間奏4 ガールズトーク・ボーイズトーク
間奏4 ガールズトーク・ボーイズトーク
文化祭での出会いから、瑠香と綿貫は、時折一緒に遊ぶ仲になった。
ある日、ショッピングに出かけた二人は、午後のひと時をカフェで過ごした。
「ねえねえ、わたわたって、好きな男子いないの?」
瑠香は綿貫を「わたわた」と呼ぶ。
「えっ? 好きなヒト?」
「だって、部活じゃ佳典も白井くんも一緒でしょ? どっちも良いじゃん」
綿貫は複雑な表情をする。
「うーん。松本君は、成績良いし、メガネ取ったら、結構イケてるとは思うよ」
瑠香はうんうんと頷く。
「でも、なんか、いつもボーっとしてる感じで、あんまり女子に興味なさそう…」
それは否定できない。
「白井君は、いつもふざけてるけど、多分根が真面目だと思うの。でもねえ…なんかメンドクサそう」
あーそうかもね。
「あ、じゃあじゃあ、最近ツルんでる小沼君とかは?」
あはは、と瑠香は笑う。
「目付きが怖い! ムリ!」
つられて瑠香も笑った。
瑠香から見れば、みんなソコソコカッコいい、性格も良い男の子だが、女子高生の査定は結構シビアだ。
「そういう瑠香さんこそ、カレシいないの?」
「私? カレシは二次元で十分!」
同じころ、恭介と悠斗と白井は、しばしゲームセンターで遊んだあと、ファミレスでまったりとしていた。
「男同士も良いんだけどさ、やっぱ、綿貫さんでも誘っとけばよかったな」
何杯目かの炭酸入りのドリンクを飲みながら、白井が呟いた。
「へえ、白井の好みって、彼女なんだ」
悠斗の口元は笑っていた。
「ばっか、違えよ! 一番誘いやすいから」
白井の顔は真っ赤になる。
「それよりさ、瑠香さんて、彼氏いるの? 悠斗なの?」
話題を変えようと、白井は必死になる。
「瑠香さんは恩人」
きっぱりと悠斗は言う。
「まあ、美人だとは思うけど」
黙って話を聞いている恭介にも、白井は矛先を向ける。
「それこそさ、一番近くにいる松本は、瑠香さんとどういう関係?」
「関係? うーん、姉さん、みたいな?」
「あんな綺麗なお姉さんがいたら、松本は彼女作らないよね」
白井は軽くため息をつく。
「白井って、彼女欲しいの?」
悠斗が聞くと
「欲しくない男子、いるの?」
白井は悲痛な声を出す。
「俺、どの子が美人とか、彼女欲しいとか、正直分からないんだよね」
恭介が真面目に答えると、悠斗が突っ込む。
「そりゃあ、お前、マザコンだから」




