件を伝えようとすると、冬月がすぐに口を挟む。


冬月:「な〜んで、夜魔さんがグループに入ってるんだよ? 別にいいけどさ〜。」


礼堂:「俺も気になって富士田に聞いたんだけど、俺たちより先に犯人見つけて、1000万横取りしようとしてるぞ、あのおっさん。」


冬月は驚いた様子で応じる。


冬月:「なに〜!協定組んだじゃねーか!やっぱ金にがめついな、あのおっさん!」


礼堂:「ほんとだよな〜。まぁ、グループにいてくれた方が何かと助かるからいいんだけどな。」


冬月:「顔も広いしね。次会ったとき一旦釘は刺しておくか。」


礼堂:「そうだな。マジで1000万持ってかれるのだけは勘弁だよ。とりあえず、富士田が明日からまた本格的に川端の調査してくれるみたいだから、俺たちも出来ることをやろう。」


冬月:「でも実際、できることなんてあるのか?」


礼堂:「あるだろ。尾行だよ。」


冬月:「尾行か〜。外出るの、だるいなぁ〜。」


礼堂:「分かった。じゃあ俺が尾行するよ。その代わり、お前も1割な。」


冬月:「ふふっ。待ってくれよ。ちょうど尾行がしたかったところだ。水臭いじゃないか〜礼堂くん。俺にも協力させてくれよ。」


礼堂:「よろしく!お前も金にがめついな!」


冬月:「お前もな!!」

再度尾行することが決まったタイミングで、スマホから再び通知音が鳴る。


夜魔:「何か手伝えることがあれば言ってね! 尾行でもなんでもするよ! 任せて!」


礼堂と冬月は同時に声を上げる。


礼堂&冬月:「え、、、盗聴されてる?」


礼堂は苦笑いを浮かべながら、少し考え込む。


礼堂:「まぁ、夜魔さんはデカいし目立つから無理だろ。」

冬月:「絶対無理!」


こうしてまた、犯人の手掛かりを掴むための戦いの日々が、始まろうとしているのであった。

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