ep.22『可愛いアノ娘』
後日ーーー
秀治から動画サイトにはアップしていないライブ映像が送られてきた。
礼堂は冬月の家に着き、これから2人で映像を確認しようとする。
礼堂:「よし!じゃあ確認しますか!」
冬月:「おけ。秀治さんもご丁寧に結構な量送ってくれたよ。」
礼堂:「なんやかんやでいい人だったよな〜秀治さん。」
冬月:「動画送ってくれた際のメールみるか?」
メール内容:「先日はありがとうね。なかなか楽しかったよ。まぁ僕なりに色々見てみたけどさ、凄いことが分かったんだ。」
礼堂:「え?すごいこと?」
冬月:「まぁ読み進めてみなよ」
礼堂がその先を確認すると同時に、冬月は画面から目を背ける。
メール内容:「まぁまず1本目からね。早速1曲目のサビ前なんだけど、俺よくこの角度から撮ったよね。今の俺が見てもこれは凄いと思う。それから3曲目の・・・」
礼堂:「……なるほどな」
冬月:「……な。相変わらずだよ。」
そのままメール文章を流しながら文面の最後に辿り着き、、
メール最後内容:「ライブ直前の会場の映像とかもあるからそっちも見てね(笑)」
2人で最後の文面を確認し、、、
礼堂:「へぇ。まぁそういう方が思わぬものが見れるかも。ちょっと見てみようぜ。」
冬月:「そうだな。まぁあの人の(笑)腹立つけどな。」
映像を確認する2人ーーー
冬月:「始まる前からファンの熱気がすごいね。」
礼堂:「ほんとだな。」
映像を2人で確認していると、、、
冬月:「あれ?なんか個人に着目してるぞ?」
礼堂:「あっアップになった!」
冬月:「この娘めっちゃ可愛いし綺麗!」
礼堂:「こんな人もファンにいたんだな。さすがジャンク・バスターズ。まぁこの人ロックバンド好きそうな感じには見えないけどね。」
冬月:「いやいや、こういう人こそハマるんだよ。だから俺みたいなイケメンもロック好きだし。」
礼堂:「それ自分で言うか?秀治イズムじゃん。」
冬月:「バカやめろ。」
そして更に映像を見続けていると、
礼堂:「あれ?今度はまた別の人を撮ってるぞ」
冬月:「さっきの人に似てるね。この人もすごく綺麗だ!」
またまた映像を見続けていると、
冬月:「今度はちょっとタイプは違うけど、綺麗な人だね。」
礼堂:「うん。ハーフ美人系だね。」
そして最後まで動画を見続けた2人
冬月:「なんだよ!女ばっかりじゃねーか!」
礼堂:「これいわゆる盗撮だろ!もう秀治さん犯人でいいよ!それが一番上手く収まる!」
ライブ前の映像は、秀治の美女コレクションとなっていたのであった、、、
そんなこんなで2人で他の映像データも漁り続けていると、、、
礼堂:「あれ?ちょっとストップ!!!
ちょっと戻して!!!もうちょっと!!」
冬月:「なんだよ。興奮するなよ。お前も美女見つけたか?」
礼堂:「あんな盗撮犯と一緒にするな。。
あいや、、これさ、、、川端じゃないか?」
冬月:「ホントだ!!でもオフ会の時とは別人のようにノッてるぞ。」
礼堂:「ホントにファンだったんだな。」
その時2人は何か大事なことを思い出した、、、、
礼堂:「あ。そういや、富士田何か情報掴んだかな?」
冬月:「まぁ掴んだら普通連絡くらいしてくるだろ?呑気に配信してるくらいだから、進展なしだろうな」
礼堂:「じゃあ川端は犯人じゃないか〜」
冬月:「まぁ、まだそうと決まったわけじゃないよ。」
礼堂:「とりあえず明日にでもまた富士田に状況聞いてみるか。。」
その後も動画も確認し続けた2人だが、、
結局、、川端がジャンク・バスターズの熱狂ファンだったことと、秀治が盗撮犯だったことしか、情報を得ることが出来なかった。
そんな2人はとても行き詰まった様子であった。
そして冬月が何か不貞腐れたように話し始める。
冬月:「っていうかさ?そもそも事件の犯人探してるのって誰なんだよ?あれ適当に面白半分で書いてただけなんじゃないのか?ページの視聴稼ぎで!なんか色々広告あったし!」
礼堂:「確かにな。それも一理ある。というかそっちの可能性の方が高いよな?普通に考えたら。」
事件の情報が得られないイライラのちょうどいい矛先を見つけた2人は、、
冬月:「なぁ!俺ページの管理人にさ、趣味悪いんだよふざけやがって!俺達の時間を返せ!って言うわ!
ついでに今日上司に怒られた文句も言ってやる!!!あ〜ムカつくわ!!」
礼堂:「あぁ言ってやれ!俺を絡ませずに言ってやれ!!!」
冬月:「おい!お前裏切んなよ!!」
礼堂:「いやいや冗談。まぁでも確かに文句の一つでも言ってやりたいな。」
冬月:「はっ!なんならそいつが殺したんじゃないか?」
礼堂:「なんかもう、それで終わらせようとしてんだろ、、、」
2人は怒りを解消できないまま、、特に冬月は解消できないままその日の作業を終えた。。




